「ゴジラは終わらず」ゴジラ FINAL WARS 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ゴジラは終わらず
ゴジラ生誕50年。
シリーズ28作目にして、最終作。
この年、久々にゴジラが話題になったのを記憶している。
記念すべき本作は、“ゴジラ祭”。
登場怪獣はゴジラ、アンギラス、モスラ、ラドン、エビラ、ミニラ、カマキラス、クモンガ、マンダ、ヘドラ、ガイガン、キングシーサー、ジラ(何だコイツ?と思ったらあのハリウッドのゴジラ擬き)、そして新怪獣モンスターX(正体はキングギドラの最強版ガイザーギドラ)の14体で、『怪獣総進撃』を抜いて最多。
舞台は近未来、進化した人類=ミュータントたちは“地球防衛軍”を結成、“轟天号”(『海底軍艦』の名マシン!)に搭乗する。
そんな人類と、ゴジラと、侵略宇宙人=X星人(『怪獣大戦争』!)の三つ巴の“最終戦争”が描かれる。
監督は北村龍平。
彼ならではのアクション演出が爆発し、全編バトル、バトル、バトル、最後までノンストップで突き進む。
キャストに宝田明、佐原健二、水野久美が久しぶりに出演、ファンを喜ばせる。
『セブン』のカイル・クーパーが手掛けたメインタイトルバックは超クール!で、一見の価値有り。
…などなど、これでもか!というくらいの面白味を詰め込み、華々しい最終作に仕上がった。
だけど、最終作に相応しいかどうかは別である。
個人的な見解としては、“最終作”というより“番外編”に見えてしまった。
“映画”としては多くのゴジラ映画のエッセンスがあるが、“ストーリー”としてはこれまでのゴジラの世界と完全に切り離したパラレルワールド。
荒唐無稽な展開でリアリティの欠片も無く、それこそ70年代のノリを感じる。
ハナから割り切ってるので、近未来とか侵略宇宙人とかも不自然には感じないのだが…。
ただ楽しいだけではなく、ゴジラの本質、暗い背景やその存在意義にも迫ったシリアスな題材も欲しかった。
『ゴジラVSデストロイア』や金子監督の『大怪獣総攻撃』や前作『東京SOS』の方が、最終作としての意味合いがある。
最終作なのに、ちょっと辛口コメントになってしまったのが残念だ。
最終作、最終作とさっきから言っているが、これでゴジラ映画がもう作られないという訳ではない。
富山P曰く、シリーズに新風を吹き込める才能、題材があれば、その時は復活する時、と語っている。
ゴジラは過去何度も復活してきた。不死鳥のように。
それは時代がゴジラを求めたから。
その時まで、ゴジラ・フォーエバー!
今になって思うと、
これが最後のゴジラにならなくて、本当に本当に良かった~!
コメントありがとうございます。こんな状況の中少しずつレビュー書いてます。近大さんも相変わらずのハイペースレビュー、ちょくちょく拝見しております。早く気兼ね無く映画館に行きたいですね。それでは又m(__)m