千年女優のレビュー・感想・評価
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どえらい作品に出会えた。幸せ。
Netflixのおすすめに出てきたので、最初見て面白そうだったら明日、続きを見ようかなと、軽い気持ちで視聴を開始したのだが、グイグイ引き込まれて最後まで見てしまった。ゔー、AM2:00を過ぎてしまった。次の日、早いのに。
引退後のプライベートは30年に渡り謎に包まれている大女優・藤原千代子。千代子のインタービューにこぎつけた映像制作会社の社長・立花源也は、千代子の熱狂的なファンらしい。千代子へのインタビューが始まると、千代子の回想シーンへと切り替わる。と思っていたら、立花とカメラマンの井田までもタイムスリップして登場するじゃないですか。これは、メタ構造なの?
見ている側への説明は一切なしに、どんどん進んでいく。回想シーンから千代子が出演した作品の世界に行ったかと思えば、現実の世界に戻って、千代子が熱演したりしている。舞台は、平安末期から未来までつなぎ目なく切り替わり、息つく暇もない。文字通り「鍵」が物語の主軸になっているから、頭は混乱するものの、なんとかついていける。
ふー、ようやく最後までたどり着いたかと思えば、千代子の独白に胸ズッキューン。どえらい作品を見てしまった。というか、『千年女優』を知らなかった自分が恥ずかしい。
「主人公・千代子の作り話として見ると腑に落ちる」という岡田斗司夫氏の解説を後で知った。なるほど、そういう見方もあるのか。
まだまだこれから
クライマックスの盛り上げる演出とかスゴい。
まだまだやりたい事がたくさんあったんだろうと思える
作品でした。
とても実験的で、
女優と言う職業を活かして、
映画へのリスペクトと日本の千年を描き、
映画と現実が見事に交差し、
難解なパズルみたいな発想をまとめ上げた今敏監督って
やっぱりスゴい方だったんだなと改めて思いました。
最終こそ、
なるほどこう言う演出か、
映画へのオマージュも散りばめられてて
面白い事考えるなぁくらいにしか思ってなかったけど、
ふたたびカギを手にして、北海道へ向かう道中の、
これまでの歴史と現在をミックスさせるクライマックスの演出は鳥肌が立ちました。
ラストの宇宙と現在の見せ方まで、
やりたい事をやって、観客に完璧!と思わせる
ものすごい力のある作品だと思います。
「その狂気にも似た無垢な愛」ホントそれ❗
レビュワーのCBさんとkossy さんにオススメされて、でもnetflix やamazonプライムに配信ないし観るの難しいな~、amazon で買うにもアニメの円盤って普通の映画に比べてやたら高いしな~、なんて思ってたら輸入盤blu-ray だと半額なのを発見。というわけでポチってしまいました。輸入盤って普通のプレイヤーで観れるのか心配でしたが無事観賞する事ができました。良かった良かった。
というわけで「千年女優」です。やー、兎にも角にも映像が表現が素晴らしい。現実と虚構の世界が時を越えてシームレスに行ったり来たり。特典のインタビュー観てたら外国人の記者から「何故実写で作らなかったのか?」と度々質問されたみたいなのですが、こんなん実写で出来るわけないやん❗アニメだからこそ出来る映像表現に目を奪われます。なんか今敏監督ってホントに映像作家って言葉がピッタリ当てはまる作品作りしてたんですね。
でも映像は綺麗だったのですが、観ててずっと千代子さんに共感できなくって。なんかこの人はいくつになっても恋に恋してる自分に酔ってるだけなのでは?っとけっこう冷めた目で観てた所で最後のセリフ
『だって、私、あの人を追いかけている私が好きなんだもの』
ってお前がそれ言うんか~い!Σ( ̄□ ̄;)と思わずツッコんでしまいました。
で、観終わった後に検索してみるとこの映画のキャッチコピーが「その狂気にも似た無垢な愛」という事を発見。「ああ、なるほど。監督は観客がどう思うかも全てわかった上で作ってたんだ」と、してやられた気分です。まさかその愛が自己愛だったとはねぇ。やー、上手い事作ってありますね。見事に手のひらで転がされた感じがあります。
でも、ずっと千代子さんに憧れを抱いていた源也くんは純粋な愛だと思います。
映像表現も物語の最後のひねりっぷりも本作が20年も前に作られていたってスゴい事ですよね。完璧に日本人向けの内容なのに不思議と海外でも評価が高いみたいですし。邦画はあまり観ないので語る事はできませんが、もしかすると日本人における映画作りの才能って現在はアニメに集中しちゃってるのかもしれませんね。
そういえば千代子さんの年齢毎にちゃんと違う声優さんを使っていたのはポイント高いです。宮崎駿監督も見習ってー‼️
やっと見れた〜
今までMAD見ても一体何の話なのか全く見当つかなかったのでわくわくした。
話が始まって、回想で登場人物が入り乱れ始めてから、へ~こんな感じで話を進めるんだ~とわりとすんなり話に入っていけた。シーンが突拍子もなく、現実と回想で台詞まで含めて混ぜ込まれるのに、混乱しない作りはすごい。
不思議で見てて面白い。
ラストは正直言うと好きだった。少し拍子抜けしたけど
立花は、千代子のひたむきに誰かを追いかける姿がきっと好きだったんじゃないかなと思ったから、その人生を本人が好きって言ってくれて良かったと感じた。
何かを追いかける人の姿って眩しいし、何を追いかけてるのか傍目から分からなくても魅力的。千代子が自分の人生を「嫌になった」って言わなくて良かったって思っちゃった。
千代子もきっと楽しかったと思う。
死んでも追いかけてそうだ。好きなことなんだから。
そう思うと千年女優っていう題名も、何だかずっと追いかけてる千代子を想像して好き。
主人公が女優で、役柄戦国時代のお姫様やら宇宙飛行士やらの姿で出てくるから、過去、現在、未来までほんとにずっと一人を追いかけてきたみたい。
本当は千代子の人生70年なんだけど、見てて面白い。
それでキャッチコピーは見た後知った。
「その愛は狂気にも似ている」ってあったから、あれそんな強烈なやつなのか!とびっくりした。
面白い作品だからこれ色んな解説とか考察本とか出てそう。見た後もわくわくするなんて見てよかった~。
千年女優
最初、千年間生き続けた女優の話かと思った。
実際は1人の女優が役を通じて千年の時を過ごしたという意味だった。小学生の頃会った男を想いつづけるパワーは凄いと思ったが、「実は既に死んでいる」という事実を何となく察しているのにも関わらずガラスに写る自分の顔を見て老いを感じ隠居する。
というのは何とも難しい感覚であるなと思った。
恐らく亡くなっているが自分の中で生き続けていて、自分の中で生きている彼に会う事を想像してという事なのか。
いつかきっと
テンポのある展開の切り替わり。過去の名画をサンプリングして詰め込んだのか、こちらの勉強不足でそれとは分からぬが、観る人によっては相乗効果が得られるのかな。
構成のわりには、難解さはなく、メッセージも明白で後をひかない。千代子に入れこむ要素が少ないのも難点。
なぜ千年「女優」なのか、ラストでわかります。
※2024.01.21. 二回目の鑑賞。【シネリーブル梅田】
①フランスの友人から一番好きな日本のアニメ映画として薦められた作品。楽しめました。②とてもcleverなplot. 戦前からのスター女優(「原節子」がモデル?)の一生と、彼女の一連の主演映画(オマージュが沢山あってモデルとなった映画を知っていれば尚更楽しい)と、戦国時代以降の日本史とが目まぐるしく交錯する筋立てにグイグイと引き込まれる。③随所にヒネリがある映画だが、最高のヒネリはラストのヒロインのドライな台詞。最後の最後まで初恋の想いを貫く女性の純愛ものと思わせながら(裏返せば実は立花の純愛ものである)、最後の最後で彼女が生涯を通して貫きたかったのは実は「女優」であることの自己愛(自己嫌悪と表裏)だったのがわかる或る意味映画の風景を180度変えるオチが心憎い。④そうそう、「14番目の月」ネタがありましたね。勿論、映画の主幹に関わっているテーマでもあるけど、今監督はユーミンのファンなのかな(私と同世代!だし)
壮大な90分、ぜひ体験して
噂の本作を、やっと劇場で観ることができた。ありがとう、キネカ大森。
見終わって、期待どおりの喜び。一人の大女優の一生が、たった90分の中にこの上なく高い密度で凝縮されている。その上、我々観客は、昭和という時代をも同時に駆け抜けるのだ。
さらに女優のもつ本性のようなものを感じられた気がする。どんな時代のどんな作風にもあわせて、そのどの場合でも、自分の魅力を振りまき続ける。唯一、年齢を重ねると、かっての自分の若さだけが恨めしい、というかうらやましい。
「千年女優」というこの本当にぴったりなタイトルを、あなたもぜひ映画館で、実感してほしい!
デジタル化必須でしょ。
2021/1/5 再度鑑賞。
昨年は、「パーフェクトブルー」 との併映、今年は 「東京ゴッドファーザーズ」 との併映だ。来年、「パプリカ」 との併映を観れば、自分的には、今敏監督を観る旅の、完成かな。
あらためて観ると、様々なことに気がついて楽しい。
まず、「SF版かぐや姫」 から始まっていたんだなあ。そしてエンディングもそれ。いい感じ。
制作年は2001年。そうか、21世紀は 「千年女優」 とともに始まったのか...
制作はもちろん "マッドハウス" だが、動画設計には "シャフト" の名が。動画サポートは、"DR MOVIE" という中国の会社。日本と中国のアニメ会社の密接な関係をみる。
"時の糸車" を回す老婆、というイメージは、自分の中のなにかにひっかかる。黒澤明 「蜘蛛巣城」 へのオマージュなのか。でも俺、その映画みていないしな。不思議だ。
明治 → 大正 → 終戦 → 昭和 と繰り広げられる主人公千代子が出演する映画のひとつひとつのシーンが、「ああ、そんなシーンを観たいなあ」 と心から思わされるシーンだってことが、とにかく凄い。ずうっと楽しめる!
そして、がれきに書かれた千代子の絵。映画という舞台の上で、千年を駆け抜ける、まさに千年女優! ドラマティックとは、この映画を言うのか!
あの人に、老いた姿を観られるのはいやだった...女優とは、追い求め、追い続ける者...
ああ、人生とはまさにこれだ。
今年も、心から堪能!!!!
【映像演出は素晴らしい!】
主人公が女性のせいだけでなく自分自身が恋愛ものにに好感持てないので、監督の才知が長過ぎてに感じてしまった(残念)ので減点1点ですが、公開された監督の作品の中でも演出の巧みさでは一番だと思いました。実写で取ったらいかばかりかというセンスの良いキレッキレッのショットが連続して圧倒されますよね。一貫して現実と夢や妄想(≒物語)の境界線をテーマにしているのがまぁ押井守的でというか押井守を超えてしまっていて、早逝されたのが本当に残念(誰もが思っている話で恐縮)。
或る女優のあまりにも劇的な人生
関東大震災と同時に生まれ、映画と供に生きたその老女は、その生涯を自分の映画に乗せて語り始めます。現実と幻想が入り交じる語りに 次第に引き込まれてゆく。
その老女、千年女優 千代子はさることながら 彼女に負けず劣らず、観客を魅了するのが 髭面の中年 立花社長です。
彼は 鍵の男について ある悲しい現実を知っていながら決して千代子には伝えません。 そこに彼の、ファンとして人としての信条が感じ取れるのです。
ラストまで
彼女の世界だった、ただそれだけのこと
蜘蛛巣城オマージュはセンス良かった
マクベス…
ラストの「追いかける私が好き」の
一言にはただただ拍手
よく分かってるなぁ女性を
人を愛する、というより恋をする
その人の背中を追いかける私がなによりも好き
女優というより女性の価値観
パプリカ→東京ゴッドファーザー→今作と
時代を遡って監督を追いかけたが
やっぱり生き生きしてて好みだった
千年間は彼女のものだった
会いに行っているのは一体誰なんだろうか
次から次へと目まぐるしくかわる万華鏡のような映画。
途中から、
「これ映画の撮影じゃなくて、本当に戦国時代~現代までずっと生まれ変わって(実際に。ガチで)ずーーっと、鍵の人を探してるんだよなぁ・・・」
と解釈しました。
たまたま現在が女優なだけで、
今までの千年の歴史を演じてるというだけ。
千年生まれ変わりながら、何故かその時代に鍵を預かった人が必ずいて、そのために生きて、何度も何度も生まれ変わる。
そして恐らく今度は宇宙の時代に生まれ変わって探しにいくのだろう。
見つからなくてもいい。
探し回れば探し回るほど、私は何度も生まれ変われるのだから・・・
↑長い。汗
そんな深いメッセージを後ーになって感じました。
超低温やけど系映画です
...
もしかしたら生まれ変わりたいがために「鍵の君」を理由にしているのかもしれませんね・・・
おもちゃ箱ひっくり返す
なんていう稚拙な喩えでは申し訳ないのだが、引き続き今敏監督作品を連観である。今作は打って変わって脳内冒険活劇ってイメージか。多分、大スター『原節子』をイメージした主人公の人生を演じてきた芝居とシンクロするように、めまぐるしい場面展開の末、主人公がその生涯を閉じるという粗筋だ。
場面展開の妙や、ストーリーの楽しさは理解出来るのだが、ではそれ程まで仰々しい必然性があるのかといえば、あまりそれを感じられない。多分、戦前戦後の日本の歴史を紐解きながら、役者、それ以前の『女性』というものの人権をバックボーンに、一つの恋を貫いた恋愛劇なのだろうが、実はあまりワクワク感が得られない。主人公がハシャギ回るほど客観してる自分が置いていかれてしまっている気分である。それは、それラストの台詞、『だって、私、あの人を追いかけている私が好きなんだもの』の一言に尽きるのではないだろうか。結局、自分の人生は自分のモノであり、他人が介入できる余地はないのだから。
そんな訳で、暫く、今監督作品は休みにしよう。
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