落陽(1992)

劇場公開日:1992年9月15日

解説

満州事変直前から終戦までの中国大陸を舞台とした歴史をひとりの男の生き様を中心に描く壮大なドラマ。にっかつ80周年記念作品。伴野朗の原作を彼自身が監督。脚本は藤浦敦と根本哲史、撮影は「あげまん」の山崎善弘が担当。

1992年製作/150分/日本
配給:にっかつ=東映
劇場公開日:1992年9月15日

あらすじ

元関東軍大尉の賀屋達馬は、五族協和の王道楽土を築く野望に燃える石原完爾中佐に呼ばれ、3年ぶりに満州の土を踏んだ。賀屋が受けた命令は、関東軍の戦費を極秘裡に調達すること。さっそく彼は満州一帯に銀行や工場を持つ大財閥・劉宗仁に目をつけ、大陸浪人の土門正吾とともに奉天第一銀行が発行する1億元の現大洋票を奪取。時あたかも満州事変が勃発し、賀屋はつづいて満州国建設の工作資金捻出に急ぐ。だがその時部下の裏切りにあい、危うく金と命を奪われそうになるが、そこへ現れた馬賊の一団が彼の窮地を救った。しかも驚いたことに、馬賊の女頭目はかつて賀屋と愛を誓いあった中国人の歌姫・張蓮紅であった。再び愛しあう2人だったが、今や関東軍の「影の銀行」とまで呼ばれるようになった賀屋は満州全土に拡大した戦線のため、ますます巨額の資金が必要となり、遂に阿片を扱うことになる。腹心の部下・土門に裏切られ彼を処刑せざるを得なくなり、また理想と現実との狭間で苦悶する日々を送る賀屋は蓮紅とともに上海へ移り、軍関係の阿片を一手に扱う山見剛とともに国民党の長老・唐紹儀と取り引きする。だがそのことが上海の秘密結社・青幇(チンパン)の首領・杜月笙の知るところとなり、テロリストによって唐紹儀は殺害された。さらに賀屋の阿片を奪取せんとする抗日組織の動きも激しくなるが、賀屋と山見は彼らを罠にかけることに成功。組織のリーダーはかねてから顔を見知っている青年・竜だった。自分とは違い命がけで祖国解放のために闘っている竜の姿にうたれ、賀屋は彼を逃がす。昭和16年、遂に日本は米国に宣戦布告、太平洋戦争が始まる。最強を誇った関東軍も各地で苦戦を強いられ、賀屋は起死回生の最後の望みをかけ、かつてない大規模な阿片の取り引きを行うため再び満州に戻った。そして極寒の地ハルピンで、杜月笙の青幇や、抗日組織との壮絶な闘いが展開される。阿片倉庫全体を火が包むなか、賀屋は杜月笙と一対一の闘いを行い、かろうじて倒す。だが戦局は昭和20年、突如ソ連軍が国境を侵攻してきたことにより、日本の無条件降伏で幕を閉じた。賀屋は知り合いの間宮一家の引き揚げを助ける途中、ソ連軍の検問所で妨害にあうが、今は八路軍の将校になった竜に救われる。こうして戦争は終わった。蓮紅は今度こそ平和に2人で暮らせると喜ぶが、賀屋は彼女に別れを告げ、激しい戦いの日々を胸に抱きながら、曠野の先、落陽の果てへ向かってどこまでも歩き続けるのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

1.5 脱力大作

2025年9月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

監督は原作者でもある伴野朗名義となっているが実際には名前貸しで、実際の監督は総監修・総合プロデュース・脚本の藤浦敦だったらしい。

劇場公開時に観た。満州を舞台とした国際派キャストのスケールの大きな史劇大作で面白そうだと思ったら、中国人役の日本人俳優が全員日本語でしゃべりだし、ダイアン・レインやユン・ピョウはどうするんだと思ったら、ユン・ピョウが出てくると全員中国語(広東語?)になり、ダイアン・レインが出てくると全員英語になるというハチャメチャな映画だった。これじゃいくら役者が全力で演技をしても学芸会のようにしか見えない。部分的には悪くないところもあるにはあったが、ダメなところがはるかにそれを上回る。あと水野晴郎の台詞棒読みには館内失笑だった。

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