「しごく自分勝手な感想(ネタバレあり)」ジョゼと虎と魚たち(2003) とりのももにく(情熱の青いたこ焼き編)さんの映画レビュー(感想・評価)
しごく自分勝手な感想(ネタバレあり)
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2003年の作品ということで、結構昔の作品。
ここのレビューをいくつか拝見して思ったのは、これは差別とか関係なく純粋なラブストーリーだという感想を見かけたけど、やはりこの作品の1番コアな部分はそこだと思う。
つねおが実家まであと少しというところでひよったシーンもそうだけど、なにより、
ジョゼが、自分はこわれものであるということに反論もできず、ひとりで生きていくことに大変な不安を抱えて、つねおにずっとそばにいて欲しいと涙で訴えながらも、結婚?あほかと、あり得ないと言い、最後は自分から身を引くような感じであっさりとつねおを送り出していくシーンは、とても胸が苦しくなった。
いまどきはバリアフリーとかいろんな議論もされてるし、障がい者雇用も進み、差別的な発言や偏見もだいぶ減ってきていると思う。
これからの時代は、障がい者本人が、自ら距離を取ったりせず、もっと周りと対等に接し普通に恋愛し、失恋して、大人になり、自立することがテーマになってきていると思う。
つねおは結局ジョゼを捨てて、その足で元カノの元へ帰ってしまう。自分勝手だという人もいると思う。だけど、それが普通の青春じゃないだろうか。
最後、ジョゼがさっそうと車椅子で買い物に出かけ、きれいに掃除されてる部屋で、ひとり魚を焼いてるシーンは、急に泣き崩れたつねおと比べてとても力強く、対照的で印象的でした。
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