かもめ食堂のレビュー・感想・評価
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人生の小休憩
フィンランドの小道に佇む日本料理屋「かもめ食堂」
ちょっと変わったお客さんと、旅路に立ち寄った他の日本人との交流。
たいして大きい大展開はないんだけど、落ち着いててシュールな雰囲気が心地いい◎
サチエ、ミドリ、マサコを演じる女優さんがこれまたちょうどいいキャスティング。
いるだけで存在感があって、話さずとも語る表現力が好き…!
ストーリーや出来事をじっくり見ると、
結構大事件だったり、ひと悶着あるトラブルに巻き込まれてる感じなのに
なぜか3人とも落ち着いてる(笑)
日本語ニワカ?の若者や、店に難癖を付ける3人のマダム、ただじっと店内を見つめる謎の女性、そして強盗?!?
こんなことが起こっているのに店主のサチエは取り乱すことなく対処して、美味しいご飯を提供してあげる。
心の広さと余裕を感じるキャラクター性に見ているこちらも『まあいいか』と思わず一息ついてしまう…
不思議な映画だった…
幸せ感に包まれて
2006年。
原作:群ようこの書き下ろし小説
監督:脚本:荻上直子
主演:小林聡美。片桐はいり。もたいまさこ。
とても好きな映画です。
特にサチエ(小林聡美)就寝前にする合気道の膝行(しっこう)の所作が美しい。
サチエの店じまい後の日課の水泳をするプールが素敵。
そして現実にも小林聡美さんは水泳が得意なそうで、
スクール水着みたいな水着で泳ぐ姿が、なんとも美しい。
小林聡美さんの決して美人女優ではないのに、その姿、所作、
話し方の抑揚の美しさに、うっとりします。
やはり選りすぐられた知性と美。
この映画から日本人のフィンランド・ブームがはじまったのだろうか?
「かもめ食堂」
一番乗りの客は「豚身昼斗念」
ミドリさん(片桐はいり)がトンミ・ヒルトネンに付けた漢字名。
彼は「かもめ食堂」第一号の客で永久コーヒー毎日無料の権利を貰った
日本大好きなフィンランド青年。
サチエさんは言います。
「なにがなんでも日本である必要はない」
そんな自由。
こんな自由。
サチエさんにもそこまで達観するには、色々あっただろうし、
ミドリさんは、暖かい食事を振る舞われて「涙ぐむ」ほどの過去がある。
マサコさんには20年介護して見送った両親がいて、エアギターのコンテストに
魅せられてヘルシンキに来たのです。
「かもめ食堂」の外観や内装にオープンキッチン。
おにぎり、シナモンロール、
なんていうことのない豚カツや生姜巻き。
フードコーディネーターの飯島奈美さんの料理は美しく本当に
美味しそう。
エンディングテーマ曲。井上陽水の「クレイジーラブ」
センスの良さが光ります。
そして片桐はいりさんと、もたいまさこさん。
毅然とした中に優しさや深さがあって、本当に人間的に素敵。
ヘルシンキの街と食堂に来る体格のいいフィンランド人。
異国情緒たっぷりです。
けっして窮屈ではない豊かさ。
荻上直子監督の最新作
「川つぺりムコリッタ」を観た後なので、無性に「かもめ食堂」が観たくなりました。
「川っぺり」では「かもめ食堂」よりファンタジーではないリアリズムを
追求して、前科者の青年を取り巻く人間模様を時にシニカルに描いています。
荻上直子監督も36歳から51歳へ。
色々な人生経験を積まれたのでしょう。
フィンランドでスローライフ
こたつみたいな作品
食べることの幸せ
どこかシュールなかもめ食堂
お腹が空いてくる!心の奥深く温かくなる映画。
内容は、フィンランド🇫🇮に『かもめ食堂』を営業している小林聡美の元に何故か日本人が2人手伝いに唐突に参加一緒に食堂を手伝う事で、お互いの悩みに向き合ったり人生を振り返ったりしながら進んでいこうとする映画。好きな言葉は『私のトランク何ですが中身が私のトランクぢゃ無いんです』かもめ食堂の人達との出会いで自分の視点が変わってしまった女性の言葉。急に物事の見方が変わる時は変わった事に自分が一番気付かないもんだよなぁという表現が印象に残りました。印象的な場面では、随所に出てくる逆光での撮影の上手さと一本道を歩くだけの構図や微妙なカメラワークが演者に共感を呼び役者の表現は言わずもがな上手いなあと脱帽しました。フィンランドの短い夏や美味しそうな料理や淹れたての湯気立つコーヒー☕️何せ美しい!!ここが一番凄いと思った所です。物語を通じて何も押し付けがましくもなく、ありもままで生きる事の難しさと好きな事しかやらない姿勢は見直される必要がある様に思いました。はっきりと言わない雰囲気のある言葉は意味深で、観る人によって千差万別に変わる様に思う自分との対話を促す様な面白い映画でした。
原作小説と比較するのも楽しい
漫画にありそうな世界観
どうなるのか気になって
なんとなくときが過ぎて
俳優さんたちの顔ぶれにワクワクして
???なことも漫画だったら珍しくないなと思いながら
そんな漫画のような世界観がうまく映像化されているようで なんとも良かったです
昨日視聴した『めがね』よりは わかりやすいというか親しみやすいというか
こちらから観るべきでしたね。
ほのぼのと、
絶対に訪れることのない「平凡な日常」
気持ちの良い場所に住み、たまに客人が来ると磨き上げられたキッチンウエアで料理を作って振る舞い、日頃のシガラミやモヤモヤをオブラートに包んだように柔らかく語り合う、という絶対にありえないシチュエーションにとても惹かれてしまう。
そんな設定で、奥に秘めた感情を少しだけ感じさせる小林聡美さんが演ずると、「キレイゴト」でしかない空間に映画を観ている間だけでも没入できるから不思議。
ただエンディングが近づいてくると妙に寂しい気持ちになる。ああ、わかった。この映画には経済的な活動とか心配とか、多くの人達の生活において重要な位置を占めているものがすっぽりと抜けているのだ。
だからとても心地よい反面、現実に戻る時にちょっとだけ辛い、そんな映画です。
何かの喪失 心が休息を求めている かもめのように港の何かの止まり木に下りてくる そんな時にみたい映画なのかも知れません
不思議な映画でした
ストーリーなんかあるようなないような
訳のわからない映画でした
だけど好きになりました
良い映画です
人に是非観てと薦めたくなる映画です
なんでフィンランド?
なんでかもめ?
かもめは海と航海のシンボルです
マリンファッションのモチーフに良く使われますね
夏用の男性化粧品にもかもめのマークのものがありました
イギリスではお人好しの騙され易い紳士の事をかもめというそうです
日本でも鴨葱とかいいますね
騙され易い鳥と言う意味が洋の東西を問わず共通するようです
そして、溺れ死んだ水夫の魂が姿を変えたものとも言われるそうです
だからむやみに殺したりすると不吉だとか、家の窓にぶつかると良くない事が起きるとか言い伝えがあるそうです
何かの喪失
心が休息を求めている
かもめのように港の何かの止まり木に下りてくる
そんな時にみたい映画なのかも知れません
フィンランド
日本から8000キロの彼方
カムチャツカくらいの高い緯度だから白夜があります
ムーミンの作者もヘルシンキの生まれだそうです
劇中、ほんの少しムーミンの話題が出ましたよね
北国の人々らしく、ヘルシンキの人達はみな穏やかで口数が少ないおとなしくて、ムーミン谷の人々のようです
何やら最近フィンランドの国名をよくテレビで耳にします
ウクライナの戦争の関連でこの国のことも話題に登るからです
フィンランド化とかいう政治用語があるくらいで、この国とロシアは隣同士であり大変にロシアの動向に影響をうけるのです
心の平静を求めてフィンランドに流れてきて、灯台の窓にぶつかったみたいに食堂にいつく人の物語
そんなのほほんとした映画のはずなのに
観終わって余韻にいつまでも浸っていたいのに
テレビのニュースはそれを許してくれないのです
平和のありがたみ
心の平安を求めています
ロシアから脱出しようと大勢のロシア人が国際特急でヘルシンキに逃れて来たニュースが少し前にあったとおもったら、その特急も停止させられたそうです
ロシアからの空路は既に全て閉ざされていて、もうロシアの人々は脱出するルートが無くなってしまったようです
かもめ食堂
行きたくて行くところじゃないでしょう
気がついたらそこになぜかたどり着いて居ついてしまう
そんな心の平和を取り戻すところです
それなのに戦火はこの国にも及びそうなのです
コロナ禍も戦争も終わらないと行けないし、行っても心は休まるかどうか
のほほんとフラリとヘルシンキに降りたって、歩き回ったら、なぜかかもめ食堂の大きなガラス窓の前にいる
その窓に間抜けなかもめみたいにぶつかって食堂の扉を押して入る
そんな日々が早く戻りますように
そう祈るしかないのです
蛇足
何年か前、神戸の名画座で片桐はいりさんが切符のもぎりをされていたところに出くわしました
結構背の高いとてもチャーミングな方でした
世界観が好き
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