アークエンジェル

劇場公開日:

解説

ロシア革命を舞台にひとりの外国人兵士を中心に展開する愛のアラベスクをモノクロ・サイレントの表現主義的技法と80年代的グロテスクを混交させて描くガイ・マディン第二回作品。彼は監督・脚本・撮影・美術・音楽・編集を兼任している。製作はグレッグ・クリムキウ、共同脚本はジョージ・トールズ、共同美術はジェフ・ソライロが担当。これらのメンバーは前作「ギムリ・ホスピタル」も手掛けている。なお、題名は舞台となるアルハンゲリスクの英語綴りで、「大天使」の意。

1988年製作/カナダ
原題または英題:Archangel
配給:パルコ
劇場公開日:1992年1月31日

ストーリー

第一次大戦下のロシアには革命の嵐が吹き荒れていた。片足のカナダ人中尉ジョン・ボウルズ(カイル・マクローチ)は英米軍合同の革命干渉軍に参加するために北極海に近いアルハンゲリスクにやって来た。彼はレーニンのボルシェビキやカイザー・ウィルヘルムの独軍から白系ロシア人を守るという理想を抱いていた。今は亡き恋人アイリスを忘れることができずにいたボウルズ中尉はアイリスにうり二つのロシア人看護婦ヴェロンカ(キャシー・マリクーカ)に出逢い、恋におちる。ヴェロンカはベルギー人の夫でパイロットのフィルビン(アリ・コーエン)と新婚旅行以来、破綻した結婚生活を送っていた。フィルビンは毒ガスの後遺症で、自分が結婚していることさえ忘れている。やがて、ヴェロンカはボウルズとフィルビンを取り違えて、ボウルズに恋をしてしまう。一方、下宿屋の女将で白系ロシア人のダンチャク(サラ・ネヴィル)もボウルズに思いを寄せていた。彼女の夫は小心者のジャニングズ(マイケル・ゴッリ)だった。現実が次第に狂気の混沌の中に飲みこまれていくボウルズはヴェロンカに結婚を申し込んだ。しかし、アイリス恋しさに精神に錯乱をきたした彼には相手が本当に誰かわかっていたのだろうか。また、結婚を承諾したヴェロンカも狂っているのだ。幾度となく繰り返される愛の輪廻の中でふと目覚めたボウルズのいる現実もまた狂気の産物なのだろうか。

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