劇場公開日 1999年7月31日

「キューブリックの変態さが全開。」アイズ ワイド シャット ジンジャー・ベイカーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5キューブリックの変態さが全開。

2018年8月14日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

「フルメタル・ジャケット」「時計じかけのオレンジ」に続いて僕にとって本作はキューブリック監督作で3作目。本作が彼の遺作であるが彼は彼のスタイルを最後まで貫き通したのだと感服した。
大したストーリーはなく、夫婦二人におけるちょっとした第三者との刹那的な情事について不気味且つオカルトチックに描いたものである。
キューブリックの作品はやはり音楽が演出面においてかなり効果的に使われている。本作では特に不気味な雰囲気や神秘的な雰囲気を音楽でも演出していた。
映像の色彩という点では"青と赤の対比"が感じられた。家の窓から見える外の光は青、家の明かりは赤っぽい。ハイになってからの喧嘩のシーンでは両者の感情の違いが色の対比からも伝わってくる気がした。
ニコール・キッドマンは安定の演技、トム・クルーズの演技は良くもなく悪くもないといった印象。
展開が読めず、変態的な演出をするもんだから見ていて飽きることはないし、加えて人の感情の繊細な部分をリアルに描いているところに好感が持てる。
TSUTAYAではラブストーリーのコーナーに置いてあったが、キューブリックの作品は"キューブリック作品コーナー"みたいなのを設けると良いのではという個人的な意見。
「時計じかけのオレンジ」にハマった人なら楽しめる作品だと思う。

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ジンジャー・ベイカー