BORDER LINEのレビュー・感想・評価
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難解なロードムービーとみるか・・・
時間と空間のジグソーパズルを映画と言うメソッドによって見事に表現した作品と言える。5人の登場人物の人生が時間を少しづつ共有しながら空間の広がり・・と言うか、空間の移動の中でリレーの様に展開し、それぞれの生きざまと人生の妙を見事に織りなした、一見難解なロード―ムービー。しかしその思いはそれぞれ観るものに委ねられたが故に深みが増している。
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罪を清算して再生する
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工業高校の松田周史は父親を殺し逃亡するが、アル中のタクシー運転手黒崎が撥ねてしまい北海道まで連れていくことになった。
その他、夫のリストラと息子がいじめられて悩む主婦相川美佐(麻生祐未)。ヤクザの宮路は45歳になるが集金係に甘んじている。東北のファミレスにてタクシー運転手の黒崎は逃げ、松田は宮路と出会う。ファミレスでは自分の子を虐待する母親の姿を見ていた宮路の娘も援助交際で補導されてしまう。
親と子の絆の問題が5人の登場人物すべてにしこりとなって残る。ほとんど孤児だった黒崎。父を殺した松田。妻を捨て娘が気がかりな松田。過保護な美佐。
宮路から託された凧をはるかに渡そうとする松田だったが、援助オヤジと遭遇して刺すものだと思いきや、殴られただけでやりすごした。再生したのだ、彼は。大切なモノに気づくのが遅すぎただけ。宮路は死んでしまったが、自分が首吊するところから救ってくれた命の恩人だ。あやかにそれを伝えて、自分は自首する決心を固める。
相川美佐のエピソードだけは他の登場エピソードと繋がらないが、他がすべて罪を清算して再生へと向かうことに反して、最もまともそうな人物が犯罪者へと変貌を遂げる対比が面白かった。
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