映画ドラえもん のび太の魔界大冒険のレビュー・感想・評価
全13件を表示
もしも魔法が使えたら
のび太じゃなくてもみんなが考えるこの想像。もしもボックスを使って魔法の世界にすることをのび太は考え付く。ところがやって来た魔法の世界は勉強せずに簡単に魔法が使える世界ではなく、学問として発達した魔法の世界だった。現実では科学が進歩し、魔法など無いと否定されているが、この世界では魔法が進歩し、科学など無いと否定された世界なのだ。当然落ちこぼれののび太は、小学1年生でも出来る魔法が出来ずに落ち込んで帰って来る。しかも魔法道具も高額であり、空飛ぶ絨毯には免許が必要な上に高いということで野比家には無かった。
頻発する地震や異常気象は魔界接近説であるという満月博士の話を聞いて恐ろしくなったのび太は元の世界に帰ろうとするが、なんともしもボックスをママが捨ててしまい、しかも既にスクラップになってしまったということだった。何故出したままにするんだとか、どうやってあんなデカいものをのび太の部屋から外まで持ち出したんだとかツッコミどころは多いが、そういうストーリーなのだから仕方ない。
夜になり、のび太達の元へ猫が現れる。月光に照らされると猫は姿を変えて大人の女性へと変わる。それは満月博士の娘、美夜子だった。驚く二人に美夜子は悪魔に襲われたことでこのようになっていると説明してくれる。魔界に乗り込んで魔王を倒さないと世界は滅亡するということで、しずかちゃん、スネ夫、ジャイアンを加えて魔界へと乗り込むこととなるのだが、魔界へ侵入する際に美夜子の絨毯は焼けてしまう上に即座に零下の世界が広がっており凍死寸前となる。
ひみつ道具を使うことで凍死を免れ、今度は海を渡ることになる。ここで自然とタケコプターを使うのだが、魔法世界の住人であるしずかちゃん達がタケコプターを使うのは違和感しか無い。何しろ彼女たちは箒で飛べるのだから。まぁ箒が無いからと言われればそこまでだが。なんとか海を越え、原っぱを越え、森を越えとし、大魔王デマオンの元へと辿り着く。しかし魔界歴程に書いてあった心臓に銀のダーツを撃ち込むという弱点が通じずに一行は逃亡することとなる。石ころぼうしを被って簡単に逃げられるかと思いきや、匂いは消えないという弱点を突かれたことでのび太とドラえもん以外が捕まってしまう。ただ、石ころぼうしは透明になる道具ではなく、石ころのように気に留めなくなるという道具なのでちょっと矛盾している。
タイムマシンでもしもボックスを使う前の自分たちを止めようと思い立ったドラえもんはとりよせバッグでのび太の机を取り出し、タイムマシンに乗ってもしもボックスを使う前の時間へと戻ろうとする。しかしなんとメジューサが机の中へと入り込み、タイムマシンも無いのになんと時間遡行を行うという離れ業を敢行する。そんなのありなのだろうか。なんとかもしもボックスを使う前の時間へと来たドラえもん達だが、メジューサによって石化させられてしまう。冒頭でのび太達が不気味な石像だなと思っていたのは、未来の自分達だったのだ。
月が出ている時だけ戻れるということで必死にもしもボックスを使うことを止めようとするが、雨まで降り出したことで失敗に終わる。もうダメだと思ったところでなんとドラミちゃんがタイムふろしきで助けてくれる。虫の知らせアラームを聞いてドラえもんのピンチを察したというのだ。さすがドラミちゃん、優秀過ぎる。ドラミちゃんのもしもボックスを使って魔法の世界を無くして元通りと思ったところで、なんと魔法世界はパラレルワールドとして存続すると聞かされたことで元の世界に戻ることをのび太は決意する。
囚われていたしずかちゃん、スネ夫、ジャイアン、美夜子、満月博士を救出し、何故デマオンが倒せなかったのかとなったが、魔界歴程の未翻訳部分をほんやくコンニャクで見ればいいと指摘するドラミちゃん。さすドラミ。実はデマオンの心臓は魔界星から離れた場所にあるデモン座のアルファ星と呼ばれる星に偽装していたことが発覚する。魔界歴程を書いた奴、凄過ぎんか?
急いで魔界星を脱出し、アルファ星へ向かう一行。デマオンも弱点を知られたことに気づいて必死に追撃するが、間一髪のところでジャイアンの投げた銀のダーツがドラミちゃんのビッグライトによって巨大化し、心臓へ突き刺さる。魔界は滅び、魔法世界に平和が戻った。なかなかに冒頭から怖いシーンが多い。不気味な石像、早くも地球を闊歩する悪魔たち、猫にされてしまった美夜子、魔界突入後も恐ろしい世界観が続き、何よりも最大の敵であるメジューサは時間遡行さえ行って追いついて来る。結局再戦することは無かったが、ドラえもんに置いてナンバーワンに恐ろしい相手だったと言える。
メジューサ怖い
2025年1月22日、Amazonプライムにて視聴。
ドラえもん映画でもトップクラスに人気であろうゲストキャラ、美夜子さんが登場する映画第5作。
もしもボックスにて魔法が使える世界にという所に関しては良いと思うのだが思いつき方が割と雑な印象、その後の冒険感は安定して楽しいのとゲストヒロインの美夜子さんのがビジュアル的にも作品的にも映えていたりと長編アニメとしてのツボはしっかり押さえている。
あと何気に最強の助っ人ことドラミちゃん映画初登場も本作。
ファンタジー要素が強い作風ながらもパラレルワールドを扱っていたりとドラえもんぽいSF要素は健在。
子供のトラウマ要素も多く、特に序盤から伏線貼りまくっていたドラのびの石像関連で関わって来るメジューサはタイムマシンの時空間まで追いかけてくる等ある意味ラスボス以上にヤバい奴な上に何よりビジュアルが既に怖い。
あと余談なんだけど、
劇中、化学が迷信扱いされる魔法世界になる訳なんだけどのび太周りの人達が普通にドラえもんを見知った存在として普通に接してたけどあの世界のドラえもんってどう言う存在として認識されてたんだろう?
魔天降臨
現実世界での己の無能ぶりに辟易したのび太はあるときふと思いつく。「この世界が科学じゃなくて魔法の世界だったらボクでも活躍できるんじゃね?」苦々しい表情のドラえもんをよそに、のび太はもしもボックスで世界を書き換えてしまう。
魔法の世界では箒が空を舞い、科学が迷信として扱われていた。さながら酉島伝法『るん(笑)』のごとし。
しかし案の定、魔法の世界になったところでのび太の無能ぶりは変わらない。チンカラホイと唱えてみてもチョーク一つ満足に動かせないのび太はクラス中の笑い者にされる。
とまあここまではテレビアニメ版によくある「スゴい道具を使ったものののび太の基礎能力の低さゆえに現状が何も変わらない」というコメディチックな物語が展開されていくのだが、中盤から雲行きが怪しくなる。
魔法使いの権威、満月博士によると、地球には今危機が迫っている。何でも、悪魔が棲まう魔界星と呼ばれる邪悪な天体がものすごいスピードで地球に接近しているのだという。まさに魔天降臨。そうなれば地球はおしまいだ。
こいつはさすがに手に負えないと思ったのび太はもしもボックスを使って世界を元に戻そうとする。しかし自室を片付けないのび太に業を煮やしたのび太のママはもしもボックスを焼却してしまっていた。
というわけで魔天降臨を阻止すべく、ドラえもん一行は悪魔の力で猫に変えられてしまった満月博士の娘・美夜子と共に魔界星へ出向く。
いっときは奮戦するものの、魔界勢力の前に少しずつ戦力を削がれていく一行。遂にはドラえもんとのび太を残すのみとなってしまった。二人はタイムマシンで過去に戻り、もしもボックスを使おうとするのび太を止めればいいことに思い至る。
タイムマシンで過去に戻った二人だが、悪魔の手先・メデューサが彼らを追う。時空すら跨ぐメデューサの執念深さがトラウマとなっている方も多いんじゃないかと思う。結局二人は過去世界でメデューサによって石に変えられてしまい、計画は頓挫する。
このまま世界は終わってしまうのか。絶体絶命のピンチに現れたのはドラミだった。ドラミは二人の石化を解除し、自身のもしもボックスで世界を元に戻すよう促す。これにて一件落着…と「おしまい」の表示が画面に浮かぶがのび太が「ちょっと待った!」と一言。
ここでもしもボックスを使えば、二人は助かるものの、パラレルワールドとして切り離された魔法世界はそのまま崩壊を迎えてしまう。それじゃダメだ、とのび太は再び魔法世界へ行くことを決意する。
この辺の倫理意識はかなり先進的だといえる。昨今氾濫しているタイムリープもの、パラレルワールドものもぜひ本作ののび太のマインドを見習ってほしいものだ。
魔界星のボス・デマオンとの最終決戦に臨むドラえもん一行。満月博士はデマオンの弱点がデモン座のa星であることを見抜く。最後はジャイアンの投擲したダーツをビッグライトで巨大化させ、心臓型のa星を思い切り貫く。絵面がメチャクチャいいんですよね、ここ。
ドラえもん映画の中でも屈指のダークさを誇る異色作だった。
この動画は。映画ドラえもん のび太の魔界大冒険 劇場公開日 1984年3月17日 (映画レビュー6)
映画ドラえもん のび太の魔界大冒険
劇場公開日 1984年3月17日
夢の中で魔法を使って活躍したのび太は、目覚めても魔法が使えたらなーと空想する。ある日、ドラえもんとのび太の石像が二人の前に忽然とあらわれ、翌日には姿を消した。のび太はドラえもんにせがみ、「もしもボックス」を使って魔法の世界に入り込む。ここでは人々が箒や絨氈に乗って空を飛んでいた。しかし、ここでものび太は小石一つも空中に浮遊できないダメ少年だった。ふとしたことで知りあった満月博士とその娘の美夜子ちゃんから、地球におそろしい魔界が接近していることを聞かされた。のび太はやはりもとの世界へもとろうとするが、ママが「もしもボックス」を捨てたので、もどれなくなってしまった。夜、のび太とドラえもんの前に猫が出現した。月光をあびると、猫は美夜子に変身。大魔王の手下に満月博士はさらわれ、美夜子は猫に姿を変えられ、月光をあびた時だけ元にもどるのだという。美夜子の頼みを受けて、のび太、ドラえもん、しずか、ジャイアン、スネ夫は絨氈に乗って魔界星へ向かった。まっくろな星の南極にあるわずかなすきまから侵入した一同は、タケコプターで帰らずの森に上陸。苦労を重ねた末に、魔王の住む城へ行き、大魔王を倒す唯一の個所である心臓に銀のダーツを打ち込むが効果はない。のび太とドラえもんはタイムマシンで家に戻り、過去の二人に「もしもボックス」を使わないように言おうとするが、魔王の派遣したメデューサによって二人は石に。しかし、ドラミのおかげで石から元の姿にもどれた。三人は再び魔界星にもどって満月博士父娘、しずか、ジャイアン、スネ夫を救出。デビル星域にうかぶ巨大な大魔王の心臓にジャイアンが銀のダーツを打ち込むと、大魔王は大音響とともに破壊する。のび太は美夜子に別れをつげ、タイムマシンで元の世界にもどる。
もしも、で作った魔法の世界がいきなり終末という笑
ドラえもんの道具の中でも最強の呼び声高いもしもボックス。これをフルに活かした長編。パラレルワールドという概念を子供向けアニメにぶち込んでくるドラえもんという作品の凄みをもっと理解したほうが良い。公開1984年て。
のび太の、もしも、で作った魔法の世界がいきなり終末という笑
でも、やっぱりすごいのは、石化したドラえもんとのび太を最序盤に出している構成。これも、当時は子供向けアニメらしからぬ巧みなストーリーの運びだったと思う。
ドラミ登場で完、にするが。あれ、本気だったのでは、とちょっと思う。たしかに、そうだから。そこでパラレルワールドの概念が登場して、それはいかん、となって、やっつけにいく、わけだが。でも、そもそも、向こう側にはのび太とドラえもんはいない?とか考えると、結構ややこしい。あとはドラミ無双。
というわけでドラえもんらしい仕掛けも満載で楽しい作品。
しずかちゃんのヌードはないが、パンチラばかりのセクハラのび太
ゴミ捨て場でのび太とドラえもんの等身大の石像を見つけるのだが、本人たちは家に持ち帰るばかりで石像の謎を解明しようとはしない。のび太は魔法が使える国に行きたくてしょうがないのだ。そこで「もしもボックス」を使い、ほぼパラレルワールドである魔法が使える世界に移動。のび太はそこでも劣等生で魔法がなかなか使えないのだが、修行するため森の奥に行くと、そこには魔界研究の第一人者満月博士と美夜子が住んでいる屋敷があった。博士によると、魔界の星が地球に接近しつつあり、地球の危機だと聞かされる。
そんな夜、大魔王の手下によって猫にされた美夜子が現れ、ドラえもんたちは満月博士を救うために魔法の絨毯に乗って宇宙へと飛び立つのだった。
数々のピンチを乗り越え、のび太とドラえもんだけは地球に戻ったが、「もしもボックス」はのび太ママに捨てられていた。そこで登場したドラミちゃん。彼女が持つボックスで、一連の出来事を無かったことにしようとするのだが、ジャイアン、スネ夫、しずかは魔王に捕らわれたまま。このまま戻すと、彼らはパラレルワールドに閉じ込められてしまうのだ・・・
魔法がいかに便利であっても、逆に破滅の道を歩むこともある。出木杉くんの解説も的を射ていたし、最後にとった手段もタイムマシンによるもの。時間軸、パラレルワールドの両方を操る荒療治だったけど、もっといい方法があるような気もする。石化された二人にしても、そのままにしておくと魔法の世界がそのまま残ってしまう気もするし・・・ちょいと考えさせられる。
昔観たときと…
アホでいる時間が長い!!
原作本は子供の頃マスターピースでしたが、映画版は初めて観ました。前半を膨らませた結果、ドラえもんが石像に全く注意を払わない事が気になりました。のび太は美夜子に一目惚れしましたが、普段よりやる気が倍増したとかもなくて残念でした。ドラえもんとのび太のアホっぷりは続きますが、終盤になって突然冴えまくり、のび太ですらパラレルワールドの存在に気付く等賢くなり、折角の名作ですが構成がやや乱暴な気がしました。
ドラえもん映画で一番好き!!
ドラえもんの映画をほとんど見てきた僕が一番好きなドラえもん映画。小さい頃からずっと見てきて、久しぶりに鑑賞。多分5年ぶり。やっぱりめちゃくちゃ面白かった!
まず、“魔界”という子供から大人までとても興味を惹かれる設定が凄く良い。アニメーションの技術では明らかに現代とは劣るものの、ストーリーの構成がとても丁寧。ハラハラドキドキするシーンもあり、現代でも十分楽しめる名作。
凄く好きな映画だがマイナス点も幾つか。まず単純に不気味で怖いということ。背筋がひやっとするようなシーンが割とある。幼稚園の時に見てトラウマになったという声も。まあ僕はかなり好きでした笑
まあでも、そのような部分も他の作品と雰囲気が違ってまた良いのではないかなと思う。
あともう1つは、少し内容的に難しいということ。子供では理解できないパラレルワールドや錬金術などが話に出てくる。まあ子供はそんな細かいことは気にして見ていないと思いますが笑
僕と同い年ぐらいの中学生に見てほしいなと思った作品。こんなドラえもんあったんだーと思ってほしい。
全13件を表示