「極上の恋愛映画」いつか読書する日 とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)
極上の恋愛映画
事情があって別れざるを得なかった初恋の恋人たち。その一方と結婚した女。
言葉どころか目も交わさぬ恋人たち。本人たちは隠している想いなれど、関係者には密かに伝わっている。それを説明や台詞なしに、演技で魅せてくれる田中さんと岸部さん。
「愛はないけれど情はある」誠実に妻を愛おしむ夫。なれど、”女”とみてくれぬこと・愛する人の幸せを邪魔しているのではと同時に嫉妬に悩む妻。切ない。
この二人と並走して描かれる、長年連れ添った夫婦。
読書。
作者との対話。
そして感想を言い合う仲間との対話。ー映画レビューと一緒。
読書を通して深めていくであろう、心の中のカイタとの対話。
現実世界での対話。内的世界での対話。
それぞれの孤独
それぞれの愛溢れた繋がり。
昼メロ仕立てにしても良い筋だが、
分別のある大人の三角関係をしっとりと魅せてくれる。
なのに、終盤にカイタが美奈子に言う言い訳がこそばゆいのがみそ。
主人公の年齢に近くなり超えるほどに、愛おしくなる逸品。
名優ありきの作品だが、それをじっくり見せてくれる監督に感謝。
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