「呪縛の言葉"必ず逢いに行くって…"オム・ファタール運命の男」千年女優 コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)
呪縛の言葉"必ず逢いに行くって…"オム・ファタール運命の男
内容は、名女優に純粋に憧れる映画監督が、女優の引退の30年後再度元女優宅を訪れ元女優の人生の訪れと幕引きを主観と客観目線で描いた作品。好きな言葉は『明日きっと教えて下さいね!』運命の人に気付き鍵の🗝使い方を教えてくれる様に約束を取り付ける場面。ひたむきな少女としての純粋さと共に狡猾で狡さも感じる言葉が印象に残りました。この『いつか』とは心の中だけに存在し現実には訪れる事のない時間とジャン・ルノワールが言う様に呪われた縛りが生む言葉の一つなのかもしれません。好みのシーンでは、自分の未来の姿にも見える糸車を回す老婆の姿が分かりやすくて味がある表現だなと感心しました。『愛しくも憎い』この台詞の絶妙さが好きです。結果的に、"純粋(ロータス)"であり続けたかった名女優の願望は叶えられず、終始純粋な映画監督だからこそ人生の全てを話す気持ちになったのかもなぁと感じると切なくて苦しくて面白いと感じました。映像的な作画も伏線も素晴らしくアップやバックしながら被写体を回り撮影アングルで作画する所は20年前の作品とは思えない程素晴らしかったです。馬は🐎イマイチでしたが、女優の1人語りを映像として見せる所や時折会話の中に映画監督や助手が絡んでくる撮り方は会話の映像化の巧みさを感じ、こんな表現の方法があるんだと感心しました。最後は台詞を全て表現する所が観客をより広げ惹きつけたんだろうと感じました。テーマは『女優も一人の人間です』って感じが伝えたかったのかなと自分ながらに思います。時折見せる主人公の寂しい目に演技と現実の差異がなくなり、夢か現実かの区別のない恐ろしさが描かれていた様に思える。認識論を題材にした面白い作品でした。
いつもコメントありがとうございます。昔の人は上手い言葉を使いますね。自分も感心します。何歳になっても新たな思考の断片に触れ驚かされるばかりです。中々実践では活かされませんが…😅