海がきこえるのレビュー・感想・評価
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静かな余韻
たった72分の映画ですが、好きなジブリ映画の上位に入るお気に入りです。
物語は終始普通の日常ですが、心に残る名作だと思います。
昔テレビで観て以来、20年ぶり位に初めて映画館で鑑賞しましたが、やはり良いものですね。
さわやかな絵柄で中和されていますが、リカコが他者に対する接し方が、妙にリアルで生々しく感じました。今まで接点のなかった男子に、唐突に愛想よく話しかけお金を借りる。
借りたら後は知らんぷり。協調性になさから来る女子同士の対立。
リカコの勝手な振る舞いに苛立ちつつも、女子に話しかけられまんざらでもない主人公。
リカコの事情を知り同情や共感もありながら、それでも特別に親しい関係になる事無く高校時代はあっさり終わる。
ぶつ切りのエピソートの連続が、卒業後に思い出の中で再編され、好きだったんだと互いに気づく。そしてラストの駅のホーム。
派手に盛り上げる事もせず淡々とした描写が、鑑賞後の余韻を深めてくれました。
何年か経って、また観てみたい映画です。
良かった!!
15年ぶりくらいに観た
大人になって改めて見ると、思春期の良い意味の若さや痛さ、スマホも携帯も無かった一昔前の日本がそこにはあって学生時代に見た時よりもノスタルジーを感じた。
ヒロインについては賛否両論あるとは思うけど、あれくらいの年頃にありがちな自分勝手な女性像がよりリアルに描かれてて、最近のラブコメアニメのテンプレキャラに染まってるZ世代には多分響かないだろう。(笑)
まさにノスタルジー
氷室冴子は無双
「氷室冴子」
この名前を見聞きすると胸に甘酸っぱい思いが広がる、ある程度の年齢以上でそんな女性は多いんじゃないだろうか。
そんな氷室冴子の「海がきこえる」がリバイバル上映されていると知って駆け付けました。
正直なところ、序盤過ぎからもういろいろな思い出が浮かんでは消えて集中して見ていられない笑
当時、彼女の作品はクラス中で貸し借りされていて私も寝る前に読み始めたら止まらなくなって夢中で読んでたら明け方になっていたこと。
小説の感想を友達同士で手紙!を書きあって授業中にこっそり回し読みしたこと。
放課後のシェーキーズでピザを片手に語り合ったこと。
その当時の友人の何人かとは長い年月のうちになんとなく疎遠になっていきました。
けれど今回の私のようにこの作品のリバイバル上映を知って今頃どこかで同じように見ているかも・・・なんて顔がちらほら思い浮かび。
そんなめくるめく思い出に浸っていたら、映画は唐突に終わってしまった。
あれ?上映時間短いのね?
しかも、原作のラストってこんな感じだったっけ??
っと、原作のラストを思い出そうしたけれど、なにせ読んだ記憶が昔過ぎてよく思い出せない。
めくるめく思い出も、年月の流れの前には心もとないものです。
なんか、映画の感想全然書いてないね?笑
ジブリ作品であることもガン無視ね?
もちろん絵はジブリそのものですが、今回そこは私にとっては重要ではなかった。
ま、正直なところ、思い出補正全開であることは承知の上で、映画よりも原作の方がずーーーっとよかったとは思った。が、原作の思い出分の下駄を履かせて☆5です。
映画としての冷静な評価ができていませんが、そういうこともあるということでご容赦。
高校生大学生のピュアな恋愛模様をエモい気持ちで鑑賞していましたが、私自身はもう氷室冴子が亡くなった年齢の方がずっと近い。
闘病をされてからは目立った執筆活動はなかったけれど、もし仮に彼女が今も生きていて作家であったら今ならどういう作品を書いてくれたかな、そんな想像をしながら帰りました。
高知ノスタルジー
今回リバイバル上映を観た。
たまに画面の白枠が太くなって画面が小さくなるのには違和感があったけど、内容は素晴らしかった。
中高一貫の私学かな。真面目だけど、教師に物申す勇気のある男の子が2人。
松野も拓も、そんなところがすごく魅力的。
対してりかこはとんがっている。ものすごくワガママ。それはないだろうと思わせるセリフや行動のオンパレード。
でも美人だし、都会的で、強さがあって、こういう女の子に惹かれる男子がいるのもわかる。
りかこがこんなにとんがって、高知に反発しているのは、両親の離婚に対して強い悲しみと怒りがあるからだろう。
この映画は何より音楽が好きだ。
何度も繰り返される透き通ったメロディー。そのメロディーの中で、りかこの悲しみや苦しみが描かれる。
りかこは拓にだけ、素の自分を見せてワガママ三昧で振り回す。
拓には面倒見のよさとあたたかさ、懐の深さがあったからだとおもう。
強い高知のイントネーション、重厚さを感じる校舎、焼却炉があるゴミ捨て場、混み合う小さめの空港、高知城、未成年飲酒、全てに感じるノスタルジー。高知県には行ったことがないのに、ものすごく懐かしい。
高校生活の最後、りかこと拓、拓と松野は仲違いをしたまま卒業し、それぞれバラバラに進学する。そして2年が過ぎた。
そういうお話。
そのたった2年で、実家を出て、新しい土地に慣れて、車の免許をとったりして…皆大人になっていく。
テーマソングと同じ。
透き通った、煌めいた青春。
Z会用2分CM「クロスロード」のような
へー、こんなのをジブリが出してたんだ、とクレジットを見たら1993年の日テレ開局40周年のTV映画だったんですね。ちょうど人生最多忙期でTVなど全く見ていなかった頃なので知らない筈だ。学園もので、原作はあのコバルト四天王の氷室冴子さんなんですね。登場する主人公の高校は、ちょっと裕福な家庭環境を臭わせ、登場するヒロインもそこはかとなくブルジョワ的。そのあたりの彼と彼女と友達の関係は、話が進むにつれて庄司薫さんの小説っぽい雰囲気が漂い、新開誠風のシーンが展開されていくような。劇中、FMエアチェックでカセットテープや雑誌FMファンが出てきたり、妙に自転車がリアルに描かれてて、そのころ流行ってた日東のドロップハンドルでユニバーシアード101が付いてそうなスポルティフに乗って主人公が走って行くとなつかしさで一杯に。
妙に説明っぽい脇役のセリフと、妙に大きな音声(劇場のボリューム設定が間違っているのでは?と思うほど大音量)が文字通り耳に付いたのでー0.5しましたが、新開誠さんのZ会用2分CM「クロスロード」のような”大学受験生応援”のノリを感じる映画でした。
若いってイイな(笑)
青春は、身勝手で我儘で理不尽。
去年あたりに一館だけで再上映されていた本作、
今年になってまた映画館で見られるということで鑑賞。
初めて見た人はきっとこう思うだろう。
『ヒロインのどこがいいのかわからない』
『主人公かわいそう』
『自分勝手な人間ばかりだ』
まったくもってそのとおりだと思う。
そしてそこがとてつもなく現実的で
この作品を愛する理由へと繋がるのだと感じた。
私が学生だったころ、
『それ』は果たして大層な人間だっただろうか。
自分自身の学生時代を思い返してみても
ムダな見栄をはり、意味のないウソをつき、
弱いくせに強がって、いつだって自分本意だ。
しかし私が大人になるにつれて思い出は美化され、
あたかも元から常識人であったかのように思い込み、
その時ホントはどう考えて生きていたかなんて忘れてしまう。
高校生なんて無知で未熟で未発達。
そんな姿をスクリーンを通して見せられると
『なんて身勝手なんだ。我儘なんだ。酷い人間だ』
と、どうしても思えてしまう。
それは一人の成熟した大人として
未熟な彼らの姿を見ているからで
ある意味『自分が大人になった証拠』なのかもしれない。
ヒロインに関してもきっとそう。
『なんて自分勝手で厚かましい女なんだ』、
おそらく視聴者がそう思うように作られている。
そしてそれはとても現実味がある。
美人でスポーツも勉強も出来て、
東京にいる時は友達も彼氏もいたのに
親の都合で来たくもない地方に連れてこられた女の子。
そんな子が皆に愛想を振りまいて優しくするだろうか。
クラスに馴染んで皆から好かれるだろうか。
多感な思春期にそれを易々とこなせる子がいたら
かなりの世渡り上手である。
ヒロインの武藤はどこまでも身勝手。
傍若無人で周りの気持ちを考えられないただの子供。
まだまだ子供の延長、もしくは途中でしかないのだ。
そしてそんな武藤は歳を重ね、
きっとあの頃の自分をとても恥じて、とても悔いている。
『武藤は良いヒロインだ』と思う人は
そういう人間味あふれる所に惹かれているのかもしれない。
今作は大人が忘れてしまった『リアルな青春』を
嫌でも思い出させてくれる。
薄れた記憶を無理やり引っ張ってきて
否応なしにたたき起こしてくれる。
主人公があまりに大人すぎて浮いているくらいだ。
青春なんて実際はキレイなものではなく
カッコ悪くてみっともなくて、今思い出すと
顔から火が出るほどどうしようもなく恥ずかしい。
だからこそこの作品は愛されるのだと思う。
ジブリなのは絵だけ
高知弁
昔見逃した…親子で観てよかった
子供達が大学生と中3になり、昔見逃した海が聞こえるを観に行った。子供達、ああいう些細な気持ちの変化とかが感じられる映画が昔はいっぱいあったのかな?昔がうらやましい…と言っていた。学校の焼却炉に驚いた…とか。
私は、見逃した頃、ジブリ大好きだったけどとにかく部活忙しいし時間もお金も無くて無理だった。
海が聞こえるを大人になって観て、必死に学生時代過ごしてた自分を思い出した。何かのせいにしたくない、誰かに足を引っ張られたくない、だから自分でしっかり自分を防御するために考えつつ、部活や勉強、友達関係は狭く深めに、家庭では親と距離をおきつつ…成績は微妙でも、先生は内申ちょっとあげてくれた。多分誰にでもある、学生時代。過去の自分を思い出す、そんな素敵な映画でした…
大人になってから観るとだいぶ印象が変わる
本放送当時も観ていますが、もうそれから30年も経つのか…時の流れは恐ろしいものです
当時自分はまだ中学生で、里伽子わがままだなーとか、クラス女子感じ悪いとか、拓も松野もはっきりしなくてなんだかなーぐらいの感想でした。
大人になって彼らの親ぐらいの世代になり、改めてリバイバル上映を観てみると、当時とは全然違う印象を受けます。
劇中のセリフにある、「狭い世界」で皆もがいてたんだな…
ヒロインの里伽子は両親の離婚で生まれ育った東京から高知に生活を移す。
クラスの女子から見ると、自分たちの世界を乱す異分子以外の何物でもないでしょう。
双方自分の領域を守るため必死です。
これはヒロインの里伽子と、親友の松野の間で揺れることになる主人公:拓も同様でしょう。
言葉もうまく対立構造を際立てる道具になっていて、里伽子だけ常に標準語で他の登場人物は強めの土佐弁。
在学中は最後まで分かり合うことのない関係が、卒業後いろんな所に進学、就職をして「広い世界」に出ることで使う言葉が変わり、互いを認めることができるようになっていく。
主人公の拓とヒロインの里伽子の、甘酸っぱい(というにはかなり激しく衝突しますが)ラブストーリーという見方もできますが、衝突を繰り返しながら大人になるにしたがって世界が広がり他者を許容できるようになる青年たちの成長群像劇、という側面もあると思います。
ラストシーンの改変については、放送尺の関係と映像化に合わせた演出と理解しました。
原作ファンの方はいろいろなご意見あると思いますが、これはこれでいいんじゃないかなという感想です。
よくありがちな青春群像劇
この映画の存在自体最近知ったのでちょっと気になって見ました。
ジブリ作品だけど全然ジブリらしくないと言うか、ごくごく普通の青春群像劇でした。
それが悪い訳では無いけど極めて常識的な範囲で
驚くべき所はないと言うか。
良い青春映画だなって印象。
感動した訳では無いけどこんな感じあったよね、って感じと言うか。
普通に始まって普通に終わったのでこの映画の目的って青春ていいよね?なのかな?
まあ何も特別が無い普通の映画もいいよね。
それにしても…海が聞こえなかった…耳が悪くなったかな?
物語が30年以上前なのでまだスマホどころか携帯電話もコードレス電話も無くてお店によくあったピンクの電話が懐かしかった。よく連絡ついて合流できたもんだと我ながら感心する。そんな時代だったなあ(遠い目)。
物語は1990年初め頃の話。
東京の大学に通う杜崎。夏休みに同窓会の為に故郷の高知に里帰りする。
そして高校時代の思い出にふける。
中高一貫校の私立学園に高校2年の夏と言う妙なタイミングで東京から転校してきた武藤。
杜崎と親友で武藤のクラス委員長をしている松野。
武藤は複雑な家庭の事情で東京から母親の実家のある高知に子供連れで舞い戻ってきていた。
半ば強引に東京から連れて来られた武藤は父親や東京の生活、東京の友達との未練からか学校にもクラスにも馴染めず孤立していた。美人の武藤に恋した松野。そんな松野を杜崎は物好きだなと思っていた。
3人は顔見知り以上の関係では無かったが春休みの修学旅行のハワイ旅行から関係性が少しづつ変わって行く…
気になっている方はぜひ早めに見ておいて
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