「退廃の愛の形」愛の嵐 散歩男さんの映画レビュー(感想・評価)
退廃の愛の形
噂には聞いていた本作。ポスターなどで何度も目にしたあの映像はどのようなシーンであろうか?
というような気持ちで映画館へ。
1957年のウィーンが舞台。第二次大戦が終結して12年後ぐらいか。その辺りの歴史認識がないとわかりにくいかもしれない。
ダーク・ボガードの日常と徐々にその実態が明らかになっていく過去がフラッシュバック。
セクシャルでありつつアブノーマル。オペラに乗せた見せ方も上手い。
なんといってもシャーロット・ランプリングの存在感が凄い。
痩せてアバラが浮き出た体躯に控えめなニップルを早々に披露。
ラブシーン(というか愛撫)の長まわしショットなどまさに体当たり。
ナチス将校との視線の絡ませ方で全てを語る演技も素晴らしい。
政治的側面からということで言えば、ナチスを描くというよりは愛欲の形を描くのにそこが必要だった という風に思えた。
調べてみるとこれ製作は1973年のイタリア映画で監督は女性であった。当事どのような評価をされたのか今更ながら気になる。
ヨーロッパの退廃はヘヴィだなと感じる作品です。
コメントする