解夏のレビュー・感想・評価
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貴方の眼になりたい
大沢たかお扮する小学校教師高野隆之は、視力を失う病を患い体に異変が生じていた。実際失明するかもしれないと宣告されるとたまげるだろうな。恐怖もつきまとうしね。ましてや石田ゆり子扮する朝村陽子と言う恋人もいたからなおさらだよね。夢も希望も無くなってしまう。病気の失明した方に聞いたら貴重な体験が出来ると母親に言われたそうな。乳白色の霧の中にいるような感じらしい。
隆之は、陽子の父親に症状を伝え、学校も辞める事にした。しかし陽子は貴方の眼になりたいと言った。ありがたいけど甘えていいのかな。本人も辛いけど回りも辛いよね。お寺さんによると失明する恐怖と言う行だそうな。失明した時に解夏を迎える。石田ゆり子がいいね。
見所は、元気のいい渡辺えり子
目が見えなくなる・・・完全に失明してしまう前に何をすればいいのか?・・・そんな悲しみと苦悩を同時体験させてくれた。
故郷の美しい街並み、旧友との思い出、それに「隆之の目になってあげたい」と言ってくれる女性の存在もあり、彼は幸せであったように思う。確かに、結夏~解夏の期間は恐怖心に満ちた期間。これを乗り越えなければならないという試練でもある。のほほんと日々暮らしている者にとっては、こういう苦境というものがないと生きがいを見つけることが困難なのかもしれない。
「モンゴルで何かあったら、会いに来てくれる?」という陽子の問いかけが伏線になって活かされていて、「帰れ」と言われて東京に戻った石田ゆり子の気持ちが良く伝わりました。こうした伏線も含めて素晴らしい仕上がりの映画でした。しかし、宗教くさくなっている点とTVでもよいのでは?と思わされるところに減点・・・
Amazon primeにて。 アカギの死ねば楽なのにって言葉を思...
病からの解放…新たなる旅立ち。
スクリーンから滲み出てくるこの上ない“純粋さ”。ただ真っ直ぐにひたむきに生きる主人公たちの姿に、素直に感動させられた。
厚生労働省が定める難病指定第1号の“ベーチェット病”私はこの病気に関する知識を、何ら持ち合わせていなかった。先日たまたまTVで取り上げていたのを見る機会があったのだが、それによると現在2万人近い人々が、有効な治療法の無いこの病気に苦しんでおられるそうだ。或る日突然視力を奪われる…その様な状況に追い込まれた時、人はそれをどう受け止めていくのか?この映画では「失明する」ことそのものより、そこへ至る過程(=いつ見えなくなるかと思い暮らすこと)こそが、人にとって辛く厳しいことであると位置づけている。確かに「失明する」ことは恐ろしいことだが、その過程から解放されるという考え方は「失明した瞬間から、その人の新たな人生(物語)が始まる」ということを見ている者に教えてくれる。
ともすれば暗く重くなりがちな作品を、長崎の美しい街並みと富司純子演じる母親の抑えた中にも芯の通った優しさが、温かく包み込んでいて、見る者にさわやかな感動を与えてくれる。
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