「楽しい面白いより、良いものを観たという感想」雲のむこう、約束の場所 作務衣もんさんの映画レビュー(感想・評価)
楽しい面白いより、良いものを観たという感想
『君の名は。』から新海作品に触れた人と、以前から知っている人とでは監督の作風に持つイメージがだいぶ違うのではないかと思っている
一貫して芸術ではなくエンタメを作り続けている監督ではあるが、『君の名は。』以前の作品群は「楽しい・面白い」よりも「良いものを観た」という感想のほうがしっくりくる
しかし監督の好むエッセンスには今にも昔にも通ずるものがある
今作を再観賞して改めてそう感じた
舞台は北海道(エゾと呼ばれている)とそれ以外で国が分断されたifの日本
メインになるのは青森の中学生三人組
彼らはエゾにそびえ立つ謎の巨大な塔に行くことを目標に自力で小型飛行機を組み立てている
ifやSF設定でセカイ系とくくられる今作だが大事なのはそこではない
あくまでも「見えるけれど届かない目的」であったり「失いたくないのにどうしようもない大切なもの」を具現化するための設定である
話題になったから見てみたけどしっくり来なかったというあなた。過去の作品にも触れてみるのはいかがだろうか?
「良い」ものが見られるかもしれないですよ
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