「観なおしは良し悪し」妖星ゴラス odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
観なおしは良し悪し
昔、観て面白かったという漠然とした記憶しかない、同類が多いのか2か月待ちでやっと借りられた。
この種の衝突パニック映画の殆どは小惑星規模で爆破か進路変更可能な設定、ノアの方舟的な古典もあったが地球を動かす発想は本作しかない。なぜ無かったかと言えば奇跡の神頼みや魔法の物語と一線を画したSFならではの作家の矜持だろう。そもそも重量が6×10の21乗トンもある地球の軌道を短期間で変えて回避することは不可能、それを数字のトリックで一線を越えたのが本作である。
世界の終りは万人の関心事、原子力と数字を出せば科学的、大衆は崇高な犠牲者好き、インテリには古典の引用、年寄の考えそうな若者像、女性には恋愛要素、子供には怪獣(マグマ)、おじさんには美人、必然性のない入浴シーンでも見せておけば万事無難と言わんばかりの欲張り且つ安直な発想、東宝娯楽映画の典型パターン。東宝・特撮50本目の記念作品、いくら昔といえど豪華俳優陣、予算をかけてこの程度、初代ゴジラの真摯な志はどうしたのだろう。観なおしは良し悪し。
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