東京原発のレビュー・感想・評価
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「国の政策を傍観してるってのは、賛成しているのと同じことだ」は、けだし名言そして…ええ!おい!自分!の巻
開始早々から名だたる名優・名バイプレイヤーのオンパレードじゃないですか!
しかも役所広司主演の映画はハズレなしなんですよ!
役所さんに魅了されたのって、遠い昔のことなんですよ。
TVドラマの『合言葉は勇気』が、ちょううう面白かったです。W主演の香取慎吾をはじめ、津川雅彦、國村準、鈴木京香、山寺宏一、寺尾聡、梶原善etc…がしっかりと脇を固めて。
あつ、また寄り道してるよ…軌道修正、修正っと。
日本の電気料金って世界一高いの?と、寄り道ついでに調べてみました。えつ、一番高いのってデンマークじゃん。(1kWhあたり70円)バミューダだとか諸説あるみたいだけれど。
「日本の電気料金はアジア・中東地域の38カ国中、35番目に安くなっています(1kWhあたり31円)」だって。そんなに高くもなく安くもないんだって。
やっぱり原発が、大きく貢献してるんだろうなぁ。(こんなん書くとアンチ原発の方々に怒られそうです。“に、依存している”ですよね)
やっと本題に入りますね。役所知事のロジックって、かなり説得力ありますよね。あながちハッタリの夢物語とは思えないの。
でも綾田俊樹演ずる榎本教授の登場で、風向きが一気に怪しくなってくるの。えつ、それってちょうううヤヴァいじゃん!てか、別に原発なくてもやっていけるの?
原発政策って「その気になれば90日で原爆を作れるアピール」のための隠れ蓑だったの?
核兵器を「いつでも持てるようにしよう」「作れるようにしておこう」の国策だったの?
こんなん言うたらマジでアカンのですが。ニュークリアレディ国(核保有国ではないが、核兵器をつくるために必要な条件がすべて揃っている国)ってちょっと心強くね?この国って安保におんぶに抱っこの危うい国だと思っていたの。しっかりと抑止力持ってますやん。こんなん言うたらアカンのですが。マジでアカンのですが。←大切なことなので、3度リピートしました。
そういうきな臭い話で本作のテーマを見逃しちゃだめなので、とっとと映画のお話に戻りますね。
破蛇を思いっ切りつつきました。アホで無神経の分際で、こんなセンシティブな題材をおちょくるんじゃなかったよ…←「一体どういう神経してんのよ!」
そもそもこの映画って、いつ作られたの?と思って調べてみました。東日本大震災のずっと前じゃないですか。そういう意味では警鐘を鳴らすのに十分な先見の明のある作品だったんですね。←国策云々がどーたらこーたら語ってたくせに調子いいんだな!ええ!おい!自分!
「個人が背負う命のリスクは同じじゃないのか」
「5千人の村でも、1千万以上の大都市でも、そこに住んでる住民ひとりひとりにとって背負う命のリスクは同じだろう!と言っている」
「東京都民が!そのリスクを負わずに、原発をよその土地に押し付けておいていいのか!」
「それが嫌なら電気など使うなッ!!」
ここに来ても知事のロジックには納得させられます。
このシーンで知事は、椅子をくるり180度回してカメラ目線になるんですよね。観ている人全てに訴えかけるように。心が痛みました。本作のテーマを見逃すところでした。←抑止力云々を語っておいて風見鶏なんだな!ええ!おい!自分!
そして燃料電池のお話になって「そうだ!そうだ!」と都合のいいこと思ってる私って…←ニュークリアレディ国がどーたらこーたら語ってたくせに調子いいんだな!ええ!おい!自分!
段田安則演ずる副知事が語る、知事の深謀遠慮に深く納得させられました。
「目の前に原発が建つとなれば、さすがに都民も無関心ではいられなくなります」
「そのために知事はマジョリティを逆手にとって、東京都民に原発反対の声を挙げさせるつもりなんです」
ここに読みの浅い人がひとりいましたよ…っと。←安保がどーたらこーたら語ってたくせに調子いいんだな!ええ!おい!自分!
トラックジャックの少年の話はいらなくね?と思っていたの。
とても良質なワンシチュエーション劇に思いっきり水差してね?って最初は思ったの。
核の取り扱いについて、この国のセキュリティがガバガバだってことを語るにしてもだよ?
できすぎじゃね?ひでえ“棒”演技じゃね?少年じゃない方がよかったんじゃね?むしろ三省さんが犯人だった方が面白かったんじゃね?
とか思って本作の醍醐味を見逃すところでした。
でも、このお話が絡むことでワンシチュエーション+良質なサスペンス劇になっていました。
「三省さんが犯人だった方が面白かった」は翻さないけれど。
要所要所にすっとぼけて笑えるギャグも交えながら、スリリングな展開に目を放せませんでした。
知事の「国の政策を傍観してるってのは、賛成しているのと同じことだ」「この世に…絶対なんてことがあってたまるか…」は、とても重い言葉だと思いました。選挙には欠かさず行こうと思いました。←こんなん言うたらアカンのですがとか語ってたくせに調子いいんだな!ええ!おい!自分!
「甘いな!こんなことで世界一無関心な東京都民が動くと思うか!」本当だよ。知事くらいはちゃんと選ぼうよ。←心強くね?とか言うた口でよくもいけしゃあしゃあと!ええ!おい!自分!
かなり不穏な事態を予感させるラストもよかったです。エンディングテーマソングはなんかイマジンのパクリぽかったけれど。
『ベイビーわるきゅーれ』をもう一度観直して、あらためてレビュー書いてみようと思ったのに、思い切り寄り道をしました。そういう気にさせるキャッチーなタイトル通りの面白い作品でした。
存在した警鐘
2002年に完成したものの反原発色のため公開が見送られ2004年公開となったいわくつきの映画。案の定原子力村から劇中の学者の説明は誤りが多いと批判が噴出したらしい。
トラックに積んだ再生済み核燃料が雨くらいで臨界を起こすのは誇張だろうし、流石にあんなルーズな輸送方法は漫画であろう。想像であるがシリアス過ぎると潰されるのでコメディに逃げて保険を打ったのかもしれない。水爆投棄事故の「魚が出てきた日」と同じセオリーを感じる。
悲しいかな福島の事故で原発にも絶対は無いことが証明されてしまった今ではこの作品の先見性を評価せざるを得ないであろう。もう一つの指摘のテロについては幸いなことに起きていないがこれとて無いと言い切れるものでもない。残念ながら役所広司さんの劇中のセリフ通り風化が始まっている、人間は過ちを犯すものだが問題なのは同じ過ちを繰り返すことの方だろう。
イデオロギーの強い映画は苦手であるが、TVメディアでは原発批判は商業的タブーとされていた時代に映画なら可能とあえて臨んだ勇気ある映画人がいたことは賞賛に値しよう。
タイトルなし(ネタバレ)
日本の原発は安全です→「なら東京に建ててみろ」というのを東京都知事が言い放つのがおもしろい。
ぶっとんだ都知事ではあるが、実は国民思いの熱い人。逆説的に愚民に原発のことを考えさせる。
B級コメディなのだろうと思って観ていたら、原発の基礎知識からはじめる真面目な教育番組のようにすすんでいく。
都知事の周りの人たちもイイ人ばかりで良かった。
これからあなたは、どんな行動しますか?
映画「東京原発」(山川元監督)から。(自主上映会だった)
東海地震が迫る今、浜岡原発を抱える静岡県民にとっては
とても関心のある作品であった。
東海地震の被害想定には「放射能被害」が入っていない、
そんな耳慣れない単語が飛び交い、私のメモは増えた。
原発推進派にとっては、
耳を塞ぎ、目を覆いたくなるような内容であった。
作品の後半で
「人間はすぐ過去を忘れる、終わったことは忘れる」
という台詞を、都知事役の役所広司さんが言い放った。
暗闇の中で、私は手探りでメモを書いた。
上映後は、元原発技術者が浜岡原発の危険性を訴え、
「原発を作ってきた人間としてお願いします」と
その運転中止に向けた活動に協力を呼びかけ、
来場者の拍手を浴びたシーンが印象に残っている。
しかし今回の一言は、会場で書いたアンケート項目のひとつ。
「いい映画を見た」「久しぶりにいい話を聞いた」と
感想を書いた後の問いだったから、余計にギクっとした。
大切なことは、これから(今から)のあなたの行動。
この映画を見て、明日から原発反対で動くぞ、と感動しても、
翌日になると、もうすっかり感激が薄れてしまい、
また、いつもの生活に逆戻り。そんな私たちに忠告している。
黒澤明監督の「生きる」(主演・志村喬さん)にも似た
人間の心の弱さを指摘された気がした。
「感動するだけではダメ、そう思ったら少しでも動きなさい」
そう問いかけられているようで・・・。
明日からの活動に少しでも役に立たせたい、心からそう思う。
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