女の一生(1967)のレビュー・感想・評価
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負の連鎖
設定的にも『永遠の人』と重ねて見てしまった。
両作、子役として田村正和も出ているし。
しかし、「永遠の人」の平兵衛は罪の意識や内的葛藤があったが、本作の宗一は反省も自責の念もなく、他人の気持ちなど全く考えない畜生だった。
息子のぼんくらっぷりも年齢を考えれば情状酌量の余地があるものの、酷い。母親がお願いだから謝りなさいと言っている時点で遺伝的気質を覗かせつつも、そもそも育て方に問題があったと分かる。
狭い田舎で名家の汚点として外では陰口を言われ、家の中では散々甘やかされて育てられたとなればこうなってしまうのも仕方がないのかもしれないと思い、ますます暗い気分になった。(冒頭のシーンでは家の使用人の子供が高い屋根に上って、降りれなくなって「おろしてくれよお」と泣き、大人たちがバタバタと慌てふためくシーンがあったが、今思えば象徴的だった。)
伸子の父・友光を演じる宇野重吉だけが劇中唯一まともな人間で天使のようだった。
序盤はカラーが美しかったし、画面から夏の雰囲気が立ち上って来ていて良かった。
女中や使用人家族、医者など家に仕える人物たちもいきいきと描かれていただけに、終盤の荒廃した屋敷の寂寞感は何とも言えなかった。
ザックリ、2人の女の一生の映画だな
1.主人公の伸子は、幸福もあるが没落一方、 民子は、幸福→不幸→幸福の感じ
2.伸子の夫:宗一は、結婚前は優しかったが、結婚後はケチで、厳しくて、女たらし
奉公人の民子との間に子供を作り、次の不倫相手の夫に殺された
3.伸子の子、宣一は、東京で高校生活を送っている時に不良と交際開始、
無免許運転で相手に重傷を負わせた、示談金2000万円
4.宣一の嫁、はる美は、子供を出産後、数日で死亡、
伸子は、その孫を抱いて長野に帰宅、
5.民子は、奉公先の宗一の義父:友光から20万円(昭和22年)貰い、暇に出される
結婚相手は小作人の3男、 持参金20万円あるので赤子1人を了解で結婚
6.民子は、子供数人いるが、長男:芳吉は好青年、その弟妹も皆、真面目な子
7.確かに、こんな一生を送る女もいるだろうな
因みに、2020.10.14現在、ネットに記載のあらすじは、映画とは少し違う
(あらすじは、その内、訂正されてしまうかも知れないが)
例=①民子は、出産とほぼ同時に暇にだされた → 出産後、何年もいない
②はる美は、出産後、翌日は存命 → その後、死亡
③その出産した赤子(宣一の子)を東京から、抱いてきたのは伸子、他
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