劇場公開日 1993年12月25日

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「あぁ、やっぱり僕は好きなんや…そう感じていた。」海がきこえる とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0あぁ、やっぱり僕は好きなんや…そう感じていた。

2024年3月21日
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何度見ても最高、大好き。映画館で見られて再発見できた!絵のタッチに音楽含め90年代当時の空気に浸れるし、狭い世界が全てな10代の複雑な心情の機微や葛藤を繊細かつ丁寧によく捉えている。確かに海がきこえた…エバーグリーンな傑作。
主人公・拓は少女漫画などでよく見るような優しすぎるキャラクターとしてすごく面倒見がよく、そんな彼を台風の目・里伽子の強烈なキャラ立ちまくりで困らせるさまが、見ていて面白い。そして、無論そんな彼女にもバックグラウンドがある。男子(女子でもいい)が、恋愛感情とは違うのだけど、同性の友人が誰かに取られるのではないか?とか自分が一番わかっていると思う気持ちなんかもすごくリアル。
モノローグ&小窓や、同じ構図のカットが繰り返されたり、シーンの変わり目の2カット前に次のシーンのカットをインサートしたりと、印象に残るテンポや語り口。素晴らしいカット(同窓会前の海辺カットと5人で城見上げるカットやばすぎ!!)とストーリーテリングで、永遠にぼくらの瞼の裏に焼き付かれ、心に残るほど普遍的。あぁ、なんて愛しいんだろうか。特別にしたい作品。

とぽとぽ