笑の大学のレビュー・感想・評価
全23件中、21~23件目を表示
喜劇なんだけど...
私の笑いのツボにはまらなかった。稲垣吾郎と役所広司ふたりで話が展開していくから二人の演技が非常に重要になってくるのだが、個人的な意見だがどちらもあまり良くなかった。役所広司の方はもっときちっと仕事をこなす検閲官を上手くやってほしかった。稲垣吾郎にペースを乱されてゆく感じでもなく、何だかよく分からない性格という印象。稲垣吾郎はもっと軽い、お調子者の感じが出ていても良かったのでは。 ラストのシーンはわざとらしかったし、長かった。
2人のかけ合いが最高の喜劇
「笑の大学」は役所広司(向坂)と稲垣吾郎(椿)の2人によってストーリーが展開されます。
検閲官の向坂が劇団の座付作家である椿の書く台本に1つ1つ難癖を付け、それに対して一晩かけて修正して持って来るという日々。
その段階でより面白いものになっていく台本、2人のかけあいには終始くすっとさせられました。
しかし椿が本音を言ってしまい、向坂を怒らせてしまうシーンがあります。
そこで向坂が出した難題が、一切笑いの箇所が無い喜劇の台本を書け、というもの。
どのように切り抜けてくるのか、どんなトンチで来るのか楽しみにしていたのですが、結局はただひたすらに面白すぎる台本になって返ってきました。
ここはなんとなく期待はずれ。
しかしこれを書いたのが椿に赤紙がきた夜とのこと。
ここでこの昭和15年という戦時下での情勢が盛り込まれます。
あれだけ怒っていた向坂が85回も笑った台本を読み、「死んでいいのはお肉のためだけだ!」と叫んで椿を送り出す姿には、悲しい未来を予感させながらも後味の悪さを残さない感じがしました。
しかしあれだけの面白さを連発していた前半に比べて終盤はどうにも間延びしてしまったような気もします。
決してつまらない訳ではないですが、突然の(もちろん町の様子や設定から予感させてはいましたが)真面目な展開についていけなかったです。
さわやかな反戦喜劇
戦時下における喜劇作家と検閲官のやりとりをコミカルに描いている。
素直な青年を素直に演じる稲垣吾郎とそれに緩急をつける役所広司の
巧みさが絶妙なバランスをかもし出している。戦争と笑いという対照的な
ものから、人のつながりや命の重みを教えてくれる秀作。三谷作品の
中では一番のお気に入りです。
全23件中、21~23件目を表示