解夏のレビュー・感想・評価
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お前を嫁に〜もらう前に〜 言っておきたい〜事がある〜♪ かなり厳しい〜レビューもするが〜俺の本音を〜聴いておけ〜♩
長崎を舞台に、進行性の病により徐々に視力を失っていく青年とその恋人との絆を描いた難病系ラブ・ストーリー。
ベーチェット病により視力を失いつつある青年、高野隆之を演じるのは『リリイ・シュシュのすべて』『Jam Films (ジャム フィルムズ)』の大沢たかお。
隆之の恋人、朝村陽子を演じるのは『平成狸合戦ぽんぽこ』『もののけ姫』の石田ゆり子。
ベーチェット病により失明した患者、黒田寿夫を演じるのは『Shall we ダンス?』や『ウォーターボーイズ』シリーズの名優、柄本明。
隆之の幼なじみで医師、清水博信を演じるのは『木更津キャッツアイ』シリーズや『ギブリーズ episode2』の古田新太。
原作はシンガソングライターのさだまさしが2002年に刊行した同名小説。こちらは未読であります。
昔は「さだまさしなんて辛気臭せよな〜ァァッ😮💨」なんて思っていたけど、今聞くとなかなか悪くないじゃない。エンディング曲「たいせつなひと」なんてこれかなりの名曲じゃないですか!しばらくの間鬼リピですよこいつはぁ〜〜!
「ベーチェット病」という指定難病を取り扱っている本作。原因不明の病であり、現在日本には2万人の患者がいると言われている。必ずしも失明する訳ではないし、有効な治療薬も存在するようなのだが、完治させる治療法は未だ見つかっていない。血管病変や神経病変などの副症状が表れることもある危険な病である。口内炎や性器の腫瘍など、兆候がみられたら早めに医師の診断を受けましょう。
…にしても、隆之の見た悪夢の内容すごかったですよね。顔面蜂の巣とズボンズリ下げ。直接的すぎるだろうあれ😓
シットリとした上品な作劇。…といえば聞こえはいいが、正直に言ってスーパー退屈な映画でした。時間は113分と決して長くないんだけど、体感では3時間くらい。いやーキツいっす…。
なんでこんなに長く感じるのかと言うと、この映画には語るべき物語がないからだと思う。
ベーチェット病により徐々に視力を失っていく、という縦軸はあるのだが、別に主人公には失明するまでの間にやらなければならない物事がある訳ではない。したがって、この病が物語の推進力にはなり得ない。
という訳で、そこに陽子という恋人を投入することでドラマを生み出そうとするのだけれども、そもそも彼女とは罹患する前から強い絆で結ばれている訳だし、主人公の闘病中も彼女の献身的な態度は一切崩れない。要するに、主人公とヒロインのラブ・ストーリーは映画が始まる前に完結してしまっているのである。
すでに結ばれている男女の情を映画の推進剤にしようとしているのだから、必然的に離れてくっついてまた離れて…みたいなまどろっこしいことを繰り返す羽目になる。ただでさえドラマ性が薄いのにおんなじことをリピートするんだから、そりゃ退屈にも感じるわな…。
「なんかこの映画おんなじところをぐるぐる回ってない?」と言いたくなったのは自分だけではないだろう。進んでいるようで実はどこにも辿り着かない。循環線かこの映画はっ!?
この手の映画だったら、別に物語が無いのなら無いでも良いと思うんです。
「目が見えている内に故郷の景色を残らず見て回りたい」という主人公のセリフの通り、ただひたすら長崎の観光ムービーに徹するというのも全然有り。失明するまでに1年くらいの猶予を設け、四季折々の長崎の景色やイベントを、高解像度の美しい映像で淡々と描写していく。これだけでちゃんとした作品になるはずなんです。
この映画が映し出す長崎の街並みは非常に魅力的であり、それをちゃんと見せてくれている部分はなかなかに見応えがある。美しい舞台があるのだから、そこに下手な恋愛ドラマなんて要ら〜んのです。
全体の面白くなさもさることながら、細かなディテールの甘さも気になる。
『解夏』というタイトルからも分かる通り、この物語は仏教が大きな役割を担っている。禅寺の住職さんの語る言葉こそ、この物語の核となっているのです。
それなのに、陽子が主人公のために祈るのはマリア様の立像なんですよね…。あ、そこはキリスト教なんだ。
これは和洋折衷な長崎だからこそなのかもしれんが、二つの宗教が一つの映画に出てきちゃうとなんかメッセージ性がブレる。そこは仏教に統一すれば良かったんじゃない?
陽子がモンゴルに調査へ出向くという導入部、それ要る?尺と予算が余ったんか?大体彼女の研究の内容は一体…?単身で行ったの?チームとかじゃなくて?そんなことある!?
このモンゴルパートの意味不明さはいうまでもないが、何より気になったのは主人公へのプレゼントのシャツがクソダサかったこと…🌀驚きのファッションセンス。あれを迷い無く買う姿に戦慄を覚えましたよ私ゃ…。
それを律儀に着る主人公が健気。挙句母親に「そのシャツ似合ってるじゃない」なんて言われたら、そりゃベーチェット病じゃなくてもめまいがするわ😵💫
などなど、まぁ退屈しちゃったのは間違いないんだけど、この映画には超絶注目ポイントがある!!
それは突然の豪雨で石田ゆり子がずぶ濡れになって、白いワンピースがピチピチのスケスケになっちゃうところである!!
えっ!?これもう色々見えちゃってない?ん?ノーブラ?ノーブラなのか…!?いやまさか…。いやでもこれは…。というか下半身も相当際どいスケスケだぞこれは…!
という、鼻血が止まらぬ超サービスショットあるんだから、こんなんもう石田ゆり子ファンにとっては最高の映画と言っても過言ではないのではなかろうか。ここだけ鬼リピ確定ですよこいつはぁ〜〜!!
という訳で、上品で真面目な映画なのに、最終的にはとってもやましい気持ちになってしまった訳であります。もうこれはしょうがない!!全国の男性諸氏、ぜひこのサービスショットを自分の目で確かめてくれ!!
…あのそれで、岡部のイジメの件はどうなったんすかね?高野先生、あんた泣いてる場合じゃないですよ。なにかしらのアクションを見せてください。
ブラシの上にのせようって固定概念が間違ってたんだね
映画「解夏」(磯村一路監督)から。
タイトル「解夏」の意味を説明すると、多くの文字を要するし、
単なる解説になってしまうので、ここでは紹介しない。
視力を失う難病に冒され、不安いっぱいの主人公に、
すでに視力を失った先輩(汗)のアドバイスが面白かった。
「こんなこと慰めでもなんでもないんだけど・・」と語り出し、
「私失明して困ったことはたった1つです。一つっきゃなかったですよ」
「それってなんですか?」という問いに、先輩の彼はこう答えた。
「あのね、朝、歯磨こうと思ったら、
歯ブラシに練り歯磨きを上手にのせられないんですよ」と。
そして、こう続けた。「だけどありゃ、なんだね、
ブラシの上にのせようって固定概念が間違ってたんだね。
翌日には解決しましたよ。
なに、先に練り歯磨きを口の中に入れちゃえば済むんですよ。
この程度のものですって言いたいね」と笑う。
だから、不安になることはないよ、そう言ってくれた。
今までと同じ生活ができないというだけで、
何もできなくなるというわけではないんだ、と強く励ました。
目が見えている時の固定概念を、それまでのプライドを捨てて、
どれだけ崩せるかが、これからの生きるコツだ、と伝えた気がする。
早速、目をつぶって歯を磨いてみた・・なるほど、そういうことか。
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