「下級武士のささやかな幸せ。」たそがれ清兵衛 かつさんの映画レビュー(感想・評価)
下級武士のささやかな幸せ。
DVD&動画配信でーたのアクション映画特集で出ていた作品で、気になったので鑑賞しました。真田正之さんってアクション俳優 としてデビューしてたんですね。
ストーリーは大きく清兵衛という人間を描くパート、望まぬ討手の命令の受けるパート、決闘のパートに分かれていて、展開は複雑でなく、むしろシンプルで、かつ、時間をかけて登場人物たちの日常を映しているので、彼らの心情や、感情に深く入り込める作品だったのが非常に良かったです。下級武士の地味なありふれた日常がしっかり描写されてたのも、いいですね♪
にしても、なぜここまで、清兵衛に感情移入できるのか。個人的には、等身大(悪く言えば平凡)で今の私たちにも分かる幸せを望み、そのために努力をしているからかなと思いました。
母親が必要か?という問いに首をふる萱野と以登。父親冥利に尽きるじゃないですか。羨ましいぞ、清兵衛!また、この二人の娘さんが健気でかわいらしい!羨ましいぞ、清兵衛!!
お母さんのボケにからませて、ちょこっと笑わせてくれるのも微笑ましい演出でした。
そして、討手命令を受けるシーン。決断したのか、むしろ、諦めたのかという表現が正しいのか、清兵衛の決意の中に悲しみが混じった表情は、見事でした。グッと刺さりました。準備をするシーンで漂う哀愁感というか、悲壮感というか、この雰囲気も素晴らしかった。
最後の田中泯さんとの決闘シーン、個人的には今まで展開でかなり気持ちが盛り上がっていたので、逃げるとか、逃がすような展開とか、思ったほど殺陣シーンがインパクトがなかったとか、若干トーンダウンしたかな。まあ、実際の室内での刀の勝負ってあのような戦いなんでしょうね。。
いずれにせよ、それでも素晴らしい作品でした。バリバリのアクション映画として見るつもりでしたが、思わずヒューマン作品を堪能できました!