愛と青春の旅だちのレビュー・感想・評価
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内容の非常に濃いすばらしい作品です! お気に入りシーンは ・ザック...
内容の非常に濃いすばらしい作品です! お気に入りシーンは ・ザックが、軍曹にDORしろ!と罰を受けているところで「嫌だ!いくところがない!」というシーン。 ・ザックが、同期の女の壁上りを助けるところ。 ・卒業して軍曹と少尉で階級が逆転して、卒業生が軍曹にメダル?を渡すシーン
男の成長物語
冒頭から物語にぐんぐん引き込まれていく。
居場所が無いからと本音を吐露し、弱さをさらけ出したときに彼の人生はひとつ転機を迎えた。
ラストシーン。二人のセリフは無く、リネットの「おめでとう、ポーラ」がなんともいえない。難しいセリフだ。
●そして男になる。
これだけ刺さるシーンが満載な作品も珍しい。特に鬼軍曹とザック、ふたりが交錯するシーンはいずれも心が揺さぶられる。
まず、ザックの心の叫び。人は追い詰められて初めて本音が出る。若きリチャード・ギア渾身の演技は迫力モノ。
親友シドをめぐるやりとり。鬼軍曹は、物事の優先順位を心得てる。
そしてラスト。短いセリフに愛が溢れる。こっそり別ポケットにコインをしまう演出がイキだ。
鬼軍曹は「怒る」と「叱る」の違いをよく心得ている。士官養成だから「怒る」だけでもいい気がするが、ホントに紳士でカッコイイ。
人は厳しさの中で鍛えられる。ザックは、独り善がりの成り上がりから、仲間思いの紳士に成長する。障害物走で記録を狙うシーンも素晴らしい。ありゃあ、なかなかできないよ。物事の優先順位を理解した男の行動だ。
同時に進む期間限定の恋人関係。親友シドが自分の人生を歩みだそうとした瞬間に訪れる挫折。それぞれの本音が見え隠れ。それぞれが本音を吐露。彼ら彼女らの発言と行動は、なかなか考えさせられる。
そして究極のラスト、鉄板の主題歌。わかっちゃいるけど涙が溢れ出る。
ポーラの友人、リネットの表情の変化もニクイ演出だ。
蛇足だが、リチャード・ギア後年の「プリティ・ウーマン」も、この辺の男女の関係が似てて嫌いじゃない。
さらに蛇足だが、原題は「士官と紳士」「士官たるもの紳士たれ」って解釈は複数あるものの、なぜこの邦題。こりゃあ主題歌の邦題に引っ張られたんじゃないだろか。主題歌ヒットの恩恵を映画でも得ようとしたのでわ。でもこの邦題も嫌いじゃない。
士官学校卒業からラストシーンへの爽やかさ。ラストカットから流れる誰...
士官学校卒業からラストシーンへの爽やかさ。ラストカットから流れる誰もが知る名曲。 初見のまだ若かりし日、こんな純愛をするぞと憧れました。 今回再見して、これは純愛じゃねーな。極限状態に置かれた者は、癒してくれる異性に惹かれるんだ、長続きはしないな、そう思った。つくづく嫌な大人になったもんだ、再見しなけりゃ良かったのかも(笑) しかし、なんだろう、この映画、見ているとどんどん引き込まれていきます。官能シーンや衝撃の死があるからなのか?女優さんもだんだん美しく見えてきます。そして最高のラストが。 若いうちに、一刻も早く見ることをおすすめします(笑)
つめこんだなー笑
一番最初のフィリピンのシーン、父親からの罵倒シーンでスタートしたのが良かった。
悪事がバレて、それでも居場所がないからと、ドロップアウトしない主人公のシーンは良かった。
辛い子供時代を過ごした彼は父親と同じ海軍入り。
そこで友情と愛情を知る。
デボラウィンガーの可愛さといったら!
リチャードギアも若い!!
ストーリーは最後はハッピーエンドだしネットリ感とか後腐れなく見れる映画ですね。うん!カップル向けかな?!笑
男の成長
WOWOWが始まった頃ビデオに録画し、何度も何度も観た。好きなシーンはリチャードギアが士官学校を依願退学させられそうになって、本気で泣いて鬼軍曹に懇願するところ。そしていろいろな経験を経て成長した主人公が卒業式で鬼軍曹に礼を言うところ。
縁あって週末に中学生に野球を教えているが、大きく成長してもらうために怒る、真剣に怒ることは時にとても重要だ。それをこの映画は教えてくれる。
爽やかな感動をよぶ結末
総合90点 ( ストーリー:90点|キャスト:90点|演出:80点|ビジュアル:70点|音楽:85点 )
海軍の士官候補生といえば将来が約束された有望株であり、片田舎のしがない工場勤めの若い女性にとっては彼らとの結婚は玉の輿である。まだ社会に出る前の学生時代に最初に観たときにはこの部分をそれほど意識しなかったが、彼らの間には歴然とした階層の差がある。一生をたいした仕事もないまま田舎で貧乏暮しをして過ごすのか、世界中を飛び回る栄光のアメリカ海軍士官操縦士の妻として過ごすのかは大きな違い。
だから彼女たちは普段のみすぼらしい服を脱ぎ去って、ここぞと着飾り士官候補生をものにしようと出かけていく。反対に士官候補生にとっては厳しい訓練期間を楽しく過ごすための一時的な遊び相手が欲しいだけであり、遊び相手と本気で恋愛して結婚するつもりはない。そこには大きな溝があり、それで双方の思惑がぶつかりあうのである。
だがこの作品はそのような話に止まらず、もっと多角的に登場人物を見せてくれる。美男子だけど不幸な生い立ちから自分のことばかりを最優先するひねくれものだったリチャード・ギア演じる主人公ザックが、人を信頼し信頼される士官候補生として成長していく過程が良い。ザックとポーラの関係があり、ザックの親友シドとポーラの友人リネットの関係があり、ポーラとリネットのとる行動には決定的な違いとそれがもたらす結末の違いが出来た。
そしてなんといっても候補生をいきなり「オクラホマにいるのは牛かホモだけだ」と罵倒してしごき続ける鬼軍曹を演じてアカデミー助演男優賞を獲得したルイス・ゴセット・Jrが圧倒的な存在感を示す。彼は怖いだけの教官ではなく、常に誰が国の将来を担う士官となるにはふさわしくないかを厳格に試しているし、だから例えばザックが能力はあっても性格的に独りよがりだと見ぬいている。彼がいたからザックは士官にふさわしい人物に変わることが出来たし訓練を終了することが出来た。だから原題の『an officer and a gentleman』なのだ。
そして厳しい訓練を生き抜き、卒業式で仲間と共に帽子を空に飛ばして共に歓び、ただの士官候補生から正式に少尉として任官され士官となって、ザックはかつての上官であった軍曹の上官となる。卒業する場面でザックと軍曹が交わすわずかな会話が実に感慨深いし爽やか。士官候補生としてのザックの物語はこれで終わるが、そのあとも軍曹は新しく入ってきた候補生に「アリゾナにいるのは牛かホモだけだ」と怒鳴り続けるのである。
そして白馬の王子ならぬ真っ白な制服姿に士官となった証の金の縁取りをつけてポーラのいる製紙工場に堂々と侵入し、働いている彼女をみんなの前で颯爽とさらっていく最後にやってくる本当の結末は、本当に清々しくて爽快な旅立ちとなる。だから私は英語の原題と全く異なるこの邦題は、ちょっとくさいけれどあながち間違っていないと思う。訓練を終え人として成長し士官になり、でもそんなこと抜きで愛を知った二人の姿がひたすらに爽やかで幸せな気持ちで満たされる。だから不幸も乗り越えて結ばれた二人をただただみんなが祝福するのである。ポーラもまた愛を知り、だからこそずるいことをすることなく踏みとどまり、それでザックの信頼と愛を得た。アカデミー賞をとった音楽がまた素晴らしくて雰囲気を盛り上げる。
これが自分にとって初めて観たリチャード・ギアの作品だったと思う。リチャード・ギアといえば「プリティ・ウーマン」が大きな出世作として有名だが、私にはこちらのほうが圧倒的に良かったし、十数本観た彼の作品の中で今でも本作品を一番高く評価している。
追加(2020年5月4日)
この映画はかなりお気に入りで、テレビで放送されていたのでまた観てみた。ついでにネットで色々と調べてみたので、その情報を追加で記載しておきます。
脚本はありがちなことだがいくつか変更されている。その中でも父親の役割が面白い。
最初の場面でシアトルで父親が娼婦2人と寝ている。しかし脚本では、実は前日は1人の娼婦がいただけだった。しかし息子のザックが訪ねてきたので巨乳のグロリアを追加で呼んで、1つの寝床で親子で酒を飲みながら2人の女と乱交を楽しんだのだ。そして朝になって起きたザックがまだ寝ている3人を見下ろしている。映画ではだらしない父親を見下しているかのようだが、実はザックもその行為に関わっていてそのことを思い出していただけの場面だったとは驚いた。これでは意味が全く正反対に違う。
そして海軍に士官候補生として入ると告げるザックに、息子に敬礼をしなければならなくなるとちょっとした言い合いになる。(ここは作品でも脚本通り)
その後、父親はザックの訓練期間中に会いに来て、父親を愛しながらも裏切られ自殺するまで追い込まれた母親との関係について尋ねるザックと喧嘩をする。その場面をポーラに観られる。それが後のザックのポーラに対する行動に影響を与えたと思われる。
最後に、卒業式に父親はザックの姿を観るために参加し、ここで士官となり父親よりも高い階級についたザックに、父親は上官に対する敬礼をする。
このような父親の役割が作品ではほぼ無くなっていた。父親はただ駄目なだけの、息子が反面教師とするだけの存在になっていた。だが元の脚本では、そんな父親と実際には同様に駄目だった息子が努力をして遂に士官となる。そんな普段の生活態度と仕事上のことだけでなく、父母の関係をも顧みて自分は女性に誠実であろうとしようとしたことが示唆され、また父子の関係も昔と変わったことがわかる。士官になるとは、行動規範としても士官であることが求められるが、ザックは士官にふさわしい行動を出来るようになった。そんな重要な役割だった父親の話が省力されていたのは残念だった。
実は驚いたことに、この内容が書かれている元の脚本がネット上でそのまま公開されていました。英語ですが興味のある方はどうぞ。日本の映画も含めて、映画の脚本というのを私は初めて読みました。
www.dailyscript.com/scripts/officerandgentleman.pdf
その他として、
・ザックの乗った自動二輪はT140E Triumph Bonnevilles 、リネットの乗った車は1962年型 Ford Falcon Fordor De Luxe。
・ザックの恋人役のポーラを演じたデブラ・ウィンガー、リチャードギアと仲がよくないだけではなく、自身を初のアカデミー賞候補にもしてくれたこの作品そのものも嫌いらしい。
・リチャード・ギアが演じたザック役も、デブラ・ウィンガーが演じたポーラ役も、ルイス・ゴセットジュニアが演じたフォーリー軍曹役も、有名俳優をはじめとしていろんな人に配役を尋ねてみたがなかなか決まらず流れ流れてこの3人になり、結果として3人とも知名度が上がった。
・ルイス・ゴセット・ジュニアは鬼教官という役柄上、撮影中は違う場所に住んで他の共演者と会わないようにされていた。
・卒業式でフォーリー教官に卒業生が1ドル硬貨を慣習として渡すが、ザックの渡した硬貨だけは特別な卒業生からの硬貨として服の反対側の違う場所に収納している。
・作品中に歌われ名曲として知られる「Up where we belong」は、実はプロデューサーのドン・シンプソンが気に入らず別の曲にしたがっていた。その曲は "On The Wings Of Love" by Jeffrey Osborneで、Youtubeで聞くことが出来ます。私は「Up where we belong」のほうが全然好きです。
・最後にザックが制服姿で工場に侵入しポーラをさらっていく場面は、リチャード・ギアもハックフォード監督もやりすぎではないかと考えていて当初は反対だった。だが本番前の練習でこれをすると、工場にいた出演者たちが自然に作業を止めて拍手をし泣いたほど盛り上がったことから、そのまま本番でも行われることになった。私も脚本通りにして成功だと思います。
(出典:IMDbより https://www.imdb.com/title/tt0084434/trivia?ref_=tt_trv_trv)
原題は『an officer and a gentleman』であり、よくわからない。英語版Wikipediaによると、conduct unbecomingという言葉が省略されているが、英米軍の士官の守るべき行動規範である言葉から来ているらしい。これを守れていないものは罰せられるということ。
The film's title uses an old expression from the British Royal Navy and subsequently from the U.S. Uniform Code of Military Justice, as being charged with "conduct unbecoming an officer and a gentleman" (from 1860).
Article 133. Conduct unbecoming an officer and a gentleman:
Any commissioned officer, cadet, or midshipman who is convicted of conduct unbecoming an officer and a gentleman shall be punished as a court-martial may direct.
「わかったか?」と訊ねたら「イエス・サー」と答えろ
映画「愛と青春の旅だち」(テイラー・ハックフォード監督)から。
「超有名な映画音楽とラストシーン」だけが記憶に残っているが、
さて、最初はどんなストーリーだったかな?と考えながら観直した。
海軍士官学校の卒業式、「解散」の一言で帽子を放り投げるシーンや、
鬼軍曹と最後に交わす会話や敬礼シーンなど、
もうかれこれ、30年以上も前に鑑賞したにもかかわらず
自分でも予想外に細かいところまで覚えていてのには驚かされた。
それだけ、当時からインパクトがあった映画作品だったことがわかる。
しかし今回選んだ台詞は、和訳の面白さとでも言うべき、軍曹の命令。
「『わかったか?』と訊ねたら『イエス・サー』と答えろ」
「『understand?』と訊ねたら『Yes,sir』と答えろ」ではなく
「『わかったか?』と訊ねたら『はい』と答えろ」でもない。
言葉のリズムやバランスから考えると、不思議なことに
「『わかったか?』と訊ねたら『イエス・サー』と答えろ」がベスト。
せっかくの感動作品に、水を差すようで申し訳ないが、
あれ?と首を傾げる和訳が幾つかあって、別の意味で楽しませもらった。
「今朝、メンスが・・」の訳は「今朝、生理が・・」の方が自然。
さらに、これでもかと言うくらい突っ込み所満載の和訳なのに、
何度も何度も登場する略語「DOR」は、何の説明もないのが可笑しい。
「DOR」が「drop on request」の略で一般的には「自主退学願」、
作品の中では「任意除隊」の意味で使われているのならば、
「DORしろよ」ではなく「任意除隊しろよ」と訳して欲しかった。
こんなくだらないことを指摘しながらも、
やっぱり、ハッピィエンドの映画って、いいよなぁ、私好み。(笑)
若い!
見た目も考え方もまだまだ若い陸軍士官候補生を演じるリチャード・ギア、正にはまり役だと思います☆(少し背が低いけど) 90年代テレビドラマの"愛という名のもとに"はこの作品へのオマージュなのですか?なんかところどころ似ている箇所があります。 小泉政権時には小泉さんと2ショットを見せて日本国民を喜ばせ、2009年には「Hachi〜」と映画館で楽しませてくれ、彼は本当に素晴らしいエンターテイナーですね(o^-^o)宗教の異なる国で逮捕されそうになったこともありましたっけ…笑 こうやって何十年も前の作品を観て感動することが出来ることが嬉しいです。そしてまだ活躍されていることも。 確かに年代的には古い映画だけれど、是非10代の方々にも観てもらいたい映画ですo(^ヮ^)o
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