劇場公開日 1977年12月

或る夜の出来事(1934)のレビュー・感想・評価

全23件中、1~20件目を表示

4.5恋をしたくなる。旅をしたくなる。

2024年1月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

幸せ

萌える

満ち足りた余韻を残すデザートのよう。
 まるで、時間が経つほどに豊かな味わいが広がるチョコレート。
 ビターな味わい、ピリリとした味わい、ざらつく食感、はじける食感、そして最後は程よい甘さ。

深窓の令嬢と新聞記者ときたら『ローマの休日』?と思ったら、こちらが元ネタだった。
 しかも美しくまとめられた『ローマの休日』に比べて、こちらはパンチが効いている。

『風と共に去りぬ』で有名なゲーブル氏。『風と共に去りぬ』はいくつかのシーンは見たことがあるけれど、まだ通しで見たことがない。
 意外にも、ゲーブル氏初見だった。
 格好いい。どことなく、若い頃の三國連太郎氏を思い出す。でも、格好いいだけではない。生活力のある優しさを振りまく。あんな瞳で見つめられたら、彼に恋しない女子はいないんじゃないか。
 それでいてお茶目。運転しながら、有頂天になっている様。その後の顛末を知っているからこそ?おかしくて切なくておかしくてたまらない。
 こんなコメディタッチの演技もなさるんだ。
 ゲーブル氏の幅の広さを堪能した。

相手役のコルベールさん。
 高慢ちきな令嬢の顔をするかと思えば、勝気な表情、初めての経験に戸惑い、はしゃぐ姿、次第にピーターを信頼し、心を寄せていく姿…、失望した様子。そして人参をかじる様子がかわいらしい。
 エリーの成長譚でもある。

お父さんが、エリーの結婚に反対したところから物語が始まる。
 うん、二人が結婚したら、誰が稼ぐんだろう。あっという間に財産食いつぶしそうだ。そりゃ、反対するよなあと思うけれど、過干渉に嫌気がさしていたエリーには、お父さんの真意は伝わらない。

家出するエリー。恋人の元へ。
 その道中で知り合う二人。
 出会いが見事。道連れとしてのエピソードが見事。
 本来なら大金持ちのエリー。問題にぶつかってもお金で解決!のはずだった。たんにバスに乗っていれば、バスが恋人のいる街に連れて行ってくれるはずだった。
 けれど、物語はそう簡単には進まない。
 賞金をかけられた逃走劇。追っ手をどうかわすか。しかも、さまざまな出来事に遭遇し、所持していたお金を失い、無一文でどう旅を続けるか…。
 そんな中で、エリーはスクープ狙いのピーターを煙たがりながら、顎で使いながら、頼りにしながら…。
 ピーターの方も、行動はエリー・ファーストでいながらも、言いたい放題、口八丁。
 共に旅を続けていくが、素直じゃない二人。
 この二人のかけあいにどんどん引き込まれていく。

 どうなる?どうする?
 ロードムービーとはいえ、基本長距離バスがメインなので、そう風景が変わるわけではないのだが、テンポよく進んでいく。
 旅する楽しさまで味わえる。

 そして、無事エリーが恋人の元にたどり着いて「めでたし、めでたし」では終わらない。
 さあ、どうなる?どうする?
 恋人に再会してからが、一番、ハラハラドキドキさせる展開…。
 そして…。

筋は多少、ご都合主義なところもある。
 あと、(字幕日本語訳で)お父さんの言う「お前には殴ってくれる人が必要だ」は言葉のままでとると、時代とはいえ、ブーイングもの。ここの意は「お前には、(太鼓持ちではなく)叱ってくれる人が必要だ」ということだろうと解釈。

低予算、かつコルベールさんのスケジュールの都合で撮影期間が4週間しかなかったとDVDの特典で知った。
 だから、セットを作っている暇がなくて、ロケを多用。コルベールさんの衣装も3着とか、かなり工夫しているらしい。。
 それでも、こんなに粋な映画ってできるんだ。

ふさぎこんだ心も愉快になれる映画です。

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とみいじょん

4.5【”そして、ジェリコの壁は崩れた。”ニューヨーク行きの大陸横断バスで出会った世間知らずで我儘な大富豪の娘と漢気のある新聞記者がひょんな事で共に旅し、徐々に惹かれていく様を描いたロードムービー。】

2024年1月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

幸せ

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NOBU

5.0スクリューボール・コメディというらしいです

2023年12月27日
PCから投稿

戦前の緩い恋愛ものと思いきや、異常にテンポの良くて切れ味も鋭いぶっちぎりコメディで映画史的にはスクリューボール・コメディの決定版と言われているそうです。

脚本の素晴らしさはもちろんのこと、ワイルダー先生にも通じるキャプラ先生の職人芸的演出手腕に脱帽です。

ゲーブル先輩と言えば風の重厚なイメージが先行していましたが、軽妙洒脱で都会的な正に古き時代の映画俳優の代名詞のような俳優であることが確認できます。

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越後屋

4.0さすが、アカデミー作品賞の映画は面白い

2023年12月1日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

幸せ

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KEO

3.5ヒッチハイクシーンは笑ったなあ。クラーク・ゲーブルってこんなに芸達...

2023年8月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

ヒッチハイクシーンは笑ったなあ。クラーク・ゲーブルってこんなに芸達者なんだな。
銀行家がいい人。

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ouosou

3.5ラブ&ハッピー

2023年7月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

幸せ

萌える

可愛い映画ですね~。
何がって、パパが一番かわいいです!
あと編集長もね。

この当時新聞記者ってステイタスだったのかな?
ローマの休日しかり。
ヒロインは令嬢のわりに
クセがありますが
それもまた楽し。

ラストも小粋でした♪

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こまめぞう

5.0ボーイ・ミーツ・ガール

2023年5月2日
スマートフォンから投稿

笑える

楽しい

興奮

90年前の作品なのにモダンで粋で洗練された、時代を超えた超傑作‼️結婚を反対された金持ちの令嬢が家出、スクープ狙いの新聞記者が同行、恋に落ちる‼️いわゆる王道のボーイミーツガールもの。最初は生意気なのにどんどん魅力的になっていくエリー役クローデットコルベール。レットバトラーよりもはるかに魅力的なピーターヴォーン役クラークゲーブル。ジェリコの城壁、ドーナツの浸し方、エリーに言い寄る男をピーターが撃退、バスの中でみんなで歌うシーン、人参の甘さ、共謀を申し出る男をピーターが脅すシーン、3パターンのヒッチハイク、編集長とピーターの友情、「卒業」にも影響を与えた花嫁逃走シーンなどなど、忘れられない名シーンがユーモラスな話術と洗練された演出でホントに楽しく語られます。フランクキャプラ監督にとっても「素晴らしき哉、人生!」と並ぶ最高傑作‼️この超魅力的な恋愛映画に比べたら、最近の恋愛映画、特に日本の恋愛映画はまったくダメ‼️何かといえば主人公とヒロインが事故にあったり、不治の病にする事でしか恋愛映画を作れてないような気がします。そーゆー現代の映画人たちにこの映画をぜひ見てもらいたいですね

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活動写真愛好家

4.0変心っ!

2022年8月21日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

冒頭からテンポよく、無駄のないハチャメチャな展開が実に小気味いいです!クラーク・ゲーブル扮する新聞記者ピーターと大富豪の娘エレン(クローデット・コルベール)は、たまたまバスで隣り合わせになるが、端からぶつかり合う。諍いが絶えない二人ですが、コメディタッチなのでクスクス笑えてとっても面白い。全く心を通わせることなく、何かというと言い争いながら、ひたニュー・ヨークを目指す珍道中ですが、あと3時間で到着というところでのまさかの「変心」が見物です!ここからラストまで一気に魅力倍増という感じでした。「ピーターは首だ!」と息巻いていた新聞社の社長や娘の結婚に反対ばかりしていたエレンの父親などの脇役がとってもいい味を出します。脇役が主役の添え物ではなく、登場人物みんなが生きている物語は本当に素晴らしいですね。ラストもクスッと笑えて、幸せな余韻が残りました。クライマックスで「エレン!」と叫ぶシーンでは、思わず「卒業」(67)でダスティン・ホフマンが「エレーン!」と絶叫するシーンを思い出しました(笑)。「ローマの休日」(53)の元ネタという噂もあれば、「ルパン三世 カリオストロの城」(73)にも類似したシーンがあったり、まさにロマンチック・コメディの原点ともいうべき秀作でした。

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赤ヒゲ

3.5ゲーブルつよい

2022年7月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

笑える

単純

幸せ

やり取りがもの凄くテンポ良いのはフランク・キャプラの監督かロバート・リスキンの脚本か、それともステレオタイプなお話をまるで「ゲーブル風」にしてしまうクラーク・ゲーブルの演技?存在感か、トーキーなりたての頃の「ボーイ・ミーツ・ガール」映画なんて初めて観たのでよう分かりませんでした。
でもアカデミー主要5部門総ナメはともかく、観てとても気持ち良くなる作品ですね。

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keebirdz

3.0金持ちの娘って、一周回って可愛い

2022年1月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

それに比べて貧乏人の悲しさよ…
ヘタに逞くて可愛くないのよね〜賢いしさ〜

ま、それはいいとして
すったもんだ面白かった(笑)

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mamagamasako

4.0上品なラブコメ

2021年9月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ストーリーがとても良くできてて好きだなぁ。
90年近く前の作品であることを感じるのは、白黒であることと、バスや車の形、衣裳、それと古き良き道徳観くらい…。こういう道徳観だと安心して見ていられるので、昭和生まれとしてはとても好ましい(笑)。
それにしても、実にいいお父さんだった。

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SpicaM

4.0ジェリコの壁をぶち壊せ!

2020年6月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

幸せ

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唐揚げ

5.0婚前旅行になっちゃった令嬢の脱走劇のコメディ

2020年5月9日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

「オペラ・ハット」「わが家の楽園」「スミス都へ行く」「群衆」「毒薬と老嬢」「素晴らしき哉、人生!」と名品ばかりのフランク・キャプラ監督の最高傑作。戦後アメリカ映画の「ローマの休日」「卒業」を連想させる点でも、古き良きアメリカ映画の健全なスクリューボール・コメディを代表する作品でもある。ジョン・フォード監督は、淀川長治氏のインタビューで最も好きなアメリカ映画監督にフランク・キャプラを挙げました。キャプラの清潔で洗練されたユーモアに一目置いていたことが窺われます。(私はフォード、キャプラ、クレール、ルビッチのユーモアが大好きです)クラーク・ゲーブルの「風と共に去りぬ」のバトラー役とは真逆の新聞記者役のナイスガイ振りの演技力と、クローデット・コルベールの”おきゃん”な令嬢役の可愛らしさも特筆ものです。予想できない展開を繰り広げるロバート・リスキンの名脚本が、ふたりの好感度高い名演で生かされ、更にキャプラ演出で息の合った台詞の掛け合いを見せます。印象に残るシーンは、空腹でちっちゃなニンジンを分け合い食べるところ。ここで二人の感情が変化していくのを表現しています。また、コルベールの父親が故意にゲーブルに詰め寄るところもいい。脚本・演出・演技の最良のバランスの結晶が生んだ、完成されたコメディ映画。

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Gustav

5.0男女の距離感

2020年2月9日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

名作、名監督と聞いてひととおり観た中で、これは秀悦でした。それぞれのキャラクター特有の味わい表現が巧みということでしょうかね。

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赤羽のプリンスおやじ(1960年生まれ)

4.0 ジェリコの壁は破られた。伏線が最後に終焉となるのだが、画像がない...

2018年10月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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kossy

4.5ヒッチハイクシーンとか笑える

2018年8月2日
iPhoneアプリから投稿

ヒッチハイクシーンとか笑える

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cokeman_2

5.0フランクキャプラは天才だと思う。

2017年4月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

フランクキャプラの監督作品に関してはこの作品を含め二本しかまだ見ていないのだが、
どちらも言葉に表せないくらい本当に素晴らしい作品であった。
アカデミー賞主要5部門(作品、監督、主演男女優、脚本又は脚色)を総なめにしたという快挙はこの作品が初。
後にこの5部門制覇をカッコーの巣の上でがたっせいするまでに実に約40年かかっている。
とまあ、この作品の表面上の偉業以外にも、
後に大傑作として今も映画史に名を残す、
「ローマの休日」や「卒業」その他多数の映画に非常に大きな影響を与えている。
これだけでどれだけ凄い映画なのかは手に取ってわかるだろう。
昔ながらの映画の特徴(個人的な偏見)であるあっさりと本題に入っていくスタイルで、気付けば結婚式が行われていた。
ロードムービーの類に入ると思うが、この手の作品は大好き。
全てにおいて文句ありません。

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izzy

4.5ウィットに富んだ小粋な作品。

2016年12月18日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ウィットに富んだ小粋な作品。

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tsumumiki

4.5ラブコメのお手本

2016年7月25日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

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monogusataro

4.5カッコイイラブコメ

2016年2月25日
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昔作られたと思えない、クラークゲーブルのかっこよさ!
車停めるシーンは忘れられない。

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あおい