千年女優のレビュー・感想・評価
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平沢進を知った映画
初見は確か20年くらい前にDVDで観て、ラストの追いかけてる自分?私?が好きなの、のとこからのLotus2の曲の印象がずっと残っていて、多分、これで平沢進を知ったと思う。その頃はすごい曲だなぁ、でも何か怖いなくらいに思っていたけど、今は平沢進の曲ばかり聴いてるせいか、BGMが流れるたびにぞわぞわした。会社もLotusで、睡蓮って意味ですと曲寄りの感じがした。
あの頃観た時は死別の感じを知らなかったけど、ラストで千代子さんが亡くなる際、あぁ鍵が戻って良かった、と思った。
空想と現実とが入り乱れて、唯一無二の作品で、改めて観ても面白かった。あのあやかしのお婆さんは、どういう事だったんだろう、とは思った。
過去と現在、映画と現実を自在に行き来し、アニメならではの自在な表現で描かれる、名女優の大恋愛の年代記
今 敏監督作品 リバイバル上映企画 第2弾!
23年の時を越えて銀幕に甦る!
映像製作会社社長・立花源也は、かつて一世を風靡した大女優・藤原千代子の半生を振り返るドキュメンタリー制作を依頼された。
千代子の大ファンだった立花は若いカメラマンとともに、30年前、人気絶頂の中で姿を消したままだった千代子の屋敷へ向かった。
ドキュメンタリー撮影で再現される、千代子の過去の出来事を、社長とカメラマンが追体験していき、時代と場所を自由に行き来する展開、撮影した映画のシーンと過去の現実に起きた場面が錯綜する構成が面白く、その映像もアニメならではの表現といえます。
映画作品は遂にSFとなるのも面白い。
名女優の大恋愛の年代記をアニメ映画で作ったのが凄い。
最後の千代子の言葉が印象的です!
初めて見る形の映画でした。
最初は年老いた有名女優のところへ零細映像制作会社のおっさん社長(と若い助手)がインタビューに行き、これまでの人生を回想してもらうという流れでした。そのまま回想に入り、その中で彼女の人生を追っていく作品・・・と思いました。
しかし、途中から様子が違います。彼女の回想ではなく、映画の作品で彼女が演じたシーンなのです。戦国時代、京の都、その中で映画・現実のスタジオ・映画・現実世界・映画・現実世界と行ったり来たりを繰り返して、途中から「この体験は映画で得たものなのか、彼女の妄想なのか」といよいよわからなくなってきます。
ストーリーとしては「鍵の君」を追いかける女性という感じですが、「鍵の君」の顔がどうにもはっきりしない。ぼんやりとした感じ。なので彼女の思い出も鮮明じゃない。彼が映るところだけぼんやりと暗いです。
途中の地震も気になりました。平成初期の作品なので、阪神淡路からそう時間が経っていないかと思いますが、地震が起きることは何を意味するのか・・・夢や映像に行ってしまう意識を現実に引き戻しているのかなあと書いていて思いました。
好き勝手書いてすみませんでした。今敏監督の作品、面白かったです。
やっぱり飛躍しないね
実写映画で観てみたいなー。
アニメに詳しくないので、2001年の上映時は、全く存じ上げなくて、
今回、平沢進さんが音楽というところが気になって足を運びました。
老齢となった昭和の大女優・藤原千代の語りからの、
現実と主演映画のエピソードが混ざり合ってひとつになって、
どっち?どっち??って思っているうちに、がっつりと引き込まれ、
なんだかフワフワした気分で、心地良かったんですよね…。
それで、すごく感動した!という感じでもなく、
でも、心に残っていて、とても不思議な作品。
儚そうで芯の強い千代子も魅力的だし、
真っ直ぐな立花さんが、良いスパイスで、笑かしてくれるし、
感動もさせてくれて、とてもチャーミングで好きです。
これ、実写版で観たみたい!
無知な自分は,限定上映する意味を知る為に…。
作品の評価が高い事&何故(ナゼ)リバイバル上映してる意味を知る為に、鑑賞してみた。
過去の作品からのファンの方がかなりに大絶賛されてる人をやたらと見受けていたが、
未熟である私的には彼女の自画像を描かれているモノが見付かった場面には、おぉッと!此処(ココ)で恋に発展した意味を感じ取れたのは分かったが…。
設定は面白いと思えた。 取材者である映像制作会社に社長の立花が過去の彼女の大ファンであり,アニメーションでしか現せないその場面に合ったキャラクターで,扮装(フンソウ)して出る面白さはアニメならではの楽しみ方を感じれる事は伝わった気はしたが…。
※無能な私的には未だに本当の面白さを感じ取れる事が出来なかったなぁ〜ʕʘ‿ʘʔ。
薄っぺらい
恋愛を描いているようで、謎の男とは一晩かくまっただけの関係で、ひとめぼれみたいなものだ。鍵も結局なんの鍵か不明なままの空手形だ。千代子が走ったり突き飛ばされたりする場面が時代や場所、状況を変えて繰り返される。名作映画のオマージュがこれでもかというほどがんがんあって、その走ったり突き飛ばされたりの連続をやりたくて、物語や登場人物を後付けしているのではないだろうか。絵面が先にあって、それをドラマとして成立させるための恋愛や執着、人生、人物なので空疎なのだろう。
退屈はしないし、画面は見事だ。
恋をする乙女。 ただ男に貢ぐでは手に入らない華のようなものが恐ろし...
無限の可能性
満月の表現が面白い
不思議でちょっと惜しい!
「考えるな感じろ」系映画だろうか?
ずっと目が離せない映画の映画。というか まさに女優の映画。捜し物系映画であり、お届け物映画であり、恋に恋するコケる乙女の純愛物語でもある。年老いた元女優が信憑性が無い過去を語る物語なのに『タイタニック』とは違う印象のアニメ。
今敏監督の劇場アニメの
『PERFECT BLUE』(1997年)
『千年女優』(2001年)
『東京ゴッドファーザーズ』(2003年)
『パプリカ』(2006年)の
たった4本の中の1つで、もう他に見れないのはとても残念。
何でこのタイミング(2024年)で今作が映画館でリバイバルされるのか分からないが、スクリーンで観る大チャンス。なのに鑑賞した上映スクリーン(約80席)では自分1人だけで貸し切り状態だった。
円環
以前配信で観ていましたが、リバイバル上映を機に改めて劇場にて。
万華鏡のように場面がくるくる替わり、話を聞いているインタビュアーの2人が目撃しているのが千代子の記憶なのか、出演した映画作品の中なのかわからない虚実が混沌とした世界。
この手法は、「描かれたものが現実感を持ち、魂が吹き込まれる」アニメーションならではの描写(イリュージョン)だなと。
このようなビジュアルはアート性を高く有し、構成もまた観る側が想像力を駆使しなければならず、海外で先行して評価されたのもわかる。
顔のアップに全部セリフで説明する作品に慣れたアニメファンが多い日本で、最初は評価されず、評判になったのは海外の評からの逆輸入的だったのもわかる。
また、老婆の回す糸車のように、因果はくるくる回って円環をなし、追いかける姿が無限に感じるくらい繰り返される。
その円環をうまく繋げるように、効果音も音楽も計算されつくしたように回っていました(故に、映画館のスクリーン&スピーカー環境で観た甲斐はあったと思いました)。
その果てにたどり着く真理が、最後に千代子の口からセリフとなる。
過去に読んだ様々なレビューに「最後のセリフでずっこける」みたいな評が多かったのですが、(知っていたこと以上に)観直してむしろすとんと腑に落ちました。
純愛に見せておきながら、実はかなり早い段階で本人がそれに気づいていた節がある描写だったように思えたからです。
常に、何かを(誰かを)追いかけている自分自身を好きであり続ける、永遠の子どもな部分(少女性)。
それはまた、千代子を追い続けていた立花の青年の日の恋心とも重なって、円環を成す。
過去の様々な邦画へのリスペクト満載なオマージュも、映画というものの円環でもあったような。
上手い演出・構成だなと、改めてしみじみ。
今更に、今 敏監督が若くして亡くなったことが惜しまれました。
「大人の」アニメとしては十分楽しめる
今年36本目(合計1,128本目/今月(2024年1月度)36本目)。
アニメ作品についてはあまり書かないほうなのですが、見てよかったので。
このアニメ作品はかなり前のもので、何かのキャンペーンかで2週間?限定で放映されているようです(1日6放映とか普通にある)。
アニメ作品なのでお子さんがみても…「形式的に」楽しむことはできますが、この「アニメ」タッチの作品の真のターゲットはやはり大人なのではないのかな、と思います。
「史実として」みたとき、作内で描かれる明治・大正・昭和時代の描写がどの程度正しいのかはわかりませんでしたが、少なくとも変な描写にはなっていないので、この点は少なくともどこかのチェックは受けられたのだろうと思います。
古い作品がこのようにリバイバル上映として流れるのはとても良いことだし、それは「良い作品は何度でも流されてみるチャンスがある」ということでもあり、またそのような機会が実際に存在するのがこの例であり、多くの方に(趣旨的に、日本に適法に在住している外国人の方も。日本語学習で、明治や大正時代のことはならないと思うので)見て欲しいなといったところです。
ただ、過去作品だけあっていわゆる「グッズもの」がなかった(私がいった映画館がそうだったのかな?)のが残念でした。
特に採点上気になる点までないので、フルスコアにしています。
恋もキャリアも突っ走れ!
パーフェクトブルーに続き話題の今敏監督作品
現実と回想、更に時間軸がごちゃまぜになる不思議な感じは似ていると感じた 絶望🔁希望は大女優の波乱万丈な人生を、出演作品に人生オーバーラップする様も面白い描き方 一目惚れのシーン、何かと地震が起こるのはすずめの戸締りもこの作品を踏襲か?と思ってしまった 最後の意外なセリフも人生ってそういうものかな?と妙に納得した
すごいアニメーション映画だ…。
気になってた作品だったので期間限定のリバイバル上映を機にありがたく鑑賞。結果、劇場で観て正解だった…。
女優であり、一人の男性をひたむきに追い続けた女性、千代子さんの実際の思い出、彼女の出演作のストーリーや演出、そしてインタビューを受けている現実が行ったり来たりしながら混ざり合って進んでいくストーリーと制作者のイマジネーション。圧巻だった…。
宇宙のロケット発射のシーンから始まって、どう話が進むのかと思っていたら終盤に見事にそこを回収し繋げてくる。1本のアニメーション映画作品として本当に素晴らしい。
作中での千代子さんのインタビュアーであり、彼女の過去を知るファンでもある立花とその助手が、彼女の思い出と現在を繋ぐ構図がまたうまいんだよな…。
ともすれば過去に入り込みすぎる千代子さんと立花を、立花の助手がツッコミを入れたりすることで現在のバランスが取れるようになってる構図もうまいなーと驚く。
構成と表現の巧みさに素人ながら感動してしまった。
今敏監督作品は「パプリカ」も観てる人間なんだけど、現実と非現実の境目を消してくるアニメーション表現が本当に上手い方なんだなあと改めて思った。
そして本作はやはり千代子さんという格となる人物がとても素敵だった。
女優としてのシーンもあるために平安から現代までの様々なファッションで登場する彼女は、いつでも脇目も降らずに「鍵の君」を追いかけていて、その目は彼を捉えるために前を向いている。
彼女の澄んだまっすぐな瞳が最後まで印象的だった。
また、あの人を追いかけて
リバイバルにて、何気に今敏作品は初鑑賞。
20年以上前のものとは思えないくらい、非常に面白かった。
どこが現実でどこが映画だとか、回想での源也たちの立ち位置だとかは考えない。
もしかしたら正解があるのかもしれないが、雰囲気に身を任せる方が楽しめると思う。
カットの繋ぎが抜群に上手いので、場面の切り替えさえ面白く観られた。
単純に言ってしまえば、一人の女性の執着とも取れる一途な悲恋のお話なのだが…
特殊な構造と演出によって、いま観ても新しいものになっている。
「明日に希望のある十四夜の月が一番好き」という台詞が、千代子の人生を肯定してくれるのも素晴らしい。
(「あの人を追いかけている私が好き」と台詞にしてしまったのは少し残念)
最後まで鍵の君の顔が描かれないのも、老いた千代子目線での意味のある演出。
ところどころ声とのズレはあったけど、口元が目茶苦茶よく動いていたのも印象的でした。
個人的には千代子のキャラデザと衣装がとても好み。
特に女学生時代の、ロングコートの裾から更に10cmくらい長いスカートが揺れる様はぶっ刺さります。
(世の女性がた、是非冬はあの格好をして下さい)
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