「ほんとうの幸せ」たそがれ清兵衛 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
ほんとうの幸せ
ラストの余韻がいつまでも残ります。
安堵と嬉しさ。
これでいいのだとの思い。
2002年作品。監督・脚本・山田洋次。
原作は藤沢周平ですが、短編を幾つかミックスしたとのことで、
脚本の完成度とストーリー脚色が素晴らしいです。
庄内・海坂藩(山形県の架空の藩)の平侍・井口清兵衛(真田広之)の
後半生を描いています。
ときは幕末。
時代の大劇同期で、「十一人の賊軍」とほぼ同じ時代。
海坂藩の藩主が若くして亡くなる。
藩は二分して跡目争い、家老派が勝ち、
負けた一派の一人・余吾(田中泯)は、
切腹を命じられたものの抵抗して自分の屋敷に立て篭もり、
討手の一人を殺してしまった。
剣の使い手なのだ。
困った家老は余吾の討手に清兵衛を指名する。
一方、清兵衛の親友の妹に朋江がいる。
朋江(宮沢りえ)は、嫁いだ先の亭主が酒乱で暴力を振るったことから、
兄(吹越満)が無理矢理、離縁をさせたのだ。
それを根に持った亭主(大杉漣)がある夜、腹に据えかねて
兄に果たし合いを申し出るが、朋江を送り届けた清兵衛が相手をする
こととなる。
自信満々だった男は、清兵衛の木刀でしたたか弱点を打たれて
気絶してしまう。
そのことで「清兵衛は剣の達人・・・」と噂が広まったのだ。
清兵衛は討手固辞する・・・理由は、
父から譲り受けた名刀を労咳の妻の薬代と医者代そして、亡くなった後の
葬式費用の捻出の為、売ってしまっていた。
それゆえ、清兵衛は余吾との闘いに小太刀で臨んむしかなかったのだ。
★★
刀を売り払ったことを、家老には言えなかった・・・
武士の命とされる刀を売る・・・
やはり言えぬか?
★★★
田中泯はこの映画が映画初出演だったとは!!
言葉も聞き取りやすい、動きは舞踏家だけに殺陣も堂に入ったもの。
☆☆☆
随分と薄暗い画面で、見ずらいと思った。
これは山田洋次監督のお考えで、江戸末期に室内が明るい筈がないから、
★★
ナレーションは清兵衛の長女・以登の晩年の声で、ラストに人力車に乗り、
岸惠子が現れる。
☆☆☆
映画は一騎討ちに勝って帰った清兵衛を朋江が家で待っていたシーンで
終わるが、岸惠子のナレーションで、
「清兵衛は世間から、出世もせずに運が悪いと言われましたが、
美しく賢いそして清兵衛の良さを知りぬいた朋江が嫁いでくれて、
3年間を夫婦として暮らし、戊辰戦争で亡くなった。
「私は父を誇りに思っています、父も不運などとは思ってない筈」
この時代に自我が強く、一風変わった武士・清兵衛は
誇り高く気高く生きた。
そう思います。
琥珀糖さん
観て頂き感無量でございます‼︎
それだけでとても嬉しいです‼︎
真田さんが素晴らしい演技をしていますが、宮沢さんも凄く美しく凛とした演技で見事でした
この美しく素晴らしい映画を沢山の方に知って欲しいですね‼︎
琥珀糖さん
講談師みたい!!すごーい
ますますファンです(笑)
大昔の投稿に共感ありがとうございました。
僕なんて、朋江さんの事しか見てなかったのでね。いま読み返して見ると、これがなんとも稚拙なレビューでしたが、実はこの「たそがれ清兵衛」へのレビューが僕にとっては生まれて初めての「SNSレビューのデビュー」だったのです。
加筆したり訂正したりすると投稿順が動いてしまうので、恥ずかしいけどそのままです。
藤沢周平と山田洋次のタッグならではの、この庶民の幸せの風景。岸恵子で格調高くしめる。
ホントいいですよねぇ。