「男の弱さ 女の強さ 心の細やかな表現が絶妙」ジョゼと虎と魚たち(2003) septakaさんの映画レビュー(感想・評価)
男の弱さ 女の強さ 心の細やかな表現が絶妙
いやぁ、いい映画だ
コメント付きも観ちゃったんで
2回連続して観ることになっちゃった(笑顔)
DVD特典に
本編を観ながら、
犬童監督、妻夫木くん、
池脇さんのコメントが聞ける。
そんな特典がついていまして、
早送りして面白いところだけ観よう、なんて思っていたら
まるで上映終了後のティーチインのように興味深い話をしていたので、
結局、丸々2回鑑賞する羽目になってしまいました(苦笑)
アドリブには“セリフ”だけでなく“間のアドリブ”もあること
それが一番印象に残ると同時に、勉強になりました。
◇ ◇
2003年製作ですので、
最初はストーリー以外のことばかり気になっていました。
江口のりこさんのキャスト名が漢字なんだ、とか
上野樹里さんがメチャメチャ若くてプクプクしているなぁ、とか。
撮影当時17歳だったそうですからね、とても初々しくピンクが似合ってかわいかったです。
作品の世界に入り始めたのは、
ジョゼが乳母車から包丁を振り回したところからかな。
なんじゃ?この映画は??
そっからは、集中しきっていました。
だから内容もメチャクチャ覚えていて、
さっき上で「念願叶い」とPCで打ち込んだときに
「叶い」の部分が「金井」と最初変換をされてしまい、
うわっ、SM雑誌の金井くんだ!示す編と衣編を間違えた金井くんだ!
参加の「参」の字の点々が、いつも反対方向になっている金井くんだ!
と、ありえないところに敏感に反応してしまったくらいですから(苦笑)
他に、印象に残ったのは、
・主役両名の演技の上手さ
池脇さんの大阪弁、妻夫木くんの微妙な感情をみせる表情演技
・出てくる家庭料理が美味しそう
犬童監督が「映画に料理を出すのが好き」とコメントをしていたのですが、
たしかに『眉山』『グーグーだって猫である』『ゼロの焦点』すべて、料理が
出てきているんですね。本当に好きなんでしょう。ちなみに今作で登場した
出し巻き卵。真剣に美味しそうで、鑑賞後スーパーに買いに行ってしまいました(苦笑)
なお、三者のコメントでは、料理がらみで、池脇さんが、当時20代前半の若さで
マイ糠床を持っており、今時そんな人いないだろう、という話で盛り上がっていました(笑顔)
・池脇さん上野さんの対決シーン
両者が刀を持っていれば完全に時代劇。
それほどの緊迫感があふれていました。
隠れ助演賞は池脇さんの乳母車を押していた子役の女の子。
いい動きと、いい表情をしていました。
・旅行~ラストまで
ここがクライマックス。
特にホテル以降は涙なしには観られませんでした。
池脇さんがホテルで独白するシーン。
妻夫木くんが歩道で泣き崩れるシーンで涙です。
・音楽
今作、くるりがすべて担当をしています。
『ゴールデンスランバー』のティーチインで
中村監督も仰られていたのですが、映画に染まりきっていないのが
逆に良い結果を出していました。初めて2人が抱きつくシーン、
初めて旅行に行くシーンの音楽が、個人的には大好きです(笑顔)
☆彡 ☆彡
と、いろいろコメントを聞きながら
へぇ~~~、って感心したのが、池脇さんの家、
ロケとセットが混在していること。そう言われるまで
気がつきませんでしたからねぇ。美術さん天晴れです。
あとは、妻夫木くんの髪が
角を曲がったとたんに、若干短くなっていることかな。
大丈夫ですよ、本編ではまったく気がつきませんでしたから(苦笑)
1回目鑑賞後はA-かなと思ったのですが、
2回目のコメント付きがあまりにも面白かったのでAにします。
やるな!DVD特典!!