「明快かつ難解、万華鏡の様な作品」千年女優 オキアさんの映画レビュー(感想・評価)
明快かつ難解、万華鏡の様な作品
発想が凄い。初見でこの映画の表現を理解出来る人は少ないだろう。
この映画は元女優の主人公による自らの半生の語りがメインなのだがその内容は老年の為に演じた内容とその時の自分の記憶が入り乱れて混沌とした内容となっている。過去の語り=実際にあった過去の話を表現する方法と考えやすいがこの映画は老年の混濁した記憶を混濁した内容のままに映像化しているのだ。
自分の記憶と役の記憶、曖昧だからこそ生まれる画の美しさは幻想と現実を同じ次元で描けるアニメの特権であり、実写では不可能な手法な独特の世界観を生み出している。
ラストのセリフが衝撃だと言う人も多いが、彼女の生き様を共感して観ることが出来れば自然に感じられるだろう。
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