劇場公開日 1975年11月1日

「【”命を懸けたForbidden Love”シャーロット・ランプリングの灰色の瞳と、ナチス帽を被ったトップレスサスペンダー姿が印象的すぎる作品。】」愛の嵐 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”命を懸けたForbidden Love”シャーロット・ランプリングの灰色の瞳と、ナチス帽を被ったトップレスサスペンダー姿が印象的すぎる作品。】

2021年10月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

悲しい

怖い

難しい

ー シャーロット・ランプリングという稀有な女優を知った作品である。今作を演じた時は御幾つだったのであろうか。
 ナチスのSSだったマックスとの愛。それは、生き残るための表面上の愛だったのかもしれない。
 だが、戦後、元SS達がヒッソリと暮らす中、ルチア(シャロート・ランプリング)は著名なオペラ指揮者の妻として、マックスが働くホテルに投宿する・・。
 数年ぶりに出会った二人の間に沸き上がった想い。ー

◆感想

 ・シャーロット・ランプリングの憂愁を帯びた、灰色の瞳には、毎回魅入られる。
 私が観た映画「レッド・スパロー」「さざなみ」などでは、一切笑顔無く、怖い教官や、齢を重ねた深い憂いを、眼で表現していた。
 ー 私の中では、あの瞳に拮抗しているのは、エヴァ・グリーンだけであると思っている。瞳の色は違えど、雰囲気が似ていると思う。ー

 ・余りにも有名なナチス帽を被ったトップレスサスペンダー姿で、ナチスの宴で振舞う若きショートヘアのルチアの姿。

 ・年を経て、元SS達が、自分の身を保つために、行っていた事。
 それを知りつつ、ルチアはウィーンに一人留まり、マックスも制止の声を聞きつつ、ルチアとの禁断の恋に、陥って行く。

<橋上で二人を襲う凶弾。
 だが、それを覚悟の上での禁断の恋だったのであろう。
 戦中の禁断の愛が、年月を経て真の恋になって行く。

 Forbidden Loveと言えば、「戦場のメリー・クリスマス」のヨノイ大尉(坂本龍一)と、英国将校のジャック・セリアズ(デヴィッド・ボウイ)の姿を彩るメインテーマが脳内を過るが、デヴィッド・シルビアンがあのテーマに歌詞を載せて歌った「Forbidden Love」を思い出してしまう。
 忘れ難い作品である。

 近作の「DUNE/砂の惑星」に登場した、年老いたシャーロット・ランプリングの姿を見ても、”流石だなあ・・”と思ってしまったなあ・・。>

NOBU