「増山江威子さんを偲んで ふーじこちゃ〜ん」ルパン三世 ルパンVS複製人間(クローン) 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0増山江威子さんを偲んで ふーじこちゃ〜ん

2024年6月7日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

怖い

知的

監督と脚本は『SF新世紀 レンズマン』の吉川惣司
アニメーション映画としては唯一の監督作品
脚本は他に『不連続殺人事件』『浮浪雲』『カポネ大いに泣く』『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』『時空の旅人』の大和屋竺

増山江威子の代名詞的キャラクター峰不二子
だが彼女のキャリアからすれば異色のキャラかもしれない

劇場版第1作
本来の作品タイトルは『ルパン三世』
他の作品と区別をつけるためVHS化する際にキャッチピーの一つだったものを副題として付けられた
例えば「神と名乗る男マモー」の方が良かったかな

キャラクターデザインは担当者によって作品ごとにだいぶ雰囲気が変わってしまうが次元大介だけは比較的安定感がある
峰不二子が1番ブレが多い気がするがこれは担当者の女性の好みの違いだろう

裏切りは女のアクセサリーは峰不二子の代名詞
今回はその真骨頂
クラリスのせいでというか宮崎駿がロリコン?のためか『カリオストロの城』ではわりと地味だったけど

敵のボスはマモー
小柄に紫のスーツに蝶ネクタイ
『アキラ』のキヨコのような顔色の悪さ
昔の作曲家のような巻き毛の白髪
西村晃が好演
『水戸黄門』の代名詞的存在だが本来は知性が高い悪役が似合う俳優
大和屋竺脚本作品では『マタギ』にも主演

檻から脱出するとデ・キリコの『通りの神秘と憂愁』
絵画の世界
ナポレオンにヒットラー
ルパンも思わず「ハイル ヒットラー!」
北原白秋作詞『独逸青少年歓迎の歌』と同様にやばすぎる

当時コロンビアの田舎町に日本料理店があるのは驚き

東京ムービー社長のゴリ押しで三波春夫赤塚不二夫梶原一騎が出演
監督は降板を示唆したが思い留まったようだ
三波は『ルパン音頭』繋がり
赤塚は『天才バカボン』アニメが東京ムービー
梶原は『巨人の星』アニメが東京ムービー
歌手の三波は俳優のイメージが全くないが元々浪曲師なので声当ても思いのほかうまかった
赤塚梶原は全くの素人で場違いもいいところ

1978年公開作品
今では金曜ロードショーで放送は無理だろう
峰不二子の全裸然り次元の五右衛門に対する「キチ◯イ」発言然りルパンの脳内も
不幸な時代だ

やはりラストの巨大な脳はかなりインパクトがある

声の配役
ルパン三世に山田康雄
峰不二子に増山江威子
次元大介に小林清志
石川五右ェ門に井上真樹夫
銭形警部に納谷悟朗
ハワードことマモーに西村晃
アメリカ合衆国大統領特別補佐官のスタッキーに大平透
スタッキーの部下のゴードンに柴田秀勝
マモーの部下のフリンチに飯塚昭三
警視総監に富田耕生
マモーの部下の科学者に村越伊知郎
エジプト警察署長に三波春夫
アメリカ合衆国大統領に赤塚不二夫
ソビエト連邦共産党書記長に梶原一騎

野川新栄