ラヂオの時間のレビュー・感想・評価
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そのアイデアに感服です。
深夜生放送するラジオドラマを巡って、一人の女優の我儘から派生するドタバタを描くコメディ。
鬼才三谷幸喜の長編映画初監督作品です。
初めて鑑賞した際には、その展開にぶっ飛びました。一人の女優の我儘から脚本が変わり、他の出演者の反発、製作や原作の拘り等が連鎖的にトラブルが起きます。その展開は私の想像を遥かに超えたもので、心地よい驚きの連続でした。
テンポも良く、演劇出身の監督らしい少し大げさな演技が、映画全体の面白さを高めています。
TV鑑賞が多いこともありコメディ映画は苦手なのですが、この映画はTV前で笑わせて頂きました。
「死ぬ前に見る映画を1つ選べ」と言われたらこれを選ぶかもしれないくらい楽しい映画。
ネタバレになるので書かないけど、この映画は
ラストの千本ノッコの「〇〇〇〇〇〇〇」という、たった7文字のセリフに全て集約されてると思う。
プロとしてのプライドと、死んでも〇〇なんてしてやるか!という意地の両方をうまく組み合わせたセリフ。
いつの間にかみんなが期待していた結末。
でもその結末を決めるのは、その結末を期待していない彼女。
だけど「自分はこれをやって生きている」というプライドもある。
彼女は何て言うのか?
皆が見ている中、彼女が言った7文字のセリフ。
これぞ「大人の世界の大団円」という感じ。
大団円というと皆が幸せになるというイメージがあるけど、このラヂオの時間のラストのストーリーの展開は、少なくとも彼女が望んだものではない。
だからこのラストを迎えて、彼女はどちらかというとあんまり幸せじゃないのかもしれない。
でも、それでも、それが彼女の為になって、きっと彼女の中で何かが変わるという心地よい余韻みたいなものがある。
大人になったら色々我慢しなきゃいけない事があるよね、仕事の為には、あんまり良くない事もしなきゃいけない時もあるよね。小さい仕事なんだから、適当にこなせばいいじゃん。
疲れてるんだよ。
大人ってそういうもんだからさ。
って、そんな訳あるかーーーーーい!!!
ハッピーエンドを望んで何が悪いんじゃ!!
作品に愛を持って生きていこうじゃないかぁ!!
と、最後の最後にぶちかましてくれる作品。
私の感想は映画を見ていない人にはちんぷんかんぷんだけど、見た人には絶対に分かると思う。
ので、ぜひ見てください!
面白くなかった
誰もが欠かせない役者
三谷幸喜映画監督デビュー作
これぞ"喜劇"!
唐沢が勝手にやり出してからドライブがかかった
・主婦の新人脚本家のラジオドラマの生本番、往年の女優千本のっこがわがままを言い出してから話が二転三転、つじつまを合わせるため演者ディレクターが奔走する
・長回しワンカットの演出が舞台感を引き立たせ、すべてがラジオ局内で起こる限定した空間設定が優れてた
・唯一リスナーとしてトラックの運ちゃんの渡辺謙と守衛で元音効さんのおひょいさんが良いスパイス
・分かりやすすぎる音楽や話の整合性やリアリティなどを気にしなければ、役者全てに見所が用意されていて単純に盛り上がった
・映画としたら「マジックアワー」「清洲会議」よりは、これや「12人の優しい日本人」のような狭い密室ものの方が好み
三谷監督かわってないね
三谷幸喜の監督デビュー作。
ラジオ番組を舞台にしたシチュエーションコメディ。密室的な感じと役者がずらりと出てくるの昔から変わらないですね。(時間が経ってキャストを見る楽しさが増加してる)
展開とかハプニングにリアリティはないので筋書きを楽しむ映画かな。その辺も好みがはっきり別れる作風でしょう。自分には“まずまず”といったとこでした。
本日のラジオ・ドラマは、一大スペクタクル・メロドラマ『運命の女』です
思い出しレビュー4本目。
『ラヂオの時間』
平凡な主婦が書いたメロドラマの脚本が生放送のラジオ・ドラマに採用される事に。が、キャストのワガママで設定がどんどん変更され、メロドラマがSFスペクタクルに…!? 果たして、ラジオ・ドラマ『運命の女』は最後まで放送されるのか…?
三谷幸喜の舞台劇を、自ら監督・脚色した劇場デビュー作。
やっぱりこれは面白い! いつ見ても面白いんじゃないかな。
この時映画監督としては新人だが、舞台での経験は何度もあるので、熟練された職人のよう。
勿論、笑いに関してはプロ。
今や映画監督としてもヒットメーカーになり、ベテランの風格さえ漂わせてきたというのに、いつぞやのSFコメディ映画は…。
元々舞台劇なのでワン・シチュエーション。
それでいて、ノンストップ、最後までどうなるか分からない!
事の発端は、一人のキャストのワガママ。それで他のキャストもワガママ言うようになっちゃって…。
熱海を舞台にした主婦と漁師のメロドラマ。それが、
舞台はシカゴとなり、登場人物もアメリカ人の女弁護士とパイロットに…!
それでも放送しながら何とか辻褄合わせていたが、展開上の問題が次から次に…。
一体、どういう結末になるのー??
プロフェッショナルなディレクター、自分の脚本がどんどん変更されオロオロする主婦、イエスマンのプロデューサー。
一癖も二癖もあるキャスト。
演じた役柄も演者も、愉快愉快。
ドラマの窮地を救ったのは…、まあ言うまでもない。
藤村俊二演じる守衛さんが、実はまさかの伝説の○○さん。
こういう小ネタも利いていて、本作は単なるドタバタ・コメディじゃなく、大いなるスタッフ讃歌なのかもしれない。
何とか放送を無事終えた世紀のメロドラマ・スペクタクル『運命の女』。
こんなの誰も聞いてねーよと思ったら、感動して駆け込んできたトラックの運ちゃんが、今や世界のアノ人。
ここら辺、今見ると笑える。
別に三谷は初期の頃の作品の方が面白かったとまでは言わない。
たまたまあのSFコメディがコケただけだ。
きっとまた、観客を笑わせてくれる作品を作ってくれるだろう。
そしてまたこういう、優れた良質のコメディが見たい。
作品に勢いを感じる映画デビュー作
●イライラするけど悪くない
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