「フランスの凋落」愛と哀しみのボレロ よしたださんの映画レビュー(感想・評価)
フランスの凋落
人類の融和や世界平和の中心たらんとする、当時のフランスの心意気が眩しいくらいだ。
同時に、世界どころか欧州の統合すらままならない現在から見ると、映画のフィナーレが滑稽なほどの絵空事に思えてくる。
また、こうした西欧の思想と世界の首都を任じていたフランスとパリの凋落ぶりは、今や誤魔化しようがないところまで進んでいる。
この「戦後」世界への大いなる信頼と期待が、もはやほとんど残されてはいないという事態を、観客はこのスクリーンから確認することとなる。
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