クリスマス・クリスマスのレビュー・感想・評価
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問答無用! のファンタジー?
演じたことも無いのに「ネズミ男」と言われる大倉孝二さん主演、負けず劣らずの個性派ぞろい、舞台演劇出身の人たちが集まって何かひとひねりあるクリスマス・ハートウォーム・コメデイをやってみようということでしょう。
ちょっと横道にそれますが、映画誕生のはるか以前から演劇は存在しており、空間の制約も多い中、舞台ならではの独特な演出、表現手法を進化させてきました。映画劇もその模倣、移植から始まったのですが、演出家の葛藤、技術革新もあり急速に表現の幅を広げて今日に至ります。
舞台演劇では個々の観客の目がカメラワークです、すべての劇団というわけではありませんが概ね衣装やメークも独特、声も張らなければいけないし、小さな所作では見えません、芝居も観客とのキャッチボールで活きもすれば沈みもする生ものです。
映画はアップも俯瞰も監督の意のまま、頬を伝う涙、ささやく声まで拾えますがうがった見方をすればこちらの観たくもないものまで見せられてしまうこともあります。
役者さんにしても両方こなせる器用な方も多いですが中には長年の舞台で染み込んだ芸風の抜け難い方(特にお笑い系)も居り、映画でフォルテ演技はOKでもピアニシモが弾けるかどうか難しいところです。監督の指示なのでしょうか、本作では残念ながら声を張ったままの一本調子が多いようにに思えます。
冒頭からワイプで離れた二人を切り取って映します、普通はヒキ、アップ、カットバックのシーケンスですがこれも舞台芝居をどう切り取るかの悩みの末の演出なのでしょうが面白いととるか違和感ととるかで評価は分かれます。同様に顔芸満載のオーバーアクション、コント芸を受け入れられるかでしょう。私の場合は頭が固いのか脳が受け付けませんでした。うなぎ犬や河童がファンタジーとは無理を承知のギャグなのでしょうが病気の子供までドッキリ・コントにする貪欲さはさすがにデリカシーに欠けるでしょう(WAHAHAに求める方が無理でしょうが)。
特典映像のインタビューでクリスマスとは?と問われたマギーさんが
「クリスマスは子供たちの日と思われがちですが、実は大人がサンタクロースになれる日なんです・・」
と語っていた言葉が印象的でした。中身は微妙ですが本作のテーマなのでしょう・・。
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