「薄っぺらい」千年女優 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
薄っぺらい
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恋愛を描いているようで、謎の男とは一晩かくまっただけの関係で、ひとめぼれみたいなものだ。鍵も結局なんの鍵か不明なままの空手形だ。千代子が走ったり突き飛ばされたりする場面が時代や場所、状況を変えて繰り返される。名作映画のオマージュがこれでもかというほどがんがんあって、その走ったり突き飛ばされたりの連続をやりたくて、物語や登場人物を後付けしているのではないだろうか。絵面が先にあって、それをドラマとして成立させるための恋愛や執着、人生、人物なので空疎なのだろう。
退屈はしないし、画面は見事だ。
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