劇場公開日 2004年10月2日

「医療問題」感染 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0医療問題

2019年5月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 前半は別の意味で面白かった。様々な医療問題をこれでもか、これでもかと、ごった煮状態にして風刺している内容なのだ。中央病院という名からして、公立病院。予算の無駄遣いのせいか改装工事や備品購入も中途半端で、給料未払い問題まで発生する。看護師の大量退職により忙しさは頂点に達し、寝不足状態の医師・看護師スタッフ。医療ミスも当然起こるし、医療のモラルの問題までも提示している。その上、医療事故を隠匿しようとする不穏な動きも・・・前半だけ観ると、まるで社会派映画みたいな仕上がりですよ・・・と、ホラー映画だということを忘れてしまうほどだった。

 しかし、後半に入ってからは失速感が漂っています。溶ける内蔵という設定も面白いのであるが、如何せん映像が着いていかない。ホラーというよりはサイコなジャンルになるので、感染の怖さというより、心の奥に潜む本性が怖いのだ。キツネの面の少年や見舞い客など、生かしきれていないところがもったいない。赤いリンゴの伏線などは見事だし、意識に感染するというコピーもいいのになぁ・・・実に惜しい。

最も惜しいのは、最も変態チックなモロ師岡の使い方かもしれない。

kossy