NN-八九一一零二
劇場公開日:2001年8月4日
解説
原爆の爆音に魅せられた男の数奇な運命を辿るドラマ。監督は、関西のインディーズ界で活躍する柴田剛。脚本は、森田哲徳、市川恵太、斉藤洋平、宮原啓輔、柴田監督の共同。撮影監督に石塚洋史があたっている。主演は長谷川隆也。16ミリ。1999年6月7日より大阪・第七藝術劇場にて先行上映。
1999年製作/74分/日本
原題または英題:NN-891102
配給:DMT
劇場公開日:2001年8月4日
ストーリー
1945年8月9日11時02分。防空壕の中で、偶然、原爆の爆音を父親の録音再生装置(オープンリール)で録音した5歳の零一は、しかしそこに記録されていたのが人々の断末魔の声ばかりだったことに落胆。以来、もう一度爆音を体感すべく、完璧な爆音の録音と再生に心血を注ぎ始める。ところが、彼の行為と妄想は次第にエスカレート。高校生の頃には、自らの肉体に爆薬を仕掛け爆破するにまでなってしまう。68年、大学に進学した零一は“あらゆる状況下での事故の心音を聞く”という装置を開発する。そして、その研究発表が認められた彼は、中央研究所で音響科学の研究に携わった後、環境庁で騒音調査に従事。しかし、彼の音に対する純粋な気持ちは、社会の中で利用され歪められてしまう。結果、彼は音への興味を無くし、私生活も破綻していく。2000年8月9日11時02分。60歳になった零一は、遂に残っていた妄想と共にキノコ雲に姿を変える。