ギターを持った渡り鳥のレビュー・感想・評価
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さらば函館の街よ
渡り鳥シリーズ第1作。
Amazon Prime Videoで鑑賞。
日活アクション、初めて観ました。西部劇のような雰囲気のあるギャング物で、小林旭のカッコ良さが炸裂し、浅丘ルリ子の美しさが物語を彩り、宍戸錠の男気に浸る77分でした。
小林旭、宍戸錠、金子信雄がひとつの画面に収まっていると後の「仁義なき戦い」を連想させられ、楽しい限り。
この3人の戦いを軸に、旅烏・滝の意外な正体やある人物との因縁が絡み、加速していく物語は見応え充分でした。
ほぼ勧善懲悪なのに悪の滅ぶ痛快さが無いのが物足りなかったものの、ラストの別れの切なさで盛り返していた。
ああ、懐かしい昭和
小林旭、かっこいいねえ。革ジャンにTシャツ、細めのベージュコーディロイをダブルにしてローファー、ジェームズ・ディーンの影響もあるかな? 浅丘ルリ子は若くてちょっとふっくら。
函館に無国籍風のナイトクラブ、ほんとかい? 学生時代に初めて訪れた、函館山からの景色はあまり変わっていないし市内電車も走っていた。 函館駅から埠頭へ、青函連絡船が懐かしいというと、と年がばれるか? ただ、馬車に乗って舗装していない道のオープニングは時代だね。
それにしても荒波の船上でギターを弾いて歌う、ってのもすごい。これは感動もの。そんなこんなで、映画はハチャメチャだけど、斎藤武市監督の生きの良い作品でした。そんなに古い感じがしないのが不思議。
函館✖︎小林旭
北海道。
函館。
金子信雄✖︎浅丘ルリ子✖︎宍戸錠✖︎小林旭
齋藤武市監督 1959日活
渡り鳥シリーズ第一作
戦後、14年。小林旭が若く、初々しい。
金子信雄も若い。
独特のコミカルなセンス。
函館二日目の朝、港の海の上で漂流しているボートの中で寝ていた滝が海にドボンしたあと着替えながらの会話で、
「野宿?お金がないの?」「ハッキリ言うなよ」
「じゃあ何て言おうかな、失業者?」「ああ、ピッタリだ」
ヤクザの娘なのでパンツ一丁でも平気なのだが、
この時代のギャグのセンスは、なんかハマる。
コメディ映画のようだが、アクションシーンも、わりとちゃんとやっていて、麻薬の受け渡しや、拳銃での撃ち合いなどもあり、50年代を懐かしむのに最適だ。
やくざ、博打、飲み屋、キャバレー、ギター弾き
これぞ、味噌汁ウエスタンの傑作!
小林旭が、鳥になって羽ばたいた名作。音楽良し。カメラワーク良し。景色良し。函館へ行けた気分にさせる名作。オープニングの間抜けさと、エンディングの青函連絡船のバックに流れた、主題歌。ギターを持った渡り鳥。このメロディラインとのマッチングがたまらない。美味しいスープに程良く麺が馴染んだ駅前の夜鳴き蕎麦の素朴さにも似て、何万回見ても飽きない傑作である。この映画の良さが解らない人が小林旭を、語っても仲良くはできない。児井英生プロデューサーの企画勝ちと齋藤武市監督のカット割りも冴えた日活喜劇の金字塔である。
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