ラブ・レター(1998)

劇場公開日:

解説

偽装結婚したチンピラと中国人女性の心の交流を描いた恋愛ドラマ。監督は「美味しんぼ」の森崎東。第117回直木賞を受賞した浅田次郎の「鉄道員」に収録された同名短編を「愛の黙示録」の中島丈博と監督が共同脚色。撮影を「北京原人 Who are you?」の浜田毅が担当している。主演は「Morocco 横浜愚連隊物語」の中井貴一。

1998年製作/108分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1998年5月23日

ストーリー

佐竹興業が経営する裏ビデオ屋の店長を任されているチンピラの吾郎は、ある日、佐竹から偽装結婚の話を持ちかけられる。さして断る理由もない彼は、80万の謝礼と「人助けになる」というプロモーター・穴吹の言葉に、戸籍を貸すことにした。偽装結婚の相手は、中国人女性の白蘭(ぱいらん)。彼女は日本の国籍を得て働いたお金で、中国に暮らす家族を養おうとしていた。そんな白蘭に吾郎が会ったのは、入管審査の時だけ。ところがそれから暫く後、あらぬ容疑をかけられて留置所で臭い飯を食わされていた吾郎に、忘れかけていた白蘭の死亡の知らせが届く。一度しか会っていない女房の遺体を、どうして自分が引き取りに行かなければならないのか。憤慨しながらも、舎弟のサトシと白蘭の遺体が収容されている千葉の千倉へと赴く吾郎。千倉へ着いた彼は白蘭の遺体を荼毘に付すと、白蘭が働いていたスナックへ寄り道をする。そこで吾郎は、白蘭の遺品の中から彼に宛てられた一通の手紙を見つけるのだった。そこにはたどたどしい日本語で、自らの不幸な人生を嘆くことなく、吾郎に対する礼と吾郎の墓に入れて欲しいという願いだけが綴られていた。それを読んだ吾郎は、遠い異国の地でひとり淋しく死んでいった白蘭の気持ちを痛感する。そして、彼女の入った骨壷を携えると、彼女を自分の家の墓へ埋葬する為、故郷である北海道へと向かうのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.0ネタバレレビューです。忘れ去られてますが 私的に 人生で一番泣いた作品❗️ あくまでメモ。

2024年6月15日
iPhoneアプリから投稿

泣ける

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満塁本塁打

2.0弱者からタカる平成日本。吾郎の涙だけが僅かばかりの救い。

2024年5月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

単純

『壬生義士伝』、『鉄道員(ぽっぽや)』でも知られる浅田次郎の短編小説(1996年発表)が原作。

1998年、松竹。
『鉄道員(ぽっぽや)』の映画化権を東映に取られた松竹がサクッと製作して、「浅田次郎作品、初の映画化!」という称号をとって一人悦に入ってたらしい(笑)。

バブル崩壊後ではあるが、
まだ日本は自他ともに認める経済大国だった。

就学ビザで来日し、そのまま日本に居着いて、
夜の商売をして母国に仕送りを続ける外国人女性がたくさんいた時代だ。

昨今の円安で、日本の女性が海外で稼ぐようになった令和とは真逆だ。

高野吾郎(中井貴一)は、バツイチのチンピラ。
裏ビデオの販売など、いわば雑用係をして糊口をしのいでいる。高校生になった娘と会うのが唯一の楽しみだ。

ある日、社長(根津甚八)に頼まれ、中国人女性・康白蘭と偽装結婚する。それだけで80万円くれるという。
白蘭(パイラン)とは、入管で職員面接がおこなわれる直前に初めて会い、面接が終わるとそのまま別々に暮らす。

白蘭は、「日本人の妻」という身分を手に入れるために吾郎が手にした80万円を含めて300万円ほどブローカーから前借りしたという。
それを返済するために、ブローカーが手配した夜の仕事に就く。

それからしばらくして、白蘭は過労がたたり病死する。

吾郎は遺体の引き取りを要請され、渋々、千葉の田舎町に向うのだが…

◆不法滞在を合法にするための偽装結婚
◆偽装結婚のための多額な前借り
◆それを返済するための管理売春
◆逃亡を防ぐため拉致監禁同様の日常…

社会の繁栄には、必ず「影」がある。

個人的に胸が痛むのは、
吾郎が手にしたカネを
・ノミ行為で散財
・ショーパブでドンペリ
・イミテーションリングを20万円で購入
すべて、広義の同業者に回収されていくサマだ。

裏社会の恐ろしさをさりげなく描いている。

日本をキライになりそうだったが、
白蘭の手紙に涙する吾郎の姿が、わずかばかりの救いになっている。

国会議員になった山本太郎のほか、
大地康雄、倍賞美津子、柄本明、名古屋章、佐藤B作、大杉漣、平田満、洞口依子、笹野高史など実力派が多数出演。

ストーリー展開は素敵なのだが、
山本太郎のクセが強すぎるのと、後半の間延びが辛いので、☆2.0

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Haihai
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