ゴジラ FINAL WARSのレビュー・感想・評価
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最後にこれかな?
東宝のタイトル、幼い頃、胸躍らせたゴジラの幕開け。オマージュともいえるラドン他の怪獣たち、かわいいミニラも。モスラも登場し、モスラガールは長澤まさみと大塚ちひろ。そして極めつけは、東宝特撮もので1960年代を飾った宝田明、佐原健二、水野久美、ご健在な姿。キングギドラはどうした、と思っていたら、それなりに登場。ちょっと弱かったけど。
がっかりなのは2点。地球人と宇宙人の素手の戦い。これはないでしょう。しかも、宇宙人がかなり日本人だし。もちっと宇宙人っぽくできなかったかな? もう一つは、自衛隊の場面がなかったこと。伊福部昭に敬意を表して自衛隊マーチ聞きたかったな。
というわけで、懐かしさとがっかりが混じって消化不良。
思いっきりベタ詰め込み
地球を救うのはゴジラ?ミニラ?それとも泉谷しげるか?
タイトルに対戦相手の怪獣が明記されていない今作だが、「ゴジラ対ガイガン」とか、「ゴジラ対懐かしの怪獣達」という内容だけじゃないのです!これは「大槻教授対韮澤潤一郎」なのだ!
何かやってくれると予感していた北村龍平監督。これだけ笑えるゴジラ映画は久しぶりだし、アクションに興奮してしまうゴジラも初めての経験だ。平成シリーズになる前には笑えるゴジラ映画もあったのだけど、意味も無い懐かしい怪獣たちを登場させたり、シリアスなキャラクターにギャグをかませたりして存分に楽しませてくれた。怪獣たちの中にもお笑い要素はある。一瞬しか出てこない怪獣もさることながら、シドニーに突如現われたイグアナ風の怪獣はハリウッド版ゴジラだったので大笑いしてしまった。「マグロ食ってるようなのはダメだな」。モスラファンは怒ってしまう内容かもしれないが、ヘドラファン(かなり少数派)エビラファン(そんな人いる?)というマイノリティにも気を使ってくれている。
アクションシーンなど人間やX星人の描写には『マトリックス』や『スター・ウォーズ』などの影響(パクリなのか、オマージュなのかはわからない・・・)がかなり見受けられ、ミュータントという新設定、自衛隊じゃなくて地球防衛軍という奇抜な設定を使うことによって、新しいゴジラ映画の誕生をも予感させた。その一方で、往年のゴジラファンにならわかる宝田明、佐原健二、水野久美を起用していることも嬉しい。新旧ゴジラファンに気を使っていることがうかがえるのだ。そして、総吹替えになっている格闘家のドン・フライ、X星人役の北村一輝が面白い。吹替えと言えばNYの暴漢たちも大阪弁になっていて大爆笑できるはず。
全体的には詰め込み過ぎ感が漂っていて、前半のゴジラがあちこち旅行しすぎなのがマイナス。ケイン・コスギや菊川怜の演技もイマイチ。反核のメッセージは全く無く、9・11以降の世相をも考慮してしまったためなのだろうか、ちょっと変わった世界観でもある。最後の戦いで新登場したモンスターX。これは最高です(特に変身後)。ゴジラファンなら必見でしょう。
ミレニアムシリーズの総仕上げといった扱いなのですが、メガギラスや総攻撃のように作家性のある新解釈もここまでやったか!と思えるくらい大胆な改変が逆に面白く、どこまでぶっ飛んだゴジラを撮れるか競ってるような印象が残ります。ちょっとだけ気になったのが小美人(長澤まさみ、大塚ちひろ)の立ち位置が前作と逆になっていた・・・
マトリックスを撮りたかった北村監督、怪獣映画を依頼した東宝
多分、北村監督はアクション映画を撮りたかったのである。それはいい。だが東宝は怪獣、ゴジラ映画を依頼した。クライアントの要望と受注先の仕事にズレがある。それも仕方ない。よくあることだ。
しかし愛が無いのである…。怪獣、ゴジラに対する愛が無い。それが一番、かつ根本の問題だと思う。エメリッヒ版ゴジラと同じ印象。北村監督はそもそも怪獣に興味が無い。
最後のゴジラ映画として全く新しい作品を依頼した東宝、依頼を受けて自分の映画を撮った監督、ゴジラ有終の美を見に来たファン、皆んなが皆んなの思惑を持って集まり誰も得をしなかった。
全体的にチープな印象を受けた。VSシリーズの時はもう少し高級感を感じた。
「観客」ではなく「視聴者」にされている感じ。カウンターの寿司屋だった店が回転寿司屋になったイメージ。
また、自分が映画を見ている時に気にしている事がある。「コチラが気をつかわなくて良いか」である。
映画でついている嘘を最後まで突き通して欲しい。コッチが補完したり妥協したり気をつかわせて欲しくない。この映画は大分、気をつかった。
型を理解した上で新機軸を打ち出すのは「型破り」だが型を知らなければ「形無し」である。途中から破茶滅茶に着いて行けなくなった。最後に伊福部昭も流さないゴジラシリーズってなんやねん…。
ゴジラ無双!これは逆にアリ!!
完璧にコメディ路線に舵を切ったゴジラ28作目、ミレニアムシリーズの最終作品です。いやー、笑った笑った。ここまで振り切ってくれると個人的には逆にアリになってしまいます。
しかし、コメディとはいえ色んな方面から怒られなかったのでしょうか?地球防衛軍の服装ってモロにナ⚫スを彷彿させますし。ギリギリを攻めてるなぁ。その時代で流行ってるネタを取り入れる柔軟さがゴジラ映画の特徴とはいえ、「マトリックス」ネタは使いすぎでしょう。ウシャンスキー姉妹が観なかった事を願うばかりです。これ訴えられたら確実に負けますよね!?
ここまで来るとストーリーを云々言うのはもはや野暮にしかならないです。狙ってやってるなら、北村監督なかなかの策士ですね。ゴジラが吠えて、ライバル怪獣達をなぎ倒していく様を楽しむ映画。そういった意味では純粋な怪獣映画と言えるのではないでしょうか?
怪獣を操るX星人VSミュータント地球防衛軍
マンダVS轟天号からスタート。菊川怜と水野真紀の音無姉妹。X星人側の伊武雅刀、北村一輝、坂口拓。ガイガン、ラドン、アンギラス、カマキラス、キングシーサー、クモンガ、ミニラ、モスラ、ヘドラ等々。ポケモンのように怪獣を次々と繰り出してくる星人側に対抗して、人類の切り札として南極のゴジラを復活させ戦わせる。まさかの98年エメリッヒ版ゴジラの復活&即死、北村「やっぱマグロ食ってる奴はダメだな」。ゴジラと四つ巴の対戦とキングギドラ戦の着ぐるみ特撮は見物。ドン・フライのゴードン大佐の存在感、尾崎(松岡)と風間(ケイン)の熱い友情。空飛ぶ戦艦が敵に突っ込むのはナディア、異能者バトルはX-MENっぽい。宇宙まで届くゴジラ光線。ラストの救世主はミニラ。
ラスト・キング・オブ・モンスターズ
ゴジラ・シリーズ第28作。
通常スクリーンで鑑賞。
母親と映画館で観た。良き想い出である。
公開当時、小学5年生。大好きなゴジラが終わってしまうと云うことで、大変悲しんだことを覚えている。最後の勇姿をしっかり目に焼きつけるつもりで映画館に足を運んだ。
観ている間中、めちゃくちゃ興奮して手に汗握った。今までのゴジラ・シリーズには無かった人間側のアクションがてんこ盛りで、ハリウッド映画みたいだと大層感激したのだ。
圧倒的な強さのゴジラは、他の怪獣を寄せつけず瞬殺するからまさにゴジラ無双。スピーディーなバトルも斬新だった。
公開まで登場が伏せられていたカイザーギドラも、問答無用でカッコいい。シリーズ最後の敵に相応しいなと思った。
「ゴジラが終わるのは悲しいが、有終の美を飾れたのでは?」と、興奮覚めやらなかったことをはっきり覚えている。
だが、時が経ち、大人になった今観返すと、正直「なんだかなぁ…?」と思いたくなる部分がたくさん見つかった。
徒然なるままに書き連ねていこうと思う。
人間のアクションは「マトリックス」の劣化版のようで、やたらとカッコつけているだけで、何よりちゃちい。
松岡昌宏やドン・フライ、ケイン・コスギが動けるのは分かるが、それにしてももう少しなんとかならなかったものか。
あまりにもゴジラが強すぎるため、ヘドラやクモンガなど、メイン以外の怪獣たちの扱いが酷く、全然見せ場が無い。
怪獣対決もプロレス感が強調されていて、人間が着ぐるみを着て演技している感丸出しでもはや人間にしか見えない。
平成版「怪獣総進撃」を目指すと云う触れ込みだが、「コレジャナイ感」が満載。冒頭の怪獣一斉出現は良かったのに。
最終決戦の舞台も東京なのは良いが、X星人に殆ど破壊された後だから、都市破壊のカタルシスが全く感じられない。
ラストの展開も子供騙しすぎる。みんなで「やめて!」ポーズをしたら、ゴジラが帰っていくってどうなのか。
ゴジラは人間に相当怒っているのではないのか。過ちの末に己を生み出した人類を憎む、鬼神であるべきではないのか。
人間からパワーを貰ったことでカイザーギドラに勝つことが出来たから、少しは恩義を感じたと解釈をするしか無さそうだが、本当にそれで良いのかと云う疑問が頭から離れない。
本作がゴジラ・シリーズの最終回として製作されたことを考えると、本当にこれで良いと思っていたのか、富山省吾プロデューサーはじめ、東宝首脳部の感覚を疑いたくなる。
自分自身に対しては、大人になるとこうも考え方が変わるのか、純粋に楽しめなくなってしまうものなのかと、しんみりしてしまった。もう私の中に童心は無いのだろうか。
―と云う感じである。
しかし、本作が嫌いなのかと言うとそうではなく、結構好きだ。これまでの文章だと矛盾しているようだが、好きなのだ。
ゴジラ・ファンと云うこともあるが、なんだかんだ初見時の想い出もあるし、内容云々関係無く、大切な作品なのである。
[以降の鑑賞記録]
2005/07/29:DVD
2005/12/30:テレビ大阪(怪獣キング決定戦 地上最強シネマスペシャル)
2019/05/16:DVD
2020/10/10:Amazon Prime Video
2024/12/04:DVD
※修正(2024/12/04)
エンタメに偏っただけ
懐かしのX星人登場だけど、あのコスチューム見たかったなぁ。
ミュータント部隊も武器の威力が凄いだけかと思ったし、エビラをぶち抜く携帯兵器あるなら、怪獣退治は苦労しない。
無理なアクションてんこ盛りで、こんだけのアクション組み込む必要あるんだろうか?みたいな部分もあるし、戦隊ヒーローモノレベルのアクション見せられたりすると「どうなん?」と悲しくなる。
ガイガンカッコいいが元々のデザイン故に完成度が高いのだから、当たり前。
カイザーギドラはもはやどうでもよい。
お祭り映画なのだから、派手派手賑々しくやれば良いと適当な作りで、ケイン、ドンフライ、船木将勝と暑苦しい演技が所狭しと炸裂する。
南極基地にまで筋肉ダルマのグッドリッチとレイセフォーとか配役のオファーは誰がしたの?
しかも、肝心の怪獣たちはいざ戦いとなるとあっさりゴジラに敗北。
アンギラスやキングシーサーとサッカーやってるようなシーンもあるが必要ない?
北村一輝が独りで踊ってるだけで、X星人の戦略とかめちゃめちゃ(笑)
ただただ、ゴジラが暴れるのが見たい人を対象にした映画。
イグアナ版のゴジラにも劣る作品
違う、そうじゃない
最後の最後に最高の大暴れ!!!!!
ゴジラは終わらず
ゴジラ生誕50年。
シリーズ28作目にして、最終作。
この年、久々にゴジラが話題になったのを記憶している。
記念すべき本作は、“ゴジラ祭”。
登場怪獣はゴジラ、アンギラス、モスラ、ラドン、エビラ、ミニラ、カマキラス、クモンガ、マンダ、ヘドラ、ガイガン、キングシーサー、ジラ(何だコイツ?と思ったらあのハリウッドのゴジラ擬き)、そして新怪獣モンスターX(正体はキングギドラの最強版ガイザーギドラ)の14体で、『怪獣総進撃』を抜いて最多。
舞台は近未来、進化した人類=ミュータントたちは“地球防衛軍”を結成、“轟天号”(『海底軍艦』の名マシン!)に搭乗する。
そんな人類と、ゴジラと、侵略宇宙人=X星人(『怪獣大戦争』!)の三つ巴の“最終戦争”が描かれる。
監督は北村龍平。
彼ならではのアクション演出が爆発し、全編バトル、バトル、バトル、最後までノンストップで突き進む。
キャストに宝田明、佐原健二、水野久美が久しぶりに出演、ファンを喜ばせる。
『セブン』のカイル・クーパーが手掛けたメインタイトルバックは超クール!で、一見の価値有り。
…などなど、これでもか!というくらいの面白味を詰め込み、華々しい最終作に仕上がった。
だけど、最終作に相応しいかどうかは別である。
個人的な見解としては、“最終作”というより“番外編”に見えてしまった。
“映画”としては多くのゴジラ映画のエッセンスがあるが、“ストーリー”としてはこれまでのゴジラの世界と完全に切り離したパラレルワールド。
荒唐無稽な展開でリアリティの欠片も無く、それこそ70年代のノリを感じる。
ハナから割り切ってるので、近未来とか侵略宇宙人とかも不自然には感じないのだが…。
ただ楽しいだけではなく、ゴジラの本質、暗い背景やその存在意義にも迫ったシリアスな題材も欲しかった。
『ゴジラVSデストロイア』や金子監督の『大怪獣総攻撃』や前作『東京SOS』の方が、最終作としての意味合いがある。
最終作なのに、ちょっと辛口コメントになってしまったのが残念だ。
最終作、最終作とさっきから言っているが、これでゴジラ映画がもう作られないという訳ではない。
富山P曰く、シリーズに新風を吹き込める才能、題材があれば、その時は復活する時、と語っている。
ゴジラは過去何度も復活してきた。不死鳥のように。
それは時代がゴジラを求めたから。
その時まで、ゴジラ・フォーエバー!
今になって思うと、
これが最後のゴジラにならなくて、本当に本当に良かった~!
退屈なショー
拙ブログより抜粋で。
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まず脚本が世界を股にかけたエピソードをよく交通整理してあって、相当数の怪獣が登場するにもかかわらず無理がない。もちろんゴジラシリーズとしてはという前置きが必要となるのだが、それでもこれだけのボリュームをよく詰め込んだと感心した。
また、行きあたりばったり的ではあるが、理屈をこねることなく闇雲に街を破壊しつくす展開は、怪獣映画ならば必須であるべき破壊のカタルシスを思い出させてくれた。
俳優陣も松岡昌宏、菊川怜、そしてX星人を演じた北村一輝を筆頭に、ゴジラ映画、怪獣映画というより戦争アクション映画と言ったほうがいいこの撮影内容で充分に責任を果たしている。少なくとも前作『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』(2003年 手塚昌明監督)とは比較にならないぐらいまともな演技を見せてくれる。
ではそれで面白い作品になったかというと、これが微妙。
とくにゴジラが氷の中から復活してくる中盤までがまるっきり盛り上がらない。ゴジラが登場しないからつまらないなどと言うつもりはない。ただ、終始人間たちのアクションシーンで北村龍平監督の持ち味を存分に発揮しているはずなのに、これに高揚感が伴わないのだ。
復活後のゴジラが次々と怪獣たちを倒していく様は観ていて気持ちいいのだが、これは主に特撮班の功績で、見方を変えれば北村龍平監督の演出力の無さが露呈してしまっているといっていい。スタイリッシュなアクションは撮れても、感情に訴えかけることができていない。まるで観客をだますテクニックはうまくても、それを盛り上げるトークが伴わない素人手品師の退屈なショーを観ているような気分。
あえて比較するなら金子修介監督の『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』の方がその辺は遥かに長けていた。
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