劇場公開日 1953年10月7日

「これだけの惨状、今じゃ撮れないかも」ひろしま りあのさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 これだけの惨状、今じゃ撮れないかも

2025年8月14日
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鑑賞方法:映画館

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1952年、原爆投下後7年経った広島市のある高校で、白血病により女子生徒のみち子が教室で倒れた。戦後広島にやってきた担任の北川は、生徒たちと原爆症について話し合う事にした。
原爆が投下された1945年8月6日、女教師・米原が生徒たちと被爆し、焦土と化した広島をさまよい、力尽きるまでが回想された。北川は今まで原爆のことを知ろうとしなかったことを謝罪すると、生徒からは原爆のことを世界の人に知ってほしいとの声があがった。病床のみち子は原爆投下前の広島を思い出していた。そんな回想と7年後を行き来しながらの反戦作品。

1953年公開なので、70年以上前の作品だが、広島に住んでいてこれまで本作を観たことが無く、劇場で初鑑賞となった。
原爆を日本に投下したのは、日本人が白人じゃなく、有色人種だから、という発言が有り、当時のアメリカだとそういう発想も有ったんだろうと悲しくなった。
原爆を受けた人たちは長い間その事を言うことが出来ず、自分のこともだが、自分の子供に影響は出ないか、子供の子(孫)に影響は出ないか、そんなことばかり考えていたらしい。
本作の中で、実際の広島市民をエキストラで使ったそうだが、あれだけのリアリティ、今じゃ撮れそうにない様な気がした。
広島では、毎年8月、反戦作品を上映するので、可能な限り多くの作品を鑑賞しようと思った。
ドキュメンタリーでは無いが、限りなく現実に近い映像だと思う。
なるべく多くの日本人に、そして多くの外国の人にも観て、知ってもらいたい、そんな作品です。

りあの
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