「宮部みゆきの心の奥底をのぞいてみた。」理由 はるさんの映画レビュー(感想・評価)
宮部みゆきの心の奥底をのぞいてみた。
大林宜彦があまり好きではない。
しかし、宮部みゆきの物語が好きなんだ。
監督か原作か?
迷うところだが、観始めた。過去の殺人事件の解明をレポーターという下賤な職業の人間に語らせるところが宮部みゆきらしい。
面白いのは殺人者が最初からハッキリさせてあること。そして、まさしく本の題名の「理由」を克明に語るところだ。映像以外ではこうである。しかし、映画にするとどうなんだろう。まるで違うものになってしまう。岸部一徳の演技に委ねられてしまい、ふざけたお涙頂戴的語りになってしまう。映画には「やくざぽさ」が必要なのだ。観客が求めるものが「安心」だと勘違いしてしまっている。
人は愚かでどうしようもない生き物なのだ。殺す奴にも、殺される奴にも、そこに訳があって回避できぬことばかりだけれど避けようと思えば避けられることばかりなのだろう。そんなシンプルな原因に気づかぬままに人生は終わってしまうようだ。
この映画にはこの悔やみきれなさが豆粒ほども現れていなかった。
あまりにも宮部が可哀そうだ。
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