「“ジェリコの壁”の崩壊?の心憎いラストシーンに…」或る夜の出来事(1934) KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
“ジェリコの壁”の崩壊?の心憎いラストシーンに…
同じトーチを持った女神ながらも、昔の
コロンビア・ピクチャーのオープニングに
時代を感じさせられた戦前の日本公開作品。
キネマ旬報ベストテンでは
第5位での選出ではあるが、
アカデミー賞で主要5部門を独占したのは
この作品に加え、「カッコーの巣の上で」と
「羊たちの沈黙」だけということの方が
有名かも知れない。因みに、
この年はチャップリンの名作「街の灯」は
第10位に選出されていた。
多分、何十年ぶりかの3回目の再鑑賞。
“ジェリコの壁”と、スカートをめくって
車を止めるヒッチハイクのシーン等は
かなり鮮明に覚えていたが、
それなりに新鮮に観ることが出来た。
それは、勘違いによる
どんでん返しのどんでん返しが
どう決着するのかを
すっかり忘れていたからだが、
父親の新郎嫌いの想いが
最後には実を結ぶというユーモアや、
最後は主役の二人を映さず、
“ジェリコの壁”の崩壊?で終わらせるという
心憎い演出にも
フランク・キャプラの上手さを感じた。
ところで、
バスの中で乗客が合唱するシーンが
長過ぎる感があったのだが、
あの歌にはスタッフのどなたかの
特段の想いがあったのだろうか。
さて、主人公に善人過ぎるきらいがあるが、
記者としてのスクープか、はたまた
彼女への想いを取るかの心の揺れも、
それなりに描かれ、
私には、誠意ある対応は愛情をも生むという
教訓譚に感じられた。
尚、私の
フランク・キャプラ映画ベストワンは、
“もちろん”と言わせて戴いて良いであろう
「素晴らしき哉、人生!」です。
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