きょうのできごと a day on the planetのレビュー・感想・評価
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テレビが情報発信基地
よく出来た群像劇と言えばよいのだろうか。引越し祝いの飲み会のシーンが中心で、誰もが経験していそうなこじんまりとした宴会の雰囲気が心地よい。小さな宴会も終わり、朝が近づいて「さぁドライブに行こう!」なんてノリは自分の大学生活とオーバーラップしてしまい、懐かしさを誘う。
しかし、これだけ懐かしさを感じさせる良作ながら、心に訴えるものがない。人間関係や一人一人の心の描写が浅いのだろうか。時制を前後させる手法も、今日と明日の境目を描くためのものだとしたら意味がないような気がする。『クジラの島の少女』を観た後のせいもあるが、クジラにがっかり。
・見所は、ケータイ燃やし合戦の末焼け爛れた携帯電話!こんなに強いケータイが欲しい。
超日常感
日常感を求める人にはたまらない。
スリリングを求める人には恐ろしく不向き。
どこかで起こっているひととき。
日常に大きな動きばかりは中々起こらない。
でも、目を凝らしてみると、小さな出来事はたくさん起こっている。それをどう捉えるか。
時間がある時にゆっくり観て、思考をリフレッシュさせたい。
うまく言われへんけど・・・
「きょうのできごと」は、ある若者達のある1日を切り取った「なんでもない」作品です。
僕は「GOMES THE HITMAN」というバンドが好きでライブにも足を運ぶんですけど、この映画が公開される直前の彼らのライブに「きょうのできごと」の作者の柴崎友香さんが来ていたんです。そんな事もあって、気になる作品ではありました。
主題歌を歌っている矢井田瞳も好きなので、普段はあまり邦画は観ないんですけど、映画館まで足を運んだんです。
何でもない8人の学生達の、何でもない一日の出来事を追った、何でもない映画なんですけど、観終わった後に心に残る映画でした。そして、この作品について他の人に語りたくなる。そんな不思議な魅力に満ちた作品でした。
8人それぞれのキャラクターが個性的で、出演者達も苦労したという関西弁も(関東の人間の)僕には凄く自然に感じたし、何にもない映画なんですけど、何かが心に残る良い作品だったと思います。
登場人物の言葉を借りるなら、
「うまく言われへんけど」いい映画です。
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