ALWAYS 三丁目の夕日のレビュー・感想・評価
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邦画もがんばってるなあ
予想以上によかったです。
昭和の街並みを見事に再現した映像技術のおかげで、作品の印象が3割増しになっているかもしれませんが、ストーリーもよかったと思うし、役者もその演技も非常によかったと思います。笑いと涙のちりばめ具合もバッチリ。邦画もがんばってるなあ。
心に染みてくるいい話
拙ブログより抜粋で。
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喜劇らしくデフォルメされた役者たちの大芝居には最初戸惑いもしたが、こちらがこの世界観に追いつき始めると、もう時間の経つのを忘れるほど。
子役や若手、ベテランを問わず、役者さん方それぞれにいい味を出していて、そういう点でも欠点は見当たらない。
そんな俳優陣の中で、筆者が特に採り上げたいのが則文の妻・鈴木トモエ役の薬師丸ひろ子。でしゃばった役柄ではないのに、さりげなく発揮される優しさや強さ。これぞ日本のお母ちゃんという彼女の自然な立ち振る舞い、存在感は、そこに居るだけで嬉しくなる。
弱点がないわけでもない。それがこの作品の売りのひとつであるVFX技術で丁寧に再現された昭和33年の町並み。
冒頭から後半にいたるまで気になってしょうがなかったのが、日本映画の弱さであるこじんまりとしたセット撮影の夕日町三丁目商店街とCG合成による見通しのよい表通りとのつながりの悪さ。
上野駅や銀座の交差点にしても、よくできたCGが端整すぎてCG臭さが抜け切れていないのが惜しい。
しかしそんな今一歩なVFXの中で、象徴的に何度も登場する建設過程の東京タワーはすばらしい出来ばえだ。ことさら物語に関わってくるわけではないのだが、ラストで見せる完成した東京タワーが夕日にそびえる姿は、この映画の後味の良さとあいまって目に焼きつく。
この時代に生きた人には懐かしい。
三丁目の映画化?忠実にやれよ!と思いつつ
平成生まれのクセして親の影響で原作を愛してやまない自分。
正直、もう読んでない話はほとんど残っていないと思う。
それどころか、同じ話を何回も何回も繰り返して読んだ。
そんな自分が三丁目の夕日が映画化されると聞いたとき、
もちろんものすごい不安が脳裏をよぎったことを覚えてる。
監督もどこの馬の骨だか知らない奴でなぜか専門はVFX。
しかも原作の舞台である昭和30年代の人間ではないときた。
初めて見た時、僕の家族はふんぞり返って見た。
誰だ、六子って。
愛すべき六さんはどこへいった。
何だあの社長さんは。
もっと温和な人だったはずだ。
どうした、茶川さん。
どうして若返った。
なんで原作通りに再現できない?
そんなこんなで世間での絶賛の嵐とは裏腹に、
うちでは不評の荒らしだった。
しかし、どうもひっかかる。
世間ではもっと原作を愛している人たちがいるはずだ。
何故こんなにも高い評価を得るのだろうと疑問で仕方がなかったので、
今回の鑑賞の際見る目を180°代えてみた。
すなわち、原作の先入観を捨ててみてみた。
するとどうだろうか。
涙が溢れて止まらなくなってしまったのだ。
それも五回も。
びっくりである。
硫黄島の手紙のレビューで久しぶりに泣いたと書き込んだ記憶があるが、
今回の涙は前回とは訳が違う。
暖かいのだ。
前回には見えなかった、“家族”というテーマも自然と見えてきた。
反抗期真っ盛りな自分にとって、
まさにそのテーマはツボだった。
二回目の鑑賞なはずなのに、
まるで初めて映画を見るような感覚だった。
この時代に生きたかった...。
悔しいが、ここは認めざるを得ない。
山崎監督にしてやられた。
こいつは傑作だ。
しかし、かつての自分のように、原作の魅力にとらわれている人にはお勧めしない。
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