草の乱のレビュー・感想・評価
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寄付してくれる人にも預かり証を書く律義さ
独立プロとしては異例の4億5千万の制作費(『ラストサムライ』の60分の1)!しかもこれは一般市民の出費であり、総勢8千人のエキストラが参加するという民衆のパワーが炸裂する感動大作となっている。ついつい同じ時代背景の『ラストサムライ』と比較してしまうのだが、こちらは嘘の世界じゃなく、史実に基づいた物語だ。そして主人公は農民!彼らの苦しみや悲しみがリアリティを伴って伝わってくるのです。
また、不況の現代と共通点も多く、当時の政府が朝鮮出兵のための軍事費拡大が引き起こす増税等の圧政、野放しにされた高利貸しの存在、一部の金持ちと政府との癒着など、まさに歴史は繰り返すということを感じるのである。違いと言えば、当時は民主主義が未熟な時代であり、現代は情報社会になっていることくらいだ。
クライマックスとなる農民たちの武装蜂起は、初日の高利貸し業者への直談判(これがさながら『忠臣蔵』の世界なのだ!)、徐々に賛同して一気に増えていく農民たちが圧巻です。そして独立プロであるのに豪華な出演陣。特に杉本哲太にしびれます(これほどかっこいい彼は初めて)。
【2004年5月映画館にて】
郡上一揆のあと
また一揆か?と思ったがグレードアップした内容で神社での決起から
飛び出して行く様は人数も凄く(制作費から考えても)多くてちょっとビックリした。
詳しく紐解かれない歴史を映画化した形ではあるが、郡上一揆を観て数年後にこの作品がでたので「似たような…」と思ったがこういった内容の作品はまず製作されない。
普通にメジャーで公開される作品ではない。
小説でヒットしたカッコいい集客が見込めるテロ映画は幾らでも作られるが…。
流行らないこの内容ではあるが熱くるしいくらいの思いは伝わる。
隠れた歴史を知りたいなら
隠れたというか、意図的にあまり話題にされないが、けっこう日本史としては重要だろう、ということがかなりある。
秩父事件を描いたこの映画その秩父事件が最大の武装蜂起となった、自由民権運動に単を発する一連の反体制活動
体制側からすればテロ、と考えただろうが
とか知ったかぶりしてますが私も秩父事件というものをほとんど知りませんでした。
この映画をみてしばらくしたころ
日暮里駅近くに谷中墓地という広い墓地があるんですが、これがけっこう有名人や徳川家のお墓があるちょっと特殊なところで
どこに誰が葬られてるか、案内板があるんですね。
それである区画に
加波山事件により死罪となった数名のお墓がある。
ちょっと名前忘れたが
加波山事件?死刑?なんかただ事じゃないなあと
そこから少しずつ調べ始めました。
加波山事件というのは明治初期、自由民権運動弾圧で悪名だかい三島県令爆殺未遂事件
秩父事件はその後に起こった主に農民による武装蜂起です。
うーん。何しろマイナーになってる歴史だから説明も難しいな(笑)
まあ、要するに明治維新のあとまず元武士による反乱があって、その後重税やらに堪えかねた農民や自由民権運動家による反乱もいくつかあったんですね。
この映画自体はあまり分かりやすいとは言えないが、明治維新後はそんなにきれいごとばかりじゃない、犠牲になった人間が山ほどいる
ということに気づくとっかかりとしてのいい作品だと思います。
なんかうまく説明できんな〜
ちなみにこの神山監督のこれの前の映画
「郡上一揆」
はあまりにバツが悪いいわゆるバッドエンド鬱エンドすぎておすすめしない
この「草の乱」もバッドエンドなんだが、歴史上重要なことだと思うのでみるべき
特に埼玉人はみるべき、誇りに思うべき。
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