「監督の主張と内容の兼ね合い」パッチギ! えらさんの映画レビュー(感想・評価)
監督の主張と内容の兼ね合い
鑑賞後感は悪くない。悪くないんですけど…。
僕は別に韓国どうこう歴史的背景がどうこうを気にする側ではないです。単純に青春映画として楽しんで見てました。が、僕のこの映画で一番嫌いなところがそういう歴史的背景が絡むシーンだったので良い印象は抱けません。ものすごい不快でした。
それはどこかっていうと、主人公が死んだ友達の献花をしようとすると、向こうの爺さんに「わしらは日本人のせいで迫害されたから日本人は出て行け(要約)」と言われ、献花もできず泣く泣くその場を後にするシーン。
それまでは結構楽しく見てたんですよ。惚れた子のために言葉やギターを練習して、皆の前でそれを披露し、認められる流れなんか大好きですよ。音楽映画的な嬉しさも感じたし。イムジン河は良い曲だと思ったし。ただもう少し過程は見せて欲しかったけど。
(本当かどうかは知りませんが)井筒さんが日本人が在日の人に酷いことしたんやでって観客に伝えたかったのかもしれませんし、その試みを否定する気はありません。でもやり方が下手。それを序盤に主張した上で主人公が音楽で垣根を超えるっていう構成の方が絶対不快感は少ないでしょ…。異様な嫌悪感を示して低評価にする人がいるのもうなずける内容や作りにはなってます間違いなく。
しかもその主人公の頑張りが、明らかに監督の主張であるそれによって潰されるのが嫌なんですよ。何度も言いますが韓国とか歴史とか関係なくね。勿論それだけ主人公に移入していたんですよ。
あとラジオ局行くならギターぶっ壊す必要ないだろとか、その後シリアスな流れにするのに死に方ギャグっぽくするのおかしいだろとか色々あるんですけどね。
でも全体としては嫌いじゃないです!!役者の力ですかねえ。井筒さんは役者に厳しい(らしい)ので、勿論そこも彼の手腕の一部ではあるんでしょう。