青空のゆくえのレビュー・感想・評価
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消えていく人、日々、青空
どの映画配信サイトでも扱われておらず、何年かぶりにDVDをレンタルして視聴しました。
それだけマイナーな映画なんですね。
主演の中山卓也さんが好きなので、観たいと思っていました。
現在のにこやかで落ち着いたイメージとは違って、女子にモテモテのイケイケで主人公感満載の男子中学生を、全く違和感なく演じていました。
仮面ライダーオーズのキタムランドまで、この間5〜6年くらい?
人ってここまで変わるんだなと感銘を受けました。。。
主人公の男子&主人公に対して程度の差はあれど好感を持っている女子5人が関わり合うというのがメインの構図。
最初は主人公の存在感が強いものの、主人公を通じて女子5人をはじめとする残された少年少女たちがお互いに仲良くなっていくにつれて、
日本を離れる主人公の影がだんだんと薄くなっていく感じが、凄い演出だと思いました。
「消えていく」ということが、この作品の大事な要素でもあると思う。(主題歌にも使われている言葉だし)
中学生たちの物語で、大人はほとんど登場しません。
自分が中学生の時にここまで自分の気持ちを言語化できて、他人の心を慮られていたかな...と思ってしまうほど、
みんなしっかりしています。
恋心だとか自分の居場所だとかを悩みながら成長していく様子が、どこまでも眩しく描かれている。
映像の透明感溢れる色彩も相まって、青春感の凄い映画だった。
みんな仲良くなれてよかったな。
最初は周囲に壁を作っていた帰国子女の女の子なんかは特に、輪の中に入れて良かった。
残された者たちの絆、それがアメリカへ消えていった主人公の置き土産のようにも見えた。
もてる男
転校を発表したときから女の子たちと個別に話をしていく展開・・・もてる男は違うな。男の友情はないんかい!と、ただうらやましくなるばかり・・・
結局は、誰が好きなんだ?と思い悩む女子生徒の淡い恋心を描いただけのに、登場する女子が5人とかなり複雑。しかも森田彩華と多部未華子と悠城早矢の性格が似通っているため、途中で人物関係がどうでもよくなってしまう・・・
まぁ、5人の女の子が好きで、しかも関係どころか告白すらない、まったく空中分解的なプロットでは将来の高橋も思い出にふけることはないだろう。こういう八方美人な奴は、タイムカプセルを開けて自分の文を読んだだけで記憶が混乱するはずだ。
良かったところは、「好きな人は高橋」とつぶやいて同じ姓の委員長に女同士の恋心を打ち明けるところだろうか。この微妙な心理の脚本・演出は巧かった。
東京にも青い空があるんだと、ピュアな気持ちになれる点では成功しているけど、はっきり言って面白くない・・・
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