「時間の無駄」吉原炎上 千さんの映画レビュー(感想・評価)
時間の無駄
観月ありさ主演のドラマ版が良かったので、映画も少し期待して観たのですが、はっきりと言って時間の無駄でした。
ドラマでは、主人公の久乃の芯が強いところやひたむきなところを観月ありさが好演していたので、楼の中で御職を張るまでの売れっ子になり、最後には自分の幸せを手に入れることができたのも、説得力がありました。
それに比べ、映画の久乃は自分の芯が一本通っていないぐずぐずしている感じに観ていてすごくイライラしてしまいました。映画の前半はなよなよ、後半は自分が花魁道中をしたいからと若さんを振ったくせに未練たらたらで、若さんにお礼だけでも言いたいと若さんの元に行こうとするのですが、若さんは新しい女をつくっているんだから、今さらおまえなんかお呼びでないんだよと思ってしまいました。
とにかく久乃の性格が好きになれませんでした。すごくイライラしました
久乃と九重の絡みのシーンはさすが女優さん、すごい迫力で鮮烈な印象を残しましたが、観終わったあとに印象に残っているのはそのシーンぐらいです。
最後に久乃が馴染みの旦那に身請けされることになるのですが、身請けされて吉原の門を出て歩いている所に、吉原が火事になって炎に包まれているのが久乃の目に飛び込んできます。久乃は吉原に戻ろうと走り出してしまいます。そこで旦那も久乃を止めずに、おまえが行きたいなら行けみたいな顔をして止めないのですが、えっ!止めないの?いや、止めようよ!!身請けまでしといてなにあっさり引き下がってるんだよ。と激しくツッコミを入れてしまいました。
始めから終わりまで物語の中に引き込まれることなく終わってしまい、退屈でした。遊女たちの苦悩を描いているはずなのに薄っぺらな感じがしました。
観るだけ時間の無駄だと思います。