劇場公開日 1968年1月3日

「ほぼ反戦色のない戦争記録映画。」人間魚雷 あゝ回天特別攻撃隊 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ほぼ反戦色のない戦争記録映画。

2018年11月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 回天特攻隊の貴重なドキュメントとして観れば問題ないといった作品。死ぬために軍隊に入ったという若者しか描かれておらず、いかに敵の戦艦を撃破できるかといった論調中心だ。教育勅語そのものの考えもセリフの中に入れてあり、特に訓練機で死んだ二人、大里大尉(鶴田浩二)と吉岡少尉(梅宮辰夫)は家族への報告でも真実を伝えられず、逆に天皇陛下にいただいた命と訓練機を無駄にしてしまったことに対して涙するほどだった。せめて出撃前の休暇で、誰かが命を捨てたくないとかの疑問を呈してくれれば見ごたえがあったかもしれない。

 映画の位置づけが『あゝ同期の桜』の姉妹編であり、東映戦記映画三部作の2作目とされているが、どれも記録映画的な内容だと想像できる。歴史を知るにはいいかもしれない。

 俳優陣が東映オールスターキャストといった感じなので、若き頃の姿を楽しめることは間違いない。回天を使った「同期の桜」が何度も歌われるが、最後には“散りましょう”とか“靖国で”とかの歌詞になるので、やはり戦争を美化しているとしか受け止められない。

kossy