「作品英称は『Kamikaze Girls』なのね(笑)言い得て妙。「あたいのマシンが火を吹くぜ!」」下妻物語 野球十兵衛、さんの映画レビュー(感想・評価)
作品英称は『Kamikaze Girls』なのね(笑)言い得て妙。「あたいのマシンが火を吹くぜ!」
【文才なくてごめんなさい。滅茶苦茶に長文です(これでも1/3を省いたです)】
とことん笑わせてくれて、ほっこり涙する友情物語。
そして、自分レビュー史上最大文字数と(笑)を多用せずにはいられなかった傑作。
衝撃的な“終”のシーンから始まる本作。のっけから既に爆笑の予感です(笑)
飛び散るキャベツ、零れ落ちるパチンコ玉を背景に、お話を18世紀ロココ時代のヴェルサイユにまで巻き戻すのね(笑)
チョー真面目なバロックの後に現れた、18世紀後半のフランスを支配したチョー軽薄な芸術スタイルの時代。
あまりのバカっぽさから歴史の闇に葬り去られ、評論家から、甘ったるくて・安易で・化粧っぽくて・下品・淫らと、こきおろされた時代。(書き起こし乙自分)
そんなロココの時代に、妄想の身を奉げた少女・桃子のお話です。
さぁ♪不思議な夢と♪遠い昔が好きなら♪な少女のお話。
ですが舞台は18世紀フランスの田園地帯じゃぁありません。場所は、いきなり牛の“オソマ”踏んじゃうような21世紀の茨城県、下妻市横根の農村地帯。
移動販売八百屋の荒川良々が誇るには、何だって揃うジャスコ(笑)がある町
ジャスコが散々コケにされていたんだから、いくら何でもエンドロールに名前連ねないでしょ?と思って確認したんですが、そこは太っ腹。特別協力にイオン株式会社の名が。しかも磯部明徳さまのお洋服BABY,THE STARS SHINE BRIGHTの上に(爆)
この作品、キャストの無駄遣いが一切ないんですよね。どのキャラも俳優さんが見事に命吹き込んでいらっしゃって。みんなが生き生きしてるの。
W主役を別格として特にお気に入りだったのは…って書こうと思ったんだけどムリ!ほんっとに全員がMVPなの!そこをあえて挙げるなら、桃子のおばあさまを演じた樹木希林&ダメ親父を演じた宮迫博之がよかったの。チョーよかったの!
W主演を務めるのは、桃子役の深田恭子と“イチコ”役土屋アンナ。このふたりがドはまり役だったです。
そんな甘々ロリータちゃんと、純情ヤンキーちゃんのあり得ない友情の、笑いあり、涙あり、笑いあり、やっぱり笑いあり、のお話。
桃子の誕生秘話の劇からして、見せ方が巧いんですよね。序盤から物語にグイグイと魅了されていったです。
ジャージ天国・尼崎とか(笑) ダメ親父とダメ母(篠原涼子)の出会いとか(笑)
少女期の、醒めて無慈悲な桃子が母を説教するシーンとか。(「もっとキレイになって、たかの友梨エスティティックコンテストで優勝してください」・笑)
ヴ〇ルサーチのバッタもんだとか(爆)
ヴ〇ルサーチはNGだったようで(てか意図的に?)ピー音処理されてたです(笑)
“フランスのブランドの”(笑)ヴ〇ルサーチの扇子とか百円ライターって(爆)
ユニ〇ーサルスタジオジャパンもブー音処理案件なのね(笑)ユニ〇―サルとヴ〇ルサーチのダブルネームのコラボTシャツって(爆)
この映画こそ劇場で観たかったなぁ。再々度のDVD鑑賞でさえ開始早々15分にも満たない時点で、どのくらい笑っただろう(笑)大頬骨筋とお腹痛い(笑)
劇場で他のお客さんと一緒にお腹抱えて笑いたかったよ!(笑)&(爆)のダブルネームだよ!
そんな桃子が、ベイビーズザスターズシャインブライトのお洋服を買うために「月刊個人情報マガジン」(笑)でバッタもんのヴ〇ルサーチの未使用新品を売りに出すの。
120cm三段シート&ロケットカウルの族仕様スクーターでそれを買いに来た、舗爾威帝劉[ポニーテール]の白百合イチコちゃんと出会うところから、お話が本筋に入ります。
「桃子さん、おられるんですかな?」(笑)の土屋アンナがクールでイケメンでかっちょいいのなんの!
イチコちゃん、親戚の結婚式に来て行く服を探していたそうで。
「地獄に悪魔」(笑)でバッタもんのヴ〇ルサーチの投稿を発見して。20万円じゃなくて桁の違う2千円の良心的すぎる値段でヴ〇ルサーチの顧客になっちゃうの。
そんなこんなで、すっかり桃子宅に入り浸りになったり、ビバユーホンダ・幻のマシンDJ1-Rを発掘したり、桃子に頭突きをかますイチコ「悪いか!」(笑)
一方の桃子はと言えば「ひとりで生きていけないなら、私は人じゃなくていい。ミジンコでいい。寄り添わなきゃ生きていけない人間よりも、ずーっとずーっと自立しているもの」と、うそぶくの。マジで心根腐ってやがる女の子(笑)
「ヒラヒラのくせに(笑)根性座ってる」桃子に何故か心を開いていくイチコ。
おまえは何故下妻にある?という、喫茶[貴族の森](笑)で、一方的に親睦を深め?たり。
そしてお話の転機になる、族の総長・亜樹美の引退パレードの話がイチコの口から。
イチコは、着ていく特攻服に刺繍を入れて、亜樹美さんへの「鼻もげする(笑)」ため、伝説の刺繍屋・閻魔を探していると語り。
回想されるイジメられっこイチコの中学生時代の過去。
尾崎を絶唱しながら、涙ながらに(盗んでないけれど)自転車で走り出す♪行く先もわからぬまま♪
そこで出会ったのが亜樹美。
小池栄子演ずるシーンが、またかっちょいいの!キマってるよ!栄子さん!
そんな亜樹美に心酔して、族に入る決心をしたイチコだったらしいです。「いい話だろ」(笑)
なんでか?いつの間にか?すっかりイチコのペースにハマっちゃう桃子。
神奈川県内全てのレディースのアタマをハッてた“卑魅姑”の名もイチコの口から。1時間も(笑)
ココで挿入される「バリバリ卑魅姑伝説」のアニメ。これが、また凝った作りで綺麗なの。
綺麗といえば、時折、妄想の世界で空を舞う桃子の絵も素敵なの。恭子さん、綺麗☆彡
「おまえ聞いてんのかよ」→「はい?」(笑)
強引な説得とキック&頭突きで、さらに無理矢理自分のペースに巻き込むイチコ。
刺繍代を稼ぐために、一発大勝負のパチンコ屋に向かうふたり。
ここでイチコに訪れる運命の出会いが。阿部サダヲ演ずる“一角獣の龍二”(笑)と遭遇するんですね。
どう見ても漫画チックなルックスの龍二に、何故か?メロメロになる純なイチコ。
「何気に尾崎っぽいよな♡」→「どこが?」(笑)
このシーンで登場するパチンコ屋店主の生瀬勝久もいい味出してたんですよね。
そして明かされるイチコの本名。“苺”だったんですよ。
「そんな名前でヤンキーやってられっかよ!」→「いーちごさん♪」→「うっせぇ!てめぇ!二度とその名前出してみろ!凹るぞ!オラぁ!」!→「苺ちゃん♪」→「マジ!殺す!」からの、やっぱり頭突きの制裁(笑)
そんなこんなで、桃子はイチコに連れられて伝説の刺繍屋・閻魔を探しに代官山に行くはめに。
オサレの街・代官山を歩く量産型ロリータちゃんと、特攻服ヤンキーちゃんの絵がツボ(笑)
そして桃子は、ベイビーズザスターズシャインブライトで「社長でデザイナーであらせられる神さま(笑)」磯部明徳さま(岡田義徳)に刺繍の腕前を絶賛されて有頂天。
突然「バカバカしいことしたい気分」になって。イチコを連れて刺繍屋を探しに行くことに。→「バカバカしいだとぉ!オラぁ!」
夜まで捜し歩くふたりですが、どうにも見つからず。
その代わり、イチコは目撃したの。コンビニでノリ弁とウーロン茶を買う『シベリア超特急』Tシャツ着た水野晴郎を!(爆)
水野さん、ここだけのためにカメオ出演を?(笑)
特攻服の刺繍をやらせてくれないかと提案する桃子に特攻服を託すイチコ。「特攻服預けるってことは命を預けるってことだ。全部、何もかもおまえに任せる」と。
ここの友情話が泣けるの。
三日三晩、一心不乱の徹夜で刺繍を仕上げる桃子。
そんな頃、元母はマジでたかの友梨エスティティックコンテストに出場したりして(爆)とことん笑わせにくるのね。腹筋崩壊(爆)
さらに桃子は“神さま”に刺繍の腕を見込まれて、オーダーミスのお洋服(ただのオシャレなネグリジェ・笑)に刺繍を入れてくれと頼まれるの。
一方のイチコは、亜樹美さんの引退パレードの様子を桃子に語り。
なんと!亜樹美はイチコが惚れた“一角獣の龍二”とのできちゃった婚を宣言したらしくて。
告白すらできなかった大失恋のイチコは「女は人前で泣いちゃいけねぇんだ」→「でも、今ここには誰もいないよ」号泣のイチコかわいい♡(´。・ω・。`)
ここのふたりの友情が本当に泣けるの。
目の前に現れた飛び切りの幸せを前に戸惑う桃子は、神さまから頼まれた仕事が一向に進まず。
悩み苦しんで胸中を打ち明けた相手がイチコでした。「会いたいよ…イチコ」
ふたりの友情は、いつしか強く結ばれていたんですね。
族の集会をすっぽかしてでも桃子に会いに行ったイチコに暗雲が…
群れて走ることに疑問を感じ始め、族を抜けたいと桃子に打ち明けます。
そんなイチコを待つのが族のケジメ。「ヒラヒラのガキ(笑)とつるんで仲間を裏切った」罰として。
それを案じた桃子は、神さまからの依頼のお仕事をすっぽかしてさえも、イチコを救いに行くと言い。
純白のロリータ服で、おばあさまの最終兵器・ビバユーホンダのDJ1-Rを爆走させる桃子。
ここで移動販売八百屋の軽トラと激突するの。飛び散るキャベツ、零れ落ちるパチンコ玉←ここがオープニング(笑)
回想シーンは、いきなり母の子宮の中まで巻き戻し(笑)
なんか変なスイッチ入って何事もなかったかのように爆走を続ける桃子。
矢沢心演ずる総長・ミコからイチコを救うために、牛久大仏さまの裾野まで只今参上!
さて、その衝撃のクライマックスやいかに!
ここからの深田恭子の豹変っぷりが本当に痛快で面白いんですよね。まさに本作最大の見せ場(笑)
そして、ついつい頬が緩む和やか&爽やかなハッピーエンドへ。
これで終わりかと思いきや!さらに素敵な“二重の”後日談のオマケまであるのね。
アンナさん、めっちゃかわいい♡(´。・ω・。`)
映画のエンディングテーマソングを割と酷評してるっぽい私なんですが、本作の「タイムマシンにお願い」はドンピシャでハマってたと思ったです。
てっきりサディスティック・ミカ・バンドのオリジナルかと思っていたのに、Browny Circusによるカバーだったのですね。
オープニングテーマソングの「Roller coaster ride →」と、オリジナルテーマソングの「Hey my friend」も良きでした。
最後の最後まで、とことんオシャレでナイスな映画でした。
あつ!エンドロールと言えばね、やっぱり出てないのよね、ヴ〇ルサーチとユニ〇ーサルスタジオジャパンが(笑)